『兄い』が一緒にパチスロを打とう、というので、
またもや神奈川県まで遠征である。
今日の予定は、18:00より大学時代の友人と飲み会の予定なので
実はひっそりアンニュイな土曜日を過ごそうなどと考えていたのだが、
金曜日の夜に、兄いから電話があり、
鬼のような押しの一手で
(そういやさすがに元証券マン。電話先で断わらさないすべを知っている)
金がないのにもかかわらず、遠征の運びとなる。
兄い「あのよ。こっちは9時開店だから。8時半にはいろよ。」
逆算するに、起床は7時半となるであろう。
何故に平日より早く起きねばならんのだ?
金曜日の誘惑に誘われて、
眠りについたのが雀の鳴きだす4時すぎとなれば
もおう、眠くて仕方が無い。
兄い「よう!まあ、ここに座れよ。」
対戦機種は『アラジン』。
よりにもよって”漢”な台だな。
5分遅れで到着し、神奈川県のとあるホールに到着。
ヴァージン台であると思われるアラジンに着席。
ん?20ゲームほど回してあるぞ。
さすがパチスロの聖地、神奈川県。
モーニング狙いでカニ歩きしている奴がいるのね。
凡作「モーニング狙いで少し回ってますね。」
兄い「あ?それ俺。」
実に漢らしからぬ立ち回りである。
でもこの人。先週10万以上勝った人なので、
チンカス、最弱のわたしめが、意見するのもおこがましい。
アラジンとは単チェリーを引いてナンボ。
チェリーボーイと噂に名高いこの私が、その真髄を御見せしよう。
・・・と、2000円目に単チェリー。
兄い「オイ!アツイじゃねーか。」
凡作「まあね。でも引くだけ引いてもアラチャンに入らない・・・」
ビカッツ!!
兄い&凡作「うわおっつ!」
近年まれに見る引きの強さである。2000円でアラチャン。
兄い「やられたよ。カマ掘られたよ!」
いや、兄い。ソレは違う。
しかし、自分でもこのヒキは信じられない。
一昔前は、単チェリー即ヅモは当たり前だったのだが。
私が順調にアラチャンの連チャンとBIGで出玉を増やし、
そしてすべて飲まれるまで、
兄いは何も出ずに7万円もつぎ込んでいる。
兄い「恐ええ!恐ええんだよアラジン!どーなってんだよお!」
普通の人なら青ざめてやめるところだが、
確かに興奮しているようだが、嬉々として千円札を捨てている兄い。
私にも言えることだが、
実に不毛な侠気の見せ方だ。
結局、2万円ほどの負けが確定した14:00。
「もう3,000円打ってけよ。」と、相変わらずの兄いに別れを告げ、
駅の改札口からホームへと進む。
・・・眠い
強烈に眠い。
午後の日差しに包まれて、ほんやかいい気分になって
駅のベンチで、いつのまにか横になって寝てしまっていた。
なんて隙の多い人生なんだ。
というよりも、目覚めた時
電車を待つ部活帰りの女子高生の視線が妙に痛かった。
あのね。これでもオジサン、平日はちゃんとお仕事してるの。
そんな家なきオジサンを見るような視線はヤメてくれないかな?
さて、友人と待ち合わせしている飯田橋に到着。
時に16:00。集合時間まではあと2時間。
さっきのうたた寝で、疲労回復、眠気すっきり。
・・・パチスロしかないでしょう!
我ながらバカだと思うが、バカに生まれたからには仕方が無い。
第一、今日という日を負けっぱなしで、うまい酒など飲めるはずもない。
勝負開始。
こんな感じで、その勝負は2万円勝っているところで、
約束の18:00がきたので、勝負終了とする。
今日だけで言えばチャラのラインだが、
久々の友人を待たせるのも悪いので、後ろ髪を引かれつつも両替。
飯田橋の西口という、学生時代の待ち合わせの定番であった場所で
ガードに腰掛けながら、友人を待つ。
多分、我が母校の学生であろう若者が、その近辺をたむろしている。
(ああ・・・やっぱ若いな。)
残念ながら、そう思ってしまうこと自体、私も歳をとった。
金の管理や、やっていることの幼さは全くもって変わっていないが、
それは単に成長していないだけ。如実に年齢はきざまれていく。
しかし、アレだ。
どーでもいいけど、待ち合わせの友人が遅い。
せっかくパチスロを早めに切り上げたというのに、もう15分も経ってる。
友人に電話してみる。
凡作「おい!15分も過ぎてるぢゃないか!新手の嫌がらせか?」
そこで友人。
友人「なあ凡作・・・来週だぞ。飲み会は・・・」
・・・
無駄に過ごした年月が恨めしい。
確実に学生時代より退化している・・・
社会適合力というか、なんというか、
とにかく、そんななにかが欠如している・・・
北海道に行くのがこれからで良かった。
こんな人間が冬、北海道にいったら
確実に死ぬ
あぶねえ、あぶねえ。
ま、気にしても仕方が無い。これから何するか?
ぽっかり予定のなくなってしまった私。
ふと財布を見る。
アレ?兄いと別れた時より、2万円も多く金があるぞ。
ソープしかあるめえ
・・・ということでソープに言ったとさ。チャンチャン。
(あとがき)
ソープにて、女の子に「お兄さんは何歳?」と聞かれ、正直に27歳と答える。
「え〜ウソ〜」と彼女は驚いたあと、あらかさまにフォローを入れるように
「だってお兄さん、落ち着いてるもん。」ですって。
そうです。よく年より上に見られるけども、本当はおこちゃまなんですよ、私。
ま、仮にただずまいが落ち着いていたとしても、その数分後
息子がとっても落ち着きなかったので
その後は彼女もフォローのしようがなかったとさ。チャンチャン。
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