女にフラれた、ということが、世間的にどれだけ重要なことかは知らないが
ある面で己という人格を否定されているわけだがら、ショックな出来事なはず。
それなのに、当然のように時は流れ、世間は動き、
何故か自分はいつものように日記を更新し、なにより
それを知ったはずの周囲の人々になんのリアクションもないところあたり
・・・なんというか、卑屈にも自分が大好きになる瞬間である。
正直、対象のいるクリスマスが迫りつつあるとなると、
なにぶん、これまでの人生で経験のないこと故
どーしていいかわからない不安に苛まれたに違いないのだが、
今となっては
(今年は思い切って吉原のソープにいってみっかな?クリスマス)
ぐらいな心境。口元にちょっとした笑みを浮かべながら。
ここまでの人生経験において、何ゆえに28年間も彼女が出来ないのか?
さすがに自分に原因があることにはうっすらと気づきつつあるが、
何が原因なのかはさっぱりわからない。
顔か?甲斐性のなさか?根性のなさか?
今日も合コンで銀座へ。
とかく固くなりがちな初対面を、ウィットに富んだトークで揉み解し、
ジリジリと下ネタレベルを上げようとするが、
相手は意外に下ネタが慣れていないようで、
残念ながら下ネタレベル1.5当たりで折り返し運転。
そこで強引にいける根性があれば、
よもやかませ犬の称号は与えらえるはずもないのだが、
居心地の良い空間を求める日和見根性の自分がいる。
効を奏してか、飲み会自体は盛りあがり、二次会のカラオケに赴くも
「同じ職場の人、呼んでいい?」とは、終電直後の午前1時。
初対面のヤロー登場にて、外部者は私一人。
凡作 「じゃ、あとは気心の知れた人同士で・・・」
と、一人銀座のカラオケ屋を後にする。
ホントに悲しいのは、私の去り際を誰も止める者がなかったことではなく
その中の女性に心を奪われかかったことである。
寒い季節の風の中で
「やっぱり凡作君とは友達以上にはなれません」と断言されてしまう
そんなわかりきった凡作版”未来予想図”を頭に思い描く・・・
そんなわかりきった展開に心を焦がすほど、寂しいことはない。
(ちょっと頭を冷やそう、か)
タクシーを拾おう、と歩き出したはずなのに
気づけば銀座から自宅まで歩ききっていた。
雨降り後の路面を、踏みしめて歩くアンニュイなひと時。
思わず斉藤和義の『歩いて帰ろう』を口ずさんでいる、
そんな切ないひと時が、意外に好きだったりする。
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