今月の最終日に当たる今日も、私は出張でした。
本日は京都へ日帰り出張。
午後の4時には新幹線”のぞみ”に乗り込み、東京へ向かいます。
IT革命、eビジネスの台頭といったところで
東京〜新大阪間の新幹線の席がスーツメンでごった返しているのは
とりもなおさず、やはりビジネスの基本が”人と合うこと”ということを
如実に証明しているに過ぎないのだろう。
事実、私もメール一本で済むはずの仕事を
ムリムリ現地に飛んだ、という経緯であり、今回の仕事で最も注力したのは
『出張に出てもいいですか?』と上司を説得したのが9割程度という事実。
それでも『メールで済ませや!』と、言われきれないところが、
やはりビジネスの基本が人に会い、人と会話し、人をその気にさせる・・・
そこが重要である所以であろう。
・・・そう考えると、
俺に言わせるとキャバクラの女の子こそが真のビジネスマンじゃない?
(・・・女の子は”マン”じゃないか。フフフ)
と、中学生なみに下らないことを考えながら読書をしていた。
ちなみに
”おま●こ”という言葉は北の政所(まんどころ)から来ているらしいが、
ビジネスマンのマンとは全くもって関係ない。ああ我ながらホントに下らない。
まあ、のぞみ号の乗客の8割以上を占めるビジネスマン然とした
したり顔したスーツ姿の男が、
すべてがすべてまともに仕事をしてるわけじゃない。
・・・例えば、俺の席の隣の男。
歳の頃、30を少し越えたぐらいだろうか?
難しい顔して前の座席についている机の上にラップトップを広げ、
加えタバコで颯爽とマウスを操ってはいるが、
よくよく見るとソリティアの画面である。
・・・
しかも、頭が弱いのであろう。
京都で乗り込んだときから取り組んでいるにもかかわらず、
名古屋を越えてもクリアする気配はなく、毎度のようにカードを配り直している。
さ、ほっといて読書読書。
・・・
いつのまにか、うたた寝をしてしまったようだが、
”ちゃら〜ん”という効果音で目を覚まされた。
言わずとしれたソリティアのクリア時のファンファーレ。ようやく解けたらしい。
外を見ると視界一杯に湖が広がる。
どうやら浜名湖である。夜のお菓子のうなぎパイで有名な。
(あ〜あ。東京までまだかなりあるよ。もう寝れないから本でも読むか。)
そう思って、
先ほどより手に握っていたフランス書院文庫に目をやった。
『哲也ちゃん・・・これがお姉さんのおま●こよ・・・』
『姉さん!たまらないよ!もうガマンできないよ!』
・・・ごくっ
哲也ちゃん・・・ガマンできないのは俺のほうだよ。
なんなんだよ。こんな新幹線というパブリック・スペースで
とんでもない気持ちになってきちゃったよ、俺は。
隣のソリティアおじさんがいなければ、間違えなく股間に手を伸ばしてたね、俺。
新幹線大爆破!の世界よ。
ぐいぐい引き込まれていく私。
日々の日記で文章がすらすら出てくるのは、
このような日々の読書の賜物であることを、
漫画世代の君たちはキモに命じるといい。
時が過ぎるのを忘れるのも忘れ、甘美な世界に没頭していると
『次は新横浜ァ〜』
待ってよ。今一番いいとこなんだよっつ!
『あと10分少々で終点、東京に到着いたします』
待ってよ。10分じゃおさまんねーよ。俺と俺の息子。
とにかく
東京駅のホームで、カバンを手前に腰を丸めて歩く
不振なビジネスマンを見たアナタ。
それが私です。
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