休日には珍しく、パチスロ屋の開店待ちには加わらず
愛車「オナニスト号」にキーを挿し、ガソリン満タンにして
むかうは伊豆は土肥金山。
私には悲しいとき、嬉しいとき、何故だか伊豆に向かう習性があり、
それは別に夏に限らないのである。
しかも今回は最近続くパチスロの不調から脱出するために
人知の及ばない何かの力を借りる、という名目と、
はたまたパチスロの不調からくる体の疲れを、温泉に浸かって
解消しよう、という目論見があったわけである。
その前の週にK君と葛西のスーパー銭湯に連れだって行き、
彼の持つ伊豆のガイドブックを見て、思わず思いを馳せた、という
そんな理由もあるのだが、前日、徹夜で麻雀に勤しみ、
かつ電波状況の悪いFOMAが圏外であり、彼を誘えなかったのは
非常に残念ではあるが、所詮は今回の伊豆は個人的な目論見にて
たまにはぶらり一人旅というのもZなものであろうと、うららかに
東名自動車道と小田原厚木道路を爆走したのである。
ちなみに土肥金山には沼津インターの方が近いが、
そこはドライブだから、海道、山道を満喫したかったのである。
人間とは現金なもので、冬場の伊豆には観光客も少ないのであろう。
夏場は混雑する伊豆の国道・県道も空いていて、私が車中で
ラルク&尾崎豊バラード特集の熱唱を終える頃には
真鶴道路〜伊東〜土肥ルートを制覇し、まさに土肥金山に到着。
別に観光としては何度も訪れている土肥金山ではあるが、
今回のご利益を考え、とりあえず入場料を支払い、駆けるように
うそ臭い人形が飾られる採石場を抜けて、展示スペースへ。
展示スペースでは金のインゴットを展示。
パチ屋の特殊景品と比較にならぬ重量感。
これを手にして、運気を呼び寄せるのだ。
ちなみに展示場のオバちゃんに撮影してもらったのだが、
「あまりにパチ運が悪くて、縁起を担ぎに来てるんですよ」
と言ったら、あらヤダ、面白いお兄さんねえ、と、
なぜか5分ほど話込んでしまった。
何故か年配の女性にはモテるのよ、私。うん。
続いては、真の目的たる「お金の貯まるカード」の購入である。
これも、コースのルートの最後にあるお土産屋でしか買えない。
インゴットの展示スペースの奥にそのお土産屋はあり、
その他のお土産には目もくれず、そのカードを探す。
数年前のスランプを救ってくれたのがこのカード。
数年前と変わらぬフォルムで、今なお
売り場にあるということは、私以外にも
ご利益を期待する人が多いのだろう。
私と同じ悩みを抱える諸氏。
ライスチャームやその類の広告の商品を購入する前に、
まずこのカードを購入してみてはいかがだろうか?
少なくともここに来るまでに、伊豆の大自然を堪能できるのだから。
さて、続いては土肥を少し進み、
ああ、あそこか、と感のよい方々ならご想像にたやすいと思うが、
我ら死ね死ね団とは闘いを避けて通れない、あの場所である。
恋人岬…
ああ、なんて罪深い名前であろうか?
そのネーミングだけで人を7〜8人殺せそうである。
まあ、確かにい
この絶景ですもん。鐘までありますもん。
ロマンティックモード炸裂ですもん。
恋する二人が来たい気持ちはわかるが…
独身・彼女いない暦30年の男が、ここまで来た勇気を買って頂きたい。
写真?そこらにいるカップルに「撮ってくれ」って写真をお願いする?
できるわけないでしょ?泣きますよ。情けなくて。
今度、K君とかブラック君とかと来たら撮りますよ。
プリクラとか、絵馬とか撮りますよ。
な、いいよな!K君とブラック君!
とまあ、本音のところは女性と訪れるための下見の意味もあったが
何年後になるかわからないので、さっさと切りあげ温泉へむかう。
続いては「沢田公園露天風呂」。これも景色が壮絶にいい。
近隣の温泉協会が経営しているやらで、入浴料が500円という、
私がいつも行くお風呂の50分の1程度の入浴料であるが、
西伊豆の海を見渡せる岸壁にこしらえた温泉は、かなりの伊豆通でも
知らない人も多いのではないだろうか?
