告白
・・・
ちまたでは、恋だの愛だのピーチクパーチクうるさいが、
何様のつもりだ!お前ら!!
・・とのっけから八つ当たりモード全開などと勘違いされては、困る。
この俺様はかなりモテる
・・・と思う。自分では。
根拠は・・・ない。
ないが、根拠のない自信を胸に、人生という海原を航海するのも・・・悪くない。
「その自信はどこから生まれるの?」うむ。もっともな質問だ。
その答えは、つまりはこういうことだ。
「傷つかない」
その昔「ダイアモンドは傷つかない」という映画で田中美佐子が小ぶりの乳を披露していた。
いい乳だ!
・・・ということではなく、
鋼の心を持ってすれば、女の言動なんぞに動揺することはない、と言いたい。
俺はフラれたなんて思ったことはないね。
仮にそれが世間一般に失恋と呼ばれるものであったとしても、だ。
正直、判定が微妙だった、という経験はある。
諸君らに親近感を覚えてもらうためにも、ここは一つ話をしよう。
まあ、俺にもそんな時代があった、ということでだ。
(回想シーン)
もう、何度目になるのだろう・・・
この目の前にいる女の子と食事をするのは。
恋人のいない俺にとって、恋愛というのはどういうものか、わからない。
でも、この娘といると胸がときめくのがわかる。
その娘の笑顔、話し方、立ち振る舞い・・・
こんなにも胸の鼓動が激しくなりそうなのに、
それでいて癒されるのは何なんだろう?
わかってる。わかってるさ。
正直に認めよう・・・今俺は”ある感情”に心を支配されてるんだ・・・
君の笑顔は俺のものだけにして欲しい。
他の男にはそんな表情をして欲しくない。
そう言葉に出すのには、少し距離が二人の間にはある。
でも、君はどうなんだい?
そんなに愛くるしい仕草は、生まれつきなのかな?
それとも・・・
・・・
君を俺のものにするには、
多分、言葉にするのは、男の仕事なんだろうね。
でもね。
もし君に「NO」と言われるのが、
それが怖いんだ。
もし「NO」いわれたら、もう君の笑顔も、
そう、そのはにかむような表情も、
きっともう俺は見ることができないよね。
今、この場にドラえもんがいたら・・・と本気で思うよ。
そうしたらドラえもんに、「あの娘の気持ちが知りたい」って頼むんだ。
もし君にそのつもりがないのなら、それでもこの関係のままでもいいんだ。
でも、少しでも前に進みたい。我がままかな?
よく「当たって砕けろ!」っていうじゃない?
でも、砕けちゃったら、どうなるかわかんないよ。俺。
えっ?何か顔についてる?
どうしたの?そんなに見つめて・・・もしかしたら顔にでちゃったかな?
ああ、多分ここなんだろうな。
お父さんがお父さんになったのも、
お母さんがお母さんになったのも、
こういう瞬間だったのかな?
いつ言おうか、いつ言おうか迷ってたけど、
多分、このタイミングなんだろうね。
いい?驚かないでね。
今から俺の気持ちを伝えるから・・・
「あの・・・」
「なあに?」
「あのな。
もし良かったら・・・
俺の・・・
俺の・・・
俺のセックスフレンドになってくれないか?」
・・・
突然訪れる沈黙。
何故か答えは「NO!」(このビックリマークに注目だ。)であったが、
後日友人に聞いたところ、
それは「フラれるとかいう次元の話ではない」との回答を得たので、
かなり微妙なジャッジではあるが、
とりあえずは「フラれたことがない」という
不敗伝説はセーフ!
(2001/8/21)