パチスロがダメである。
長らく日記を続けて、何度このセリフを吐いたことかと思うが、
近年に稀に見るスランプであり、パチスロの勝利契機、
それを避けて避けてレバーを叩いていると錯覚してしまう程
運気の下がった私がいる。
今日も今日とて、北斗の拳で、決していいペースとは言えずに
2枚チェリーを9回ほど引いて、BBにたどり着いた時には
頭上のカウンターは1700を刻み、一発目にラオウ兄さんが
剛掌派を放ったあたりで、
(こんな日はおとなしく読書でもしよう)と、単発のコインが
飲まれた刹那、席を立って家に帰ったのである。
こういう時間に日記の更新をしないのも申し訳ないが、
せっかくのゆったりとした時間である。
今日は江戸川乱歩全集の「押絵と旅する男」の巻が最近
刊行した、とのことで、家路の途中で購入し、ホットコーヒーを
落として読書に入るのである。
この巻には、「蜘蛛男」と「盲獣」も入っており、マニアとしては
垂涎の巻となっている。
「押絵と旅する男」の幻想的な感じ
「蜘蛛男」の明智小五郎VS怪人の通俗編
「盲獣」The変態!
そこで本日行ったのは、松田凡作監督第一弾として、
明智小五郎シリーズを映画化するとして、その脚本作り。
そう考えると大抵は「吸血鬼」(天地茂版や稲垣吾郎版)や
「黒蜥蜴」あたりが思いつきそうだが、
江戸川乱歩の明智対怪人という系図は「蜘蛛男」から発して
いるため、ここからスタートするという原作者に対する敬意を
表したいと思う。
そもそも「蜘蛛男」は、明智VS博士(権威の象徴)と、美女、
逃走劇(アクション)は当然として、青髭の要素や人体切断、
そしてラストのユートピア思想など、おどろおどろした要素も
兼ね備えていて、まさしく「The乱歩!」なのである。
さて、天地茂版の「美女シリーズ」においては、
明智の理詰めの推理で知的好奇心を満たした回は
「白い人魚の美女」(原作:緑衣の鬼)等があり、それは
今回の「蜘蛛男」のオープニング(博士版)と、途中に生きる。
そして明智VS博士は「死刑台の美女」(原作:悪魔の紋章)と
「化粧台の美女」(原作:蜘蛛男)があり、それはそのまま
全編にまぶすことができる。
後半の蜘蛛男VS明智小五郎は「天国と地獄の美女」
(原作:パノラマ島奇談)や「悪魔のような美女」(原作:黒蜥蜴)
があり、映画で言えば「恐怖奇形人間」(原作:孤島の鬼等)
のようなユートピア幻想の要素がプンプンで、まさしく映画的に
ラストを飾る真骨頂なのである。
(ああ、ここはカットして)
(ここは回想シーンでいいかなあ)
(ここは時間を多めにとろう)
とか考えて読み進めて、脚本を作るつもりで読んでいると、
あっという間に時間がたち、有意義な時間が過ごせたな、と
悦に浸ることができるのである。
さて、自分でも驚くべきは、今日の日記。全く資料を要せず
ただぺしぺしとキーボードを叩いた結果であって、
それはそれで(無駄ではあるが)すごい知識量だなあ、と
感心したわけである。
あながち誰かに江戸川乱歩作品の映像化を任されても
何とかなりそうだ、と思ってしまったりするのだが、そんな
製作者の方に、私が映像化を引き受けるための条件を一つ。
天地茂を生き返らせて欲しい。以上。
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