非常にいい天気である。
とりわけ海に行く用も、プールに行く予定がなくとも、
こんな日は屋上に出て、日焼けしたい気分である。
しかし毎回の”漢”シリーズにて、
学習能力のない犬のように、毎回毎回日焼けにてヒリヒリと悶絶するのは
社会人としてあまり望ましいものではない。
そこで今日はマツモトキヨシに、日焼け用品を買いに行く。
それはシーブリーズやコパトーンといった日焼け関連用品。
ちなみに私は全くといっていいほど、マツキヨには行かない。
男性用コスメを利用するほど、私はオシャレに頓着はないし、
なにより、そんな物に頼るまでもなく、男前である。
しかし意外にも私の興味をそそる品揃えにはマイッた。
食事の脂分をボトリと落とす粉末状の薬品とか、
ま、そんなダイエット商品に目がいったのだが
実はそれ以上にコンドームの品揃えに驚いたのだ。
私が中学生の頃には近隣の自動販売機にて
深夜こっそり買いに行ったものだ。
「何に使うんだお前?」という醒めた意見はヤめて欲しい。
いずれ来るべき瞬間(とき)のために装着の練習を行うという
そんな用意周到さは、その当時から持ち合わせていた。
・・・ま、仮にその練習期間が10年近くあったことは置いといて
ともかく想像以上の品揃えである。
うすうすコンドーム、ミントフレーバーのコンドーム、
ゴルゴ13のコンドーム(一発必中ってことか?ヤバくないのか?)
ワンタッチ装着のコンドーム・・・等々
自分の貧弱な想像力以上の品揃えに舌を巻いたところだ。
そんな感嘆の表情を浮かべながらコンドーム欄を凝視していると
私に嫌疑の視線を向けるオジサン店員を発見する。
多分、恥ずかしくてレジを通せなくて、万引きしてしまう
お茶目なヤリヤリ青年だと思っているのだろう、このオジサンは。
ナメンな!俺はそんな男とは180度対極に位置する男だぞ!
と、心の中で叫んだ。
180度対極、というのは、そんなものを買うことは屁でもないと同時に
その商品の利用用途がない、ということだ。自分で言ってて恥ずかしい。
しかしこのオヤジにナメられぱなしな訳にはいかない。
凡作「あの、すいません。」
店員「・・・何ですか?」
凡作「ワンタッチでビッグサイズ用のって、ありますかね?」
試合開始直後のスマッシュ・ヒットが決まった。
鳩が豆鉄砲喰らったような表情のオヤジの表情から、そう思った。
店員「ビッグサイズ・・・って何がですか?」
ヤルなオヤジ・・・知らん振りしてやがる。
凡作「ヤだなあ、アレですよアレ。」
店員「ああ。アレね。アレにも色々ありますからねえ。」
つかつかとそのコーナーに歩み寄るオヤジ。
店員「コレなんかぴったりサイズで、よく出てます。」
凡作「いや、それって小さめの人用でしょ?」
店員「・・・まあ、そうですけど。」
凡作「だから、小さめの人用じゃなくて・・・」
店員「じゃ、コレなんかはどうですかね?」
凡作「何?」
店員「これはゴムが厚く作られてて、長持ちするという・・・」
凡作「だから、長い、じゃなくて、大きい・・・」
店員「長いって、アレの長さじゃないですよ。時間のことですよ?」
わざとやってやがる・・・
ちょっと恥ずかしくなってきたので、そろそろ勝負をつけよう。
凡作「あのですね。僕が探しているのは
僕は小さめのアレにフィットするものでも
長持ちするヤツでもないんですよ。
ビッグサイズでワンタッチのものがないか?って聞いてるのよ。」
店員「・・・ま、普通ので大丈夫かと思いますけど・・・」
凡作「何で大丈夫ってわかんだよ?
もしかして牛の腸でぴったりの大きさだったらどーすんの?
とにかく普通のゴムじゃキツいんだよっつ!」
店員「・・・ビッグサイズでワンタッチのものはありません。」
・・・
勝った
ま、とりあえず『うすうすMENTHOL』ってヤツを買ってやろう。
ここまで付き合ってくれたわけだしな。あばよ好敵手。
さて、
今日のオナニーはハードになりそうだぜベイベ。
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