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11月5日(日)


この日記を更新しているのが12月15日を少し回った12月16日(土)。

ついに、この日が来てしまった、と、ご機嫌に日記の更新をしているところ。



12月16日は私の婆さんの誕生日、という局地的なことはどうでもいいとして

そう。映画
「犬神家の一族」の公開日、という、私にとっては歴史的一日と

言って差し障りのない日なのである。



1976年度公開の「犬神家の一族」から30年。

同じく石坂浩二が金田一を演じる新・犬神家。



同じく市川崑監督が同じ脚本で同じテーマ音楽で作り上げたという

興味がない人からすると「何で観にいくの?」な世界な映画であるのだが



じゃあお前らはハムレットとかは観にいかねーのかよお!

お前らは歌舞伎の演目に意外性がねーとか突っ込むのかよお!

と、まあ、私は
どっちも観にいかないのだが、そういうことである。



マニアにとってはもう、「犬神家の一族」はクラシック。

筋とか意外性とかは問題でなく、もう創ってくれただけで拍手喝采である。



興奮して、眠れそうにないのだ。今日は。



5月には撮影地となった長野県は上田市を訪れて

金田一を気取って近所の酒醸造の店のオバサンに語りかけてみたり

同じく長野県の青木湖(スケキヨの有名なシンクロ撮影地)に行って

ボート管理のおっさんに語りかけ、関係ないことをべらべら話された時に

(お前は三木のり平かっつ!)と心の中でツッコンでみたり、と



そういう思い出が脳裏を駆け巡る。



実は先ほど、公開に先立て
一人前夜祭を敢行してきたところ。

何をしてきたかは取りたてて話すことでもないが、テンションは最高潮。



今も先週発売されたデジタルリマスター版の犬神家を放映しつつの更新

なのである(でも、かえって画質に違和感あるよ、リマスター版)。



でも、不安もあるのだ。



大学生の時に、公開された豊川悦史版の
「八つ墓村」を見終えた後の

ショックを、私は忘れない。



幕が開くまでは(これから1ヶ月オナニーしなくてもいい!)と思うほど

興奮の坩堝に包まれていたのが、初めの5分で

(こりゃこれからどんなに頑張ってもベストにはならないなあ)と感じ、

後の5分で取り返しがつかなくなっていることを悟る。

その後は、少しでも取り戻すという雰囲気のないまま、出来として一直線に

下降線を描き、もっともダメなクライマックスへ、と

巷の2時間ドラマよりも安い展開の八つ墓村となっていて、正直

ショックの余り席を立てなかったことを覚えている。





今になって思うと、この映画は映画会社に対する市川監督の嫌がらせで、

あの石坂金田一作品を撮った監督、あのクオリティで5作撮ったあの監督が

演出・キャスト・展開・脚本などすべての面でベストを尽くしたとは思えず、



まあ、何かを腹に据えかねた監督が「金田一映画とりゃ何でもいいんだろ?」

的になげやりに、いや、むしろくだらなく撮ったか、または単に
ボケたか、

いずれにせよ、そういう理由であの八つ墓村だったのでは、と、



そうやって自分を納得させている。



今回は監督、ノリにノってるし、何せ監督を崇拝しているプロデューサーの下で

何せあの石坂浩二が金田一である。ふて腐る理由はないはずだ。



あとはもう一つの懸念。

市川監督の以降の作品を観るにつけ、100%は否定できないが、

まあ、ボケてるという線は無理やり黙殺しようと必死に不安を否定しているが



うん。いずれにせよ、今日は眠れそうにないのだ。



そう。

何事もなく過ぎ去るはずのクリスマスというイベントの、

多分100倍は盛り上がっている今日という日。

徒然に「このまま今日が続けばいいのに」と祈る私である。ダー。



11月4日(土)


「凡作はどうやって日記のネタを考えてるんだよ」と、

真顔で聞る 
ミクシィにハマッている友人に対して思うことがあるとすれば



そもそも、そんなので友人や、あわよくば女友達でもゲットしようとすることが

甘い考え以外の何ものでもなく、そう、私なんかは



「今日食べたラーメンは辛かったけどおいしかったよキャハ!」

という内容と写真でお茶を濁そうとする気持ちを諌め、

己の恥をひりにひり出し、わが身を削るような作業を重ね



しかもほとんど
誰も読んでないという過酷な環境の中で

自分の文体というものが確立されてくるものだ、と苦言を呈したいということ。



誰も私をミクシィに誘ってくれないからって、僻んでそう言うわけじゃない。



何やら会員制のソサエティらしいが、私の友人の数やら付き合いから鑑みて

誘ってくれる人がいないのは、いささか不自然に感じる時もある。

君たちが、私のこのリズムで下品なことを書き込まれたら、と懸念して

「凡作はこのスペースでアングラな創作活動をしてればいいよ」、と、

そういうことなら甘んじて受け入れよう。

なぜなら、こういうところでし生まれない言葉がある。文章もある。



そう。君たちは昨日みたドラマの話や仕事の愚痴でも語ればいい。

君たちに興味がある人の相槌と、その人たちとの言葉のやり取りの傍らで



今日も私は己の恥を、誰もいない荒野にむかい ただ、紡いでいく・・・





ということで、ハイ、
拗ねてます



リアル私を知る人は、誰もミクシィに誘ってくれませんので、

優しいお兄さんが欲しい20代から30代前半の女性は是非お便りを。

この日記に要する労力の95%を貴女への文章に捧げます。



11月3日(金)


