志賀直哉の『赤西蠣太の恋』をご存知か?
ま、私もかなり昔に知ったことで、かなり記憶は薄いのだが、
蠣太ちゃんはかなりの醜男(ブサイク)ちゃん。
そんな彼は伊達藩に仕える身として、日々甲斐甲斐しく
そして実直に仕事をしているようには見えたが、
実は彼、凄腕の他藩のスパイ。
伊達藩で企てられる陰謀を暴いて自藩に伝えるのが目的。
そんな彼はようやく藩の陰謀を突き止め、
知られないように速やかに自藩に伝えなければならないのだが
いきなり消えたのでは警戒されるのは目に見えており、
ここはそれなりのきっかけを作りたいところ。
そこで彼は、一案を講じる。
藩で一番のカワイコちゃんに愛の告白をして
予定どおりフラれたところで
「あ〜っつもおう。恥ずかしいからこんなところにいられな〜い」
と、真っ赤っ赤な顔して、走り去ろうと、そういうわけだ。
さて、さりとて本気でもないあのカワイコちゃんの顔を思い浮かべて
思いっきり恥ずかしめの恋文をしたためる蠣太ちゃん。
「お願いします!」の勢いよろしく、その恋文をカワイコちゃんに手渡すも
ここで予想だにしない出来事が!
「・・・はい」
やったね蠣太ちゃん大金星の巻、なのだが
おいおい今回はちょっと趣旨が違うでないか。
フラれないでどーすんの?の話。
「何故にですか?」
「・・・それはあなたの実直で誠実な心に惹かれたから」
これを読んだ若き日の私め、こう思いました。
この本の教訓
昔は良かったっつー話
世が世なら、時代が時代なら、こういう話もあるっていう。
だって、僕、
心のキレイさなら、ダイヤモンドだもの・・・
クリスタルみたいだもの・・・
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