勝負をかけるつもりで用意しておいたパチスロ用の
財布の中の1万円札は当たり前のように底をつき
まだ頭上にお日様がいる時間帯にもかかわらず
駅の前のキャッシュディスペンサーに立ち寄る。
何度明細を見ても、同じ金額にて
つい2週間前の自分が見たら銀行に確認をとってしまうところだが
思い返せば、まったくの事実に違いないのである。
ああ。齢28歳のメインバンクの残高とは到底思えない。
あればあるだけ負けられる、という
パチスロにおいては逆の意味で珍しいツキの状態である。
調子の悪い時でも、何かしら当たってしまうものだが、
全く持って当たらない。
と思えば、きっちり天井の直前ではREGが当たるので
投資スピードは考えられる範疇で最速である。
明細をくちゃくちゃっとして、機械の横のくず入れと書かれた箱に捨てる。
くず入れ、って書いてあったので、思わず入ってしまおうかと思ったが
無駄に横に膨れたこの体が入るはずもなく
余分な脂肪がキロあたり2万円で売れるなら
今月の負けもチャラになるのになあ、と思ったりした。
何を弱気になってるんだ、俺。
人生は前向きに、テイクイットイージー。
なあに、お前の下ろした5万円。
今のお前なら手数料のかからない時間に
もう一度下ろしに来れるさ。オーライ?
土曜日は終日手数料がかかるのに気づいたのは
それから3時間後、再度ここに立ち寄った時のことである。
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