ハードボイルド



このタイトル。今俺がハマっているパチスロの機種名とは、あまり関係はない。

生き様の話をしようとしているのだ。



さてハードボイルドといえば、皆さんは北方謙三という小説家をご存知だろうか?

そう。彼はハードボイルド小説の旗手と呼ばれている小説家であるが、

その彼、俺のもっとも多感な時期である高校生時代に、

ホットドックプレスなる雑誌に人生相談のようなものを掲載していた。





覚えている内容はこんなものである。



少年A「好きな女の子に告白できません。どうしたらいいのでしょうか?」

謙三ちゃん「ソープに行け!」



少年B「どうしてもBより先に進めません。どうしたらいいのでしょうか?」

謙三ちゃん「ソープに行け!」



少年C「異性が気になって勉強が手につきません。どうしたらよいのでしょうか?」

謙三ちゃん「ソープに行け!」



少年D「この間、両親のSEXを見てしまって、ショックを受けています。どうしよう・・・」

謙三ちゃん「ソープに行け!」







少年E「先生の言うとおり、ソープに行ったらエイズを移されました。どうしましょう。」







・・・







謙三ちゃん。







「貴様のように、人のせいにするような奴は






死んでしまえ!!










・・・






最終的な答えが「死んでしまえ!」という人生相談って・・・






そもそも「ソープに行け!」と「死んでしまえ!」という人生相談なら当時の俺にでもできるが、

ジツはそうではなく、謙三ちゃんのハードボイルドな生き様(というイメージ)が

あっての説得力なのであろう。



当時はツッコミまくってたこの人生相談。

今となっては素直に受け入れられる自分がいる。





というのも、この俺。

ビデオテープに恋愛を見出していたような人生を送る中で、

ありとあらゆる女性から、恋愛はあきらめたほうがいいと、視線で宣告された中で、



その中で男として、いや人間としての自信を取り戻させてくれたのは、



他でもなく、風俗嬢である。





「こんな私でも、お話してくださる女性がいるのね・・・」

と、当初は遠慮気味に会話をたしなんでいたのが、

今では、合間合間の会話で彼女達を抱腹絶倒に導かなければ満足できない体に・・・



当然シロウト相手では、

山手線ゲーム「お題は体位の種類」で、

一人で48周してしまうぐらいの勢いである。





そんな堂々とした人生は、すべてソープと出会えたから。



今では謙三先生の言葉が含蓄のある言葉に思える。



そう。合言葉は「ソープに行け!」










さて、本題。



そうして男としての自信を身につけた俺。

立ち振る舞いもハードボイルドそのものである。



確かに会社員時代は宿便が逆流するほど頭を下げ続ける毎日だったが、

それでも志は秘めていた。



自由業となり、その傾向は顕著に現れるようになる。



ハードボイルドとは人の目を気にせず行動する

しかしその行動に対する熱い視線を感じずにはいられない・・・


・・・そんな生き物である。





今日も新宿「MONZOKUショップ」に入店。

おもむろに「ぺぺ」というローションを購入。





当然オナニー用だが、同人誌コーナーに群がるもやしっ子どもは、

ボンドガール並の美女と「ぬるぬる大作戦」を展開するハードボイルドな俺を想像し、股間を熱くしたに違いない。

痛いほど視線を感じる。



そして夜の歌舞伎町を闊歩する。

いつも以上にポン引きキャバクラのお姉さんに声をかけられるが、

スーツ姿でタバコをふかし、その紫煙の中で憂う表情を魅せる俺に、

アンニュイで孤独な男の陰を見出したのだろう・・・










知ってたか?

ポン引きはモテなそうな奴に声をかけるんじゃあない。

”漢”のニオイのする者に声をかけるのだ!



精子の飛ばなそうなED予備軍に、声をかけてくれるはずはないだろう?

ポン引きに声をよくかけられる奴へ。それはむしろ誇りに思っていい。




長年培われた”ご都合主義”による解釈のまま、しばらく夜の街を練り歩いていたのだが、






・・・どうも思いっきり視線が「痛い」






まあ、これは後で気がついたんだが、



ローションを入れていたMONZOKUの袋に堂々と、

「MONZOKU SHOP

風俗情報誌・成年コミック・AV・アダルトグッズ」


と印刷されていたのである。













そりゃあ、こんなもんもって歌舞伎町を歩いてりゃ

ポン引きも声かけるわな(涙)









結局言いたいのは、

堂々と取り扱い商品をプリンティングするショップの潔さと、

それに気づかない俺の蛮勇さ。

これぞハードボイルドな世界である。
ということ。

(2001/8/19)

俺にとっては日記程度の出来事