対面と上家からの2件リーチ。
ドキドキ気分でツモ山に手を伸ばすと、そこにはテンパイ牌があった。
(あ〜、5ピンの切り順、間違えたよ)
後悔するも、もう遅い。
雀荘では赤5ピンは500円のご祝儀とドラ扱いは一般的。
手に残る不要牌の5ピンは、それこそ赤く染まってはいないものの
銭好きなオヤジどもが、この5ピンを欲しがる待ちでリーチをかけるのも
これもまたアリガチな事実なのである。
(でもここでテンパイとらなきゃ、明日の俺に怒られるな)
考えのまとまらないうちに、既に不要牌の5ピンをリリース。
当たれない二人のオヤジが、顔をしかめてその牌を見つめる。
「強いね。兄ちゃん」と、勝負を降りた下家のオヤジがアンパイを切り、
直後、対面のオヤジが8ソーを切り出す。私の当たり牌である。
「ロン」
意外に冷静に、(あ〜結構出るもんだなあ)と牌を倒す。
私の手牌、8ソーを必要とする6ソー・7ソーと、
後は漢字で書ける手牌。
東・東・東
南・南・南
西・西
そして
北・北・北
小四喜じゃあああああああ〜っつ!
「ショースーシーって漢字で書ける?」ってアナタが聞いたから
今日は私の役満記念日。
ちなみに麻雀でアガリやすい役満は国士無双と四暗刻と大三元。
アガリにくいのが小四喜(大四喜はダブル役満)と緑一色。
九連宝燈と天和は、アガれたら不慮の死を意識してもいいほどである。
これを場末とはいえ、フリーの雀荘でオヤジ相手に勝負どころで
キッチリカッチリアガってしまうのだから、
凡作という漢、意外に侮れない。
その局ドベどころからの奇跡の復活と、役満御祝儀の3,000円と
お店からのご祝儀の7,000円と、
”小四喜 松田さま”と書かれて店に張り出される祝いの札。
「あ〜。また凡作のギャンブル勝ち自慢だろ?」
麻雀を知らない読者は、きっとそういうだろうが、さにあらず。
その前にパチスロで5万ヤラれているのだから、トータルではマイナス。
いいたいのは、パチスロも麻雀も
私にとってのロマンである、ということである。
・・・恋愛なんぞは、ブラウン管の中だけでよろしい
|