昨日の更新で書いたとおり、井上陽水ファンでもなんでもないが、

安全地帯については、かなりのマニアである。



出るところに出れば
「タマラー」(※玉置浩二マニアの意)と呼ばれ

とかく黄色に表現されがちな私の精神状態であるが、できれば

「ワインレッド」のようにアンニュイなカラーであって欲しいと願ったものだ。



なぜ井上陽水から安全地帯に話が繋がるかというと、知ってる人は

知っているかも知れないが、安全地帯はかつて井上陽水のバックバンドで

その繋がりで
「夏の終わりのハーモニー」というデュエットを発表、と

そういう繋がりがある人たちなのである。

(私はこの曲、陽水らしくもないし安全地帯らしくもないので好きではないが)



で、玉置浩二と聞いて、今、ほとんどの人がピンとくるのは

例の”
石原真理子騒動”であると思う。自分の恋愛遍歴を綴ったってアレ。



いや〜、狂ってるわ。この女。



本人は覚悟の上の自爆なのかも知れないが、覚悟のない人の実名を挙げ

騒動に巻き込むのは卑怯以外の何者でもないですよ。



土曜日の出勤(パチスロ)前、たまたまワイドショーを見ていたのだけども

”元祖プッツン女優”なんでテロップが出てたけど、

私の印象はそんな生易しいものではなくて

「人を殺してない鈴香容疑者」ぐらいに見えてましたよ。



多くのコメンテーターがしかめ面する中で、必死にフォローしているのは

私がブラウン管に出てくる人物の中で2番目に嫌いな梨本勝だけ。

(ちなみに1番は同じ職業の井上公造)



まあ、玉置浩二の曲が好きなのであって、別に彼のファンでもないから

あれだけDVがどうした言われても、ちょっと嫌な気分になるぐらい?

そんな程度だなあ、と思って見ていたら





「彼が
私のために作ってくれた曲があるんですけど・・・



真夏のマリア?ええ、そんな歌でしたけど」






ふざけんなっつ!てーの!



「真夏のマリア」
といえば、全盛期の安全地帯の最もそれらしい感じの

カッコよくてクールで切ない、めちゃくちゃ好きな歌だっつーの!



あ〜あ。

とっとと開店待ちの列に並ばなかった俺と、

いたずらにテレビの電源を入れた俺に、猛烈に腹がたった。



今後、「真夏のマリア」を聴く度に、

あの石原真理子の顔がちらつくことになるとは。



ちょっと
「ブルーに泣いてる」だよ。



11月2日(木)


♪寂しさの徒然に 手紙をしたためてます あなたに



有名なこのフレーズは井上陽水の
「心もよう」

まさにこんな気分で日記を更新する冬枯れのこの季節なのであります。



2006年は私が32歳になった記念すべき年。

まあ2007年は私が33歳になる記念すべき年なのですが、

井上陽水が心が染み入るあたりで、なんとなく歳とったなあ、と

ふと感慨深くなってなります。



♪ホテルはリバーサイド 川沿いリバーサイドでおなじみの

「リバーサイドホテル」



なんだそりゃ!!
と突っ込みを入れていたのは私が中学生の頃。

今では恋人たちの情景の中で、ふと見上げたホテルの電飾を

何の気なしに口にする大人な描写が染み入ります。



♪ジェラシー 愛の言葉は ジェラシー

そのまま
「ジェラシー」という楽曲ですが、当時はエロい曲だなあと

思うに留まっていたのですが、

♪流れるのは涙ではなく、汗〜

なんか、わかるなあ。好きとか恋とかは自分に向けたエール、

愛は相手に向けた様々な感情。ジェラシーも一つの愛情表現なんだと。



「いっそセレナーデ」 なんじゃそりゃ!どういう意味じゃ!