(ちなみに地元民ブラック君は知ってるそぶりはなかった。
引きこもってないか?パチスロばっかりやってないか?)
しかしながら、シャワーもアメニティもなく、ただ脱ぎ場しかない温泉。
男湯と女湯も、薄い板一枚で区切られており、
かなりアグレッシブな気持ちになれば、たまらないスポットでもある。
ここについたのは夕方にまで時間のある頃合であったが、
西伊豆の海は波も荒くなり、岸壁では波しぶきが立っている。
入浴券の売り場のジイさんが「もう閉めようと思ってた」というのを
「ちょろっと浸かって出てきますから」と強引にお金を支払い、
その温泉に入ると、そこには既に4人の若者の姿が。
「お兄さん、一人ですか?」と彼らが尋ねるので
「うん。そうね。」と、軽く相槌を打つ。
どうやら彼らは長く入っているようで、4人とも顔が赤いのだが、
湯殿の外は海の冬風が吹きすざぶ状況。湯を冷ますように
外に出るのと、湯に浸かるのをメトロノームに繰り返す若者を
視線の奥で確認しながらも、男湯と女湯とを区切る、
相変わらずの薄板の存在も確認する。
「ここの壁、薄いねえ。この隙間から女湯見れちゃうよね」と
軽いタッチで若者たちに水を向けてみると
「ホントそうっすよねえ!」と、勢いよく食付いてくる若者衆。
非常に似たニオイを感じる青年達であるが故に、かわいそうなので
「でも風が強いから、俺で最後って言ってたよ」と教えてあげると
「ああ、そうっすか…」と残念そうに4人が一斉に湯から上がった…
…そしてしばらく一人で、西伊豆の海を見ながら温泉を堪能した。
そして最後は何故か東伊豆の「赤沢日帰り温泉郷」である。
海風を浴び、潮風でべたべたになった髪と顔。
シャワーのない露天風呂では、気持ちの悪いまま東京に向かうことになり
どこかのスパに寄ろうと思ってはいたのだが、そこで不意に思い出したのは
かつてI君とブラック君と通った松崎〜蓮台寺〜下田・白浜ルート…
ではなく、先週あったK君の、「赤沢温泉が良かったなあ」の一言。
「日帰りのスパみたいのが出来ててさ」
「うんうん」
「運がよければ、貸切風呂ってのが4つあるんだよ」
「ふんふん」
「そこは海が一面に見渡せてさ」
「へ〜、そんなのがあるんだ」
「中々良かったなあ・・・赤沢温泉」
「な、それって女と行ったのか?女か?」
彼はその後、言葉を濁して遠い目をしていたのだが、
その悔しさのおかげで赤沢温泉の名が脳裏にあり、
そういえば下伊豆の河津桜というのは早く咲く、というのに気づき
河津を通り、その桜を車中から眺めながら、赤沢温泉郷に到着。
当然、貸切風呂に入る理由もないので(寂しい限りだが)、
大浴場に入り、既に暮れた伊豆の海を見ながら日々の疲れを癒す。
ああ。本当にいい湯である。
日々の喧騒に疲れた私に染み入る、やわらかい湯である。
加えてこの温泉は、化粧品売り上げNO.1!というCMのDHCと
提携やら協賛やらしているらしく、シャンプー類はすべてDHC商品で
かつB1にDHCのエステがある、ということで、年頃の女性の姿も
まばらでうひょ〜って感じである。
またI君やらブラック君と来たいものである。
K君も女と行かない時は、一緒に来たいものである。
っつーことで、後は東京までの帰路を爆走するだけの話なのだが、
本日一日、非常に有意義な日を過ごしてご満悦であります。
これが通常なら、頭痛に苛まれながらパチスロ台に向かう一日。
しかも出費は数分の1である。
今回の土肥金山のご利益は、ま、これ以降の更新に譲って
今日の更新はこれでおしまい。ちゃんちゃん。
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