仁義なき戦い〜ニーマン2〜
ファミリーが栄華を誇った時代があった・・・
「エロで牛耳る第六学区」
・・・そう。俺のエロは江東区(居住地)に留まらず、
墨田区や江戸川区の一部をも巻き込む規模に膨れあがっていった。
しかし基本は「真面目っこ」であった。
当時としては膨大なAVの貯蔵量や、仕入れの確実さ、
そしてニーズにあった品揃えなどで、AV入手困難な同世代の流通を担う、
というのがその勢力を広げる原動力となっていた。
映画「ゴッドファーザー」でいうところのマイケル・コルレオーネである。
極めて理知的であった。
そこで台頭勢力の存在を耳にする。
「ニーマン」の存在だ。
当時ニーマンは「松屋」でバイトをする同年代で、かなりの武闘派とのこと。
きれいなお姉さんが来店すると、
「休憩はいりま〜す。」と言って、休憩室でオナニーをはじめる・・・
そんな傍若無人ぶりであるという。
この武闘派との出会いは、意外に早く訪れた。
地元の配達専門のすし屋でバイクでの配達のバイトをやっていた頃、
バイト仲間の友人であるニーマンが、そのすし屋に遊びに来たのである。
そんな得体の知れない人間が出入りできるほど、
その配達専門のすし屋はガードが甘かった。
「できる。」 一目見て、俺はそう思った。
どんな対応をするのかと、ひとつカマをかけてみることにした。
初対面のニーマンにピンサロに行こうと、誘ったのである。
ニーマンは驚くべき行動に出た。
普通であれば、初対面の人間から風俗に誘われれば、
それなりに戸惑いも見せるだろうに、微動だにせず、
いかにも当然のように振る舞い、しかも
「あっ。でも昨日俺風呂に入ってないから・・・」と言ったかと思うと、なんと・・・
すし屋の流し場でチンポを洗い出した・・・
よもや寿司を注文する客も、その流し場で生殖器が洗浄されたとは思うまい・・・
「次の世代がここまで成長してるとは・・・」
唖然とする一同の中にありながらも、
引退を決意するドン・コルレオーネの姿がそこに在った。
彼との交友は、それでも続いた。
エロ談義に花を咲かせ、バカ話に興じる日々が続いた・・・
共通の友人がこう言う。
「最近、奴のビデオのセンスがよくなってきたぜ。」
ロリコンや強姦物中心の、彼の独自の世界観から、
第6学区のエロを掌握するために必要な、
広くニーズにこたえられるAV管理を行っている証拠である。
結局、その「かなりツボに入っている」というAVを、
その友人から又借りした。
奴の選択したビデオを借りる・・・
ある意味、彼の軍門に下ることを意味し、
第一線からは退くことになる。
それでも後悔はない。
これからは恋に生きていこう・・・
そう決意し、コルレオーネはビデオを再生した。
俺が貸したビデオだった・・・
(2001/6/15)