ハード・デイズ・ナイト
残念ながら、実話である。
時に6月22日(金)20:00より二十数時間。
この間に、我が身に起こった実話である。
実話ゆえに”オチ”がないことを、まず先にお詫びをしておく。
20:00 前の会社の同期3人と日本橋にて、集合。
2年前、九段下の武道館の桜の前で、お互い力を合わせよう、と
共に誓いあった、あの3人である。
20:30 何故かお台場の「ビーナス・フォート」にいる・・・
金曜日の夜。きらびやかな観覧車のライトアップの下にその3人はいた。
気の触れたような茶髪の宮川大輔と、スーツ姿のマギー四郎、
そしてどう見ても次長クラスの貫禄のあるオジサン・・・
この3人で一体何をしようと思ったのだろうか?
21:00 月島のもんじゃ屋にいる三人。
ああ、これこそがこの3人にふさわしい場所だ。
残念ながら健常人としての姿をしているのは、ここから先2時間だけである・・・
23:30 妻子持ちを自宅に送り届ける。
奥さん。間違えなく彼は無実です。
デビット・リンチの描くようなシュールな世界が展開されるのは、
アナタの亭主が自宅に着いた、その後の瞬間からである。
24:00 当然のように行き先を「新小岩」に設定するマギー四郎。
さすがは俺の師匠!!
当然のように夜の終焉を迎えるはずはない、とは思っていたけど、
師匠。「テレクラでオールナイト!」とは、相変わらず「キレ」てますねえ。
24:20 新小岩に到着。
師匠は段取りを重視する人間である。
もしうまくいった場合の「ラブホテル探し」に繰り出す。
・・・男性2人でラブホテル街を歩き回る。
そこのカップル!!誤解しないように!!
俺たちはホモではない!
泣く子もさらに泣き出す「エロ侍」だぞ!俺たちは!!
24:40 新小岩「リンリンハウス」入店。
すばやく5本のエロビデオを選択する師匠。
その決断力の速さたるもの・・・流石です!
翌1:30 お〜しっ!アポが取れたぞ!!
早速師匠に報告だ!
凡作「あの〜。ちょっとアポ取れたんで行ってきます。」とドア越しに声をかけると、
師匠がYシャツにトランクスのみの姿で現れる。
師匠「おう。頑張れや。」
っていうか、アンタ何してたんだ・・・
1:45 待ち合わせ場所に到着。
一人の女性がいるが、姿がよく見えない・・・
確認の為に気づかれないように、前へまわる・・・
芸能人でいうと「山田 花子」以下の偏差値の女性である、と気づいた時には、
その女性の視線は俺にロック・オン!!
「電話の人ですよね・・・」と声をかけられたときには、
既に逃げられない状況であった・・・
嗚呼、既に俺は、
「愛を与える側の人間」になってしまったのか・・・
2:00 かなり久々のラブホテルに花子と入る。
明るい照明の下で彼女を見ると、
・・・なあ、君シンナーやってるだろう。
2:10〜3:30
(編注:著者の人権の為、編集部で割愛させていただきます・・・)
3:40 テレクラに戻る
師匠は相変わらず、トランクス姿でご満悦である。
ねえ、どこで自分は泣いたらいいんですか・・・
3:50 電話が鳴る
今度は正真正銘のシロウトの女子大生であるらしい。
生意気そうではあるが、オジサンの大人の魅力でメロメロにさせてあげるよ・・・
5:30 電話が続く・・・
かなり時間をかけてしまったが、そろそろ女の子のガードも下がってきた。
既に6ラウンドが経過・・・しかしあとボディブロー一発で、チャンピオンベルトは俺のもの・・・
「私ね。スポーツみたいなセックスがしたいの・・・」
君もか?奇遇だね。でも俺はオリンピック級だよ・・・
これはいける!と確信したその時、師匠が部屋に入ってくる・・・
「俺、もう帰るわ・・・」どうやらお疲れの様子である。
師匠、アンタいつもタイミングいいですねえ。
6:30〜12:00 睡眠
17:00 友人Kが自宅に来る。
どうやら寿司が食いたいらしい。
19:00 寿司をカウンターで食べる。
寿司の最中で、どうやらKが風俗に行きたいことを知る。
ごめん。君には言ってはいないけど、昨日の今日だから、ちょっとワシ乗り気でないなあ。
そんな俺の気分を察してか
「この寿司屋の会計が8,000円以下なら、風俗に行こうぜ!」
19:30 すし屋を出る。
神は俺に”漢道”をどこまで邁進させようとしているのか・・・
すし屋で請求された金額は「7、812円」であった・・・
もう迷うことはない。目指すは「池袋」だ!
