〜 エピローグ 〜
〜 千葉県成田市 ・・・成田国際空港
・・・何故か俺は、マッぱだかで、とある部屋に閉じ込められていた。
男「君、何故こんなものを持ち込んだの・・・?」
何故俺はこんなところにいるんだろう・・・
記憶は少し前に遡っていた。
〜 ツアー最終日 ・・・タイ
日本人ツアーの一行は空港に向かう前にお土産を買うために
小汚い市場に立ち寄っていた。
俺はお土産を買う金があるはずも無く、
ただ空を見上げて煙草をふかしていた。
そこへナッツーが声をかけてきた。
「お土産がなくっちゃ、カッコつかないでしょ?はい、貸してあげる。」
と、お土産を買うためのお金を貸してくれた。
芯があるが、心の中では男の立場を考えている女性。
ホント、いい嫁になるよ。
そんな彼女の好意に甘えて、市場に入ってお土産を物色。
そこで、バッタもんくさいが妙に俺の気を引くアイテムを発見。
飛び出しナイフ・・・
ナイフ・・・嗚呼、妖しく光る魅惑の金属・・・
せっかくのナッツーの好意をこんなところで・・・と思いつつも5秒で購入を決意。
問題はどうやって日本国内に持ち込むか、だ。
大して罪の意識があったわけではなく、まあバレないほうがいいだろうなあ、という意識。
それでも空港の免税店で購入した煙草のカートンの中の何箱かを取り出し、
ちょっとしたスペースを作って、そこに飛び出しナイフを入れて飛行機に乗り込む。
〜成田空港
罪の意識が無いゆえに、意外に堂々と荷物を検査に通し、係員の質問を受ける。
係員「禁止物とかはありませんか?」
凡作「ありません。」
係員「銃等類のようなものはありませんか?」
凡作「・・・ありません。」
係員「・・・本当に?」
凡作「・・・ええ。」
この時点でかなり嫌な予感はした。
係員はかばんを空けだし、荷物を点検しだす。
そして一目散に煙草のカートンを取り出し、それを手にして
係員「ホントにないの?」といやらしく微笑む。
凡作「・・・なんでわかったんですか?」
・・・
とにかく空港内の部屋に呼ばれて、尋問のようなものが始まる。
係員「どうしてこんなものを持ち込んだの?」
さすがに少し動揺していて、とんちんかんなことを供述しだしてしまう・・・
「あのう・・・
それで水虫でも剥がそうかと思いまして、それ用に・・・」
イケない薬を服用している可能性も加味されてしまったのか、
その場で着てる服を脱ぐように指示されてしまう俺・・・
遠足は家に着くまでが遠足です。とよく先生が言っていたが、
まさか最後にこんな目に遭うとは・・・
きっちりバンブーとナッツーもとばっちりをくった。
俺がストリップに興じている間、放送で
「松田凡作という人物と同行された方、至急係員までお申し出ください。」
と呼び出され、必要以上に念入りに荷物を検査されたという。
ナッツーにいたっては買い込んだブランド物のバッグなども念入りに調べられ
「もう!梱包まではがされたじゃないの!」
と、怒涛の勢いで俺に攻め寄った次第である。
出発時に罵声を浴び、到着時にも罵声を浴びる。
そんな扱いはそれ以降も変わっていない。
ただ、罵声を浴びせ続けれるとはいえ、
そんな関係が今までも続いているというのが
間違えなく俺の財産であり、
タイ旅行の思い出は、俺の宝物なのだ。
(2001/11/17〜11/20)
さて数夜にわたってお送りしたマイ・青春グラフィティ。
我ながら射精、チンポ、風俗ネタなしによく引っ張ったものだ、と思いますが
先日バンブー君とこの話で盛りあがり、ネタにしようと約束した事実と、
偶然にもナッツーがこの度結婚する、というはなむけに、自分自身懐かしんで書きました。
なんのこっちゃ、と不思議に思う方々。勘弁してくださいね。
今回は俺とバンブーが懐かしければ、それでいいのだ。