古谷実さんの『シガテラ』が熱い。
この人は一体、どこまで行ってしまうのだろう?
『行け!稲中卓球部』が、私の多感な時期に大きな影響を与えたことは
このHPの読者なら、とっくのとうに感じとっているだろう。
その後の『僕といっしょ』『グリーンヒル』は類まれなるセンスに加えて
人の抱えるダークな部分まで切り込んできた作品である。
さらに『シガテラ』は凄い。
恋愛、いじめ、暴力、SEX…取り上げるテーマは普通なのだが、
主人公のいじめられっこ、これが今までのいじめられっこ像とは違い、
いじめられている時間以外は、意外に青春を謳歌している。
いじめっこ。これも単なるいじめっこでなく、あるところでは主人公を立て、
100%いじめきっていないところもリアルだ。
主人公の家庭。実に明るく騒々しい家庭で、主人公も違和感なく溶け込む。
これでイジめに気づいたら奇跡である。
大多数の今の高校生が、どちらかというといじめられてる方か、
どちらかというといじめっこに属している、という図式が見て取れ
確実に分類することができない、いじめの構図の難しさを示している。
主人公の彼女。カワイイ。性格もいい。
「何故僕のことが好きなんだ?」こんな疑問にさいなまれつつも
通常の若者が歩む展開を、たどたどしくであるが、進む主人公。
こんな要素が、違和感なく(というより、全編通してうっすら違和感がある)
展開していくストーリーから、目が離せない。
で、最近、いじめっこが拉致監禁され、耳を削ぎ落とされたり、
どうやらその犯人を殺して埋めたようなくだりがあったりして
(すげーだろ?このストーリーが淡々と進行していく)
今回は主人公とその彼女が始めて一緒にラブホテルに入る回だった。
これまで淡々と主人公に纏わる話を追ってきているから
彼女が全裸で登場した時の衝撃といったら…
不肖凡作、29歳。
すみません。勃ちました。
いやあ、2次元のおっぱいなんて、かなり見慣れてるはずなのにね。
ただ、残念ながら、万人に勧められる作品ではなく、
もう『稲中』の時点で、ついていけない人はついていけない有様である。
古谷実さん。これからも一般誌で活躍し続けてください。
|