今日は大学の同級生の結婚式であった。
大学時代はうんちゃらゼミという16名から成るゼミに属し、
男女8名ずつ、2名2名で4名のチームを組み、
4つのテーマからなる班を形成して研究する、という
言葉で書くと青春真っ只中なのだが、
そんなハムスターのようなグループであったにもかかわらず
私には全く色恋沙汰が発生しなかったばかりか
その4人のチームであるはずの班員から脱藩を命じられ
「〜班、With凡作」体制が続いたことは、今となっては自慢である。
班を追われたその理由は班での打ち合わせの前に、
風俗に行って艶々した卵肌で参加したり
または吉野家で牛丼を食して待ち合わせに遅れて
「ハラペコじゃいい考えなんて出るわけねーじゃんよお!」
と逆ギレをしたから、と
かつての班員はもっともらしい言い分をのたまってはいたが
多分、恐かったのだろう。私の才能が。
さて、その16名のゼミ生のうち、半数は生涯の伴侶を見つけている。
私がもう半数に属しているのは当たり前のこことして
本日結婚した、その女の子の為に集まった、というのも当然
今日の後半はバンブー君の第一子誕生のお祝い会をやろう、と
そういう集まりでもあったのである。
人生のスピード、という点では、彼らに引けをとらず、
自分では猛々しく走ってきたつもりではあるが、
通過点、という意味では、かなり遅れをとっている。
その結婚式は、元、黒柳徹子の邸宅で、
料理はフレンチの鉄人のなんとかさんが作ってくれる、という
そんなハイソなところで行われた。
”触らないでください”とは書いてあったが、その昔
『ゴッドファーザー』の撮影に使われたという椅子も展示してあり
「俺が座らんで誰が座るんじゃあ」 という勢いで己の中で盛り上がるも
式は厳粛に進み、またキャビアだフォアグラなどの珍味に舌鼓を打ち
その式典は終わりを迎えようとしていた。
・・・
自分自身がかような状況になる、ということは
来年の2004年には30歳になろうとする今においても
まったく想像だに出来ない。
人一人の人生を受け止め、
また子供が出来ればさらに受け止める人生は増える。
私は、自分自身の頭上のハエも追えない。
私は、自分自身の尻も拭けない
私は・・・
共に20代を過ごしてきた仲間、
そんな彼らが人間としての重みを着実に増している中で
私という人間は、一体なんなのであろう。
式が終わって、外へ出た。
次の会の19:00まではかなり時間がある。
「次は新宿だろ?わかってるって、遅れないよ」
あの頃とは違うんだよ、ってちょっとおどけた顔をして、一行を離れた。
さりとて、することはない。
でも、ちょっと一人になりたかった。
(ほんとに、することはないのか?)
5月の最終日・・・なんだよ、することはあるじゃないか。
今月もまた、パチスロの収支がマイナスである。
でも、せいぜい3万ちょっとのところまで持ってきたじゃないか。
スーツ姿で新宿のパチスロ屋に入り、くわえタバコでコインを入れる。
今頃、皆は恋人の話とか、仕事の話とか、
歳相応の話で盛り上がってるんだろう。
でも、私は一人でパチスロに向き合っている。
でも、それが私なのである。
で、結局負けたわけだが、
でも、それが私なのである。
シックな式場内での私とズッキー君。
胸に銃を忍ばせたマフィアとその用心棒では、断じてない。
・・・ま、心と股間には銃を忍ばせてはいるがね
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