クリスマスケーキ


クリスマスイブには部屋の掃除をするのが、
俺の毎年の恒例だ。
とにかく、よく眠れる。早い時間に。

最近は涙で枕を濡らすので、
マクラ・カバーも洗濯する。

中学3年のクリスマス・イブ。
スーファミの「F−ZERO」の対戦に疲れた友人(♂)が帰るのを、
なんだか寂しそうに見送る俺がいた・・・

「さあ・・・。笑っていいともスペシャルでも観ながら寝よう・・・」と思ったその時、
玄関のチャイムが鳴った。

4人の同級生(♀)が、そこにいた。
4人でホームパーティーをしていたという・・・

「つくりすぎちゃったから・・・」といって
俺にクリスマスケーキを手渡した。

石田 純一になった気分だった。
次のクールからは俺をテーマに「月9」のドラマが始まる・・・
そう確信した瞬間だった。

本当につくりすぎたらしいことを証明する、食べかけ(!)のケーキであったが、
女の娘らしいね。ローソクとか、デコレーションが可愛らしい。
クリームの上にビーズみたいなお菓子がちりばめられている。
石田 純一のまま、それに手を付けた・・・






仁丹だった・・・




その日から、仁丹は俺の大好物である。

26年の俺の人生史上、
こんなに女っ気のあるクリスマスは、
他には、無い。

(2001/6/13)


もう・・・寝かせてくれよ・・・