ヌケル「いやあ、また昨日アラチャン引いちゃってさ。」
凡作 「・・・へえ、そう。」
ヌケル「それで一時は3,000枚以上出たんだけどね。」
凡作 「それで?」
ヌケル「それが次に来たアラチャンが1発で終わっちゃってさ、頭に来たから」
凡作 「頭に来たから?」
ヌケル「出るまで突っ込んでやるぞ!ってな感じで結局出なくて負けちった」
凡作 「バカだな〜」
ヌケル「なんだと!バカとは失礼ぢゃないかバカとは!」
凡作 「失礼。しかしナンだね。君は立ち回りが下手だねえ、パチスロも女も」
ヌケル「なんだと!なおさら失礼だぞ!」
凡作 「失礼、失礼。でも、まあ聞きなよ。」
ヌケル「何だよ?」
凡作 「これは俺の話なんだけどさあ・・・」
ヌケル「パチスロに関しても、女に関してもアンタにレクチャー受けるほど・・・」
凡作 「いいから、いいから。パチスロの話だよ。」
ヌケル「ま、女の話なわきゃねーわな」
凡作 「黙って聞け。3日前は君と一緒に打った帰りにね・・・」
ヌケル「おう」
凡作 「地元に帰って地元のホールの出玉チェックさ。」
ヌケル「ふ〜ん」
凡作 「そしておとといは神田で固い勝負をして、また帰りにチェックさ。」
ヌケル「ふ〜ん、マメだね。」
凡作 「そしてその夜は次の日の予想をキッチリ立ててね、」
ヌケル「・・・」
凡作 「そして9時30分から並んで狙いの台をゲット!さ。」
ヌケル「・・・」
凡作 「ま、後は予定通り8,000枚ほどのコインを出してわけよ。」
ヌケル「自慢かよっつ!」
凡作 「違うなあ。俺の言いたいのは”意思の勝利”ってことよ。」
ヌケル「?」
凡作 「行き当たりばったりとか、勢いで勝つってこともあるだろう」
ヌケル「?」
凡作 「しかし結局は冷静で緻密な作戦で、運を平準化するべきなんだ。」
ヌケル「理屈はわかってるけどよお。」
凡作 「いかに理屈を現実化するかが重要なんじゃない?この俺のように。」
ヌケル「うるせ〜」
・・・ああ、気分がいい。
勝ち分もさることながら自分の読みが当たった気持ちよさはまた格別だ。
パチスロの勝利の方程式は、ヤメ時と、オシ時を見極めることだね。
いい台なら打つ、悪い台ならキッパリやめる。
勢いで打ったって、たがが知れてるよ。
さ、昨日の台の設定でも確認しに行こうか?
こんな日々の努力が身を結ぶんだからね。
・・・
ヌケル君、
・・・スマン。
昨日の俺の台のデータに記載されたる文字、設定2。
『低設定でも出るときゃ出ます!』
・・・どうやら勢いで打ってたのは、俺のほうだったらしい。
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