人間、意外に自分のことでは泣けなかったりする。
だから俺は今日、日本映画の”砂の器”を見て泣くことにする。
まだ観ぬ人のためには、あらすじは話すべきではないが、
まあ、あらすじを聞いたところで、別に泣けるものではない。
が、なんでだろう?涙が止まんないや。
もうなんていうか、加藤嘉?
加藤嘉が出てきた瞬間に、涙が止まらないのですよ。
この作品の脚本を担当している山田洋二は、
この映画であまりに人を泣かすことに成功したので、性懲りもなく
”お涙頂戴”な映画に精を出しているようだが、
単に加藤嘉の力であることを忘れてはいけない。
嗚咽・・・
彼ほど嗚咽の似合う俳優はいない。
”八つ墓村”でも開始後5分ぐらいにして、加藤嘉登場。
相変わらず嗚咽の直後、盛られた毒薬で唾とかゲロとか吐きながら、
最後には血を吐き絶命するという、
本来であれば爆笑間違えないシーンにおいても、”砂の器”の影響で
思わず涙してしまいそうになるパワーなのである。
(映画の楽しみ方、間違ってる?)
ま、そういうことで、
何か自分自身にツラいことがあったとしても、
そんなときは意外に泣けないものであるから
加藤嘉のように『そんな人、知らねえ〜』といいながら
つつましく生きていこうと思っております。
夏の夜の読書感想文ならぬ、映画感想文でした。
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