どーせ女子大生やOL向けの雑誌が騒ぎ出したのだろう、と
たかをくくっていたのだが、どうやら騒いでいるのは文化人や経済人。
「クール・ビズ」ときいて
(俺のようなクールでいて、それでいてパッションな仕事ぷりのこと?)
と、ほくそ笑んでいたのだが、
実に私のいるオフィスにそれが導入された今では
俺のような人間には、単に拷問である。
俺をゆでる気か?
デブをナメてるのか?
オフィスの室温を28度に設定。
オフィスってのは、人口密度が高いのである。
湿気を伴うオフィスの奥に、蜃気楼が見えたとしても不思議ではあるまい。
とにかく、外よりアツいのである。
俺はポーズというか、おためごかしが嫌いだ。
地球温暖化の問題が深刻なのは重々承知。
京都議定書のことも知らんでもないが、知ってるか?
重役室はキンキンに冷えていることを。
とにかく、粋じゃねーんだよ。
冷房の温度を上げるとか。どうせやるならオフィスに氷柱をおったてるとか
熱海サンビーチにオフィスを移転するとか、そういう発想ができないのか?
とにかく、室温は変えられても、俺の肉襦袢は脱げねーんだよ!
鶏がらのような体型の女ならVANシックスティーンをシューシューしたり
おエラいさんなら冷房の効いた部屋で唸っていればそれでいいが、
俺のような高性能な単亀頭エンジンは冷却なしではオーバーヒートだぜ。
で、かくなる上は空冷である。
素直に体制に従えるようなら、このような人生は送っていない。
THE反骨。これが俺の人生さ。
昼休みにビックカメラに行き、サーキュレーターという扇風機を強力にし、
指向性を高めた、サーバールームに置くような装置を購入。
それを職場において、最大限の出力で作動させたのである。
私と同じ境遇である現在の課長(要は、太ってる)は羨ましそうに
私を眺めるに留まっていたが、当然、回りの目は皮肉なもんで
超クールである。
しかし、これはレジスタンスである。
これから半日。ほとんどTMレボリューションのPVのような状況の中で
業務を遂行したのであるが、
かいた汗が冷えるのと、多分、皮膚呼吸が困難になったせいだろう。
次の日は風邪っぽい症状で具合が悪かったと、さ。
なあ、社会や企業のみんな。
将来の地球を救うことを考える前に、
こんなかわいそうな私のことを救ってみないか?
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