ああ、もうひとつ納豆巻きでも頼んでりゃ、平穏無事に過ごせたのに・・・
20:15 池袋に到着。
当HPの愛読者「T」さんよりTELが入る。かなりのナイスガイのTさんは、
当HP上で俺の精神崩壊の段階を目の当たりにしつつも、これを阻止すべく、
女性同伴の飲み会をセッティングしてくれたらしい。
これから風俗です・・・と正直に伝えると「ぎゃはは〜っ!」と爆笑しながら、
「ちなみに待ち合わせ場所には
渋谷のチーマーのような格好で来い!!」
ああ、一体どうしたらいいんだろう・・・
21:00 池袋の性感に到着。
初めての店である。9,900円とはかなりリーズナブルだ。
30分待たされるが、まあいい。
昨日の悪夢を払拭するような、女の子カモンッ!!
・・・
平たく言えば「ボッタクリ」である。
中に入るやいなや、まあ、かわいい女の子が、
現状のコースではフィニッシュを迎えることができない、という。
悲しいかな、こんな女の子を目の前にして、イジくられるだけで我慢できるほど、
ガンジーのように無欲ではない。
・・・
さあ、何があるかと問い正してみると、
フィニッシュコースは「イメージ本番」と「前立腺マッサージ」。
???
前者のコースは意味不明だが、なんだかそそられる響きだ。
後者のコースも捨てがたいが、
俺のただでさえしまりの悪い水戸の副将軍の具合が、
さらに悪くなるのは火を見るより明らか。
「イメージ本番」でお願いします。
何ですか?オプション3つで1万円?
じゃあ「バイブレーター」と「ポラロイド」でお願いします・・・
・・・
さて、イメージ本番とはいかがなものか・・・
期待に胸を膨らませる俺の目の前に飛びだしたるはなんと
オナニーマシーン!
ご存知か?気の利いたビデオ屋に500円ぐらいで置いてある、
オナニーマシーン!
そう、カップラーメンのような容器の中に、ゼラチン質のようなものが張り付いている、
オナニーマシーン!!
それを女の子が股に挟んで、シコシコしているのである。
嗚呼、懐かしい感触だ・・・
わざわざ風俗まで来て、こんなことをされている自分。
頬を伝う涙を拭い切れない・・・
翌12:30
スピルバーグの「AI」のオールナイトに繰り出す。
主演のジョエル・ハーレー・オスメント君。
君には今すぐアカデミー主演男優賞を与えよう。
スピルバーグもなんともシュールな映画を撮るようになったもんだ。
3:00
映画を終え、立体駐車場を出るのはいいものの、
道路に出る道の前で、何やらうろうろしている車がある。
出れねーじゃねーかよ・・・
と、憤るも運転者はなんともかわいい女性。
隣には量産型ザクぐらいにありふれたブサイク男が乗っている。
早く行ってくれよ・・・
と思っていると、思い切ったように駐車場の前のラブホテルに入っていった。
どうしてこうなっちゃったんだろう・・・
10代の俺の未来予想図では、26歳の俺は既に明るい家庭を築いているはずだった・・・
少なくとも可愛らしい彼女と週末ははにかみながら、
ラブホテルにでも入っている逸材であった・・・
それが今では、
山田花子に愛を与え、
女子大生に手玉に取られ、
風俗嬢にオナニーマシーンを駆使され、
一人で映画を見ている始末である・・・
Make me a rial boy・・・
つぶやいた・・・「AI」にジョエル君のように・・・
誰かこの時の自分の背中から出る哀愁を見ていたら、
日本アカデミー主演男優賞は頂きだ!
5:00
この文章をここまで書き、
「皇室アルバム」と「お達者倶楽部」の放映を楽しみにしている自分がいる。
枯れてるのか、俺?
ん?そういえば前にもこんなこと書いたな。
どれどれ、そうだ。先週の土曜日の長七郎だ。
そうさ。”漢道”を行く限り、
こんな不毛な生活は続くのだろう・・・
そう、言うなれば・・・
まあ、いつもどおりの展開である。
(2001/6/24)
さて、勘のいい皆様。「風俗でのポラロイドはどーした!」と突っ込まれることでしょう。
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