井上陽水という人は言葉のセンスが秀逸で、駄文ではあるとて

文章をアップする立場の私には非常に参考になります。が、

この曲については、完全に出来のいいバラード。

この曲が完成したときにおいても、このタイトルを冠したセンスに脱帽です。



「結詞」 少年時代のJR東日本のCMに採用されていた

望郷の念に駆られるテーマ。

ま、国鉄が民営化されたのが、私が中学1年の頃だから”少年”はどうかと

思いますが、この曲を聴くとかばん一つで旅に出たくなる衝動に駆られます。



他にも
「とまどうペリカン」「積荷のない船」など、染み入る曲が多い、

いや、染み入るように私の歳が追いついたのかも知れませんけど、

こういう冬の一夜に、目を閉じて聞いていると涙でディスプレイが見えません。

(ま、目を閉じてりゃ見れませんわね)



ここまで書いていて、説得力がありませんが、

別に私は
井上陽水のファンでもなんでもありません



今日、ちょっと悲しく思った出来事、というのは

ファンでないが故に、別に井上陽水のCDをコレクションしているでもないので

近所のTSUTAYAでベスト版でも借りてこようか、と、パチスロ帰りにふらふら

井上陽水のコーナーに立ち寄ったのですが、



なんとビックリ。

そのTSUTAYAには
井上陽水のコーナーがありませんでした。



KAT−TUNや倖田何某のCDを大量入荷するヒマがあるなら、

井上陽水のベスト版の1枚ぐらいおいておけよ!と憤りを感じましたが



多分、紅白歌合戦をみるにつけ

「前半戦は何がなんだかわからない」と放屁とともに鼻くそをほじる

私の母親の感覚に、一歩近づいていることをひしひしと感じました。





「オレンジレンジの●●って、泣けるよね〜」



泣けるかよっつ!
って、そんな感覚がもうオジサンなのでしょう。

今年も心に響かない紅白の前半戦にしたためる年賀状の文言は

賀正の代わりに”闘魂”と書いたふざけた友人用のものとなり、



サブちゃんなどの大御所が紙吹雪の中で歌い上げるあたりに

今年お世話になった心の恋人に宛てる、決して出すことのない

年賀状に思いをしたためているのでしょう。



で、2件目のレンタル屋で探しだしたのは井上陽水のCDのタイトルは

「GOLDEN BEST」 紹介したものは全部入ってます。



私と同じく、オジサンの感覚になった皆様は、どうぞおひたり下さい。





でも、アレだな。もっとも今の俺の心境に近いのは、アレだ。



「氷の世界」



♪毎日、ふぶきっ ふぶきっ 

氷の 世  界〜

11月1日(水)


実のところこのHPにおける匿名さまの書きこみについての返答の更新を

秘かにしたためてはあったのでありますが、アップロードを怠り、そのまま

数日が過ぎていた、という日が本日である、と、



ですので、匿名さまの書きこみのストーリーが荒野に一石を投じるような

チャレンジャーの行為のように見えてしまうが、それは反応の薄い読者と

いわずもがな、私の責任である。氏の文章を見て私が学ぶ必要のある

最も大きな点は「話の展開に興味を持たせること」であることに疑いなく、



今日はとりわけオチを用意しない展開で話を進めてみようと思っている。





それは数年前、背伸びに背伸びを重ね、いつもはローリングに留まる私が

いっちょまえにカウンターで握ってくれる寿司屋に足を運んだ時の話。



親しい友人とともに席についた時には、美味しんぼで得た知識をフル作動し

まずは白身のお勧めから、その店を現すという卵焼きの握りを頼んで

私なりに悦に浸っていたのであるが、元来の食いしん坊の性である。



一通りマニュアルどおりに進んだ後は、単に空腹を埋める作業として

思いつくままにシェフにオーダーを重ねていった。



私は酒をほとんど飲まない。

カウンターで政治の話をしながら、つまみをちびちび、酒をちびちび、と

そういう寿司の食い方は性に合わない故、えらいペースでオーダーを

連発していったのであるが、それがマナーにそぐったのかなんなのか、

ネタを握る彼の神経を逆なでしたのに違いない。



友人とオーダーを重ねていく中で、どちらのオーダーかは忘れたが、

「じゃあマグロもう一回」だったか「今度は納豆巻き」とか発生した刹那





「いっぺんに頼んでくれませんかね?手が足りないもので。」



と、ご丁寧に返してきやがったのである。





ここで立派な常識人なら、即座にお愛想して店を発つだろうし、

大人物なら「ごめんね、ごめんね大将!」なんて言って水に流すだろう。

しかし、残念ながら私は、タチの悪い小作人であった。

恐縮しながら、客でありながら不快な思いをした復讐を開始し始めた。





カウンターのもう一つの隅にいるカップル。彼らはゆっくりと食事を楽しみ

のんびりとした時を重ねていたが、その彼らが「じゃ次はアナゴを」と

どちらがが頼んだその時に



「それと同じものをお願いします」と手を上げて発声。



出てきたものを5秒で平らげ、そしてジーっとカップルを見つめる。





「じゃあ、私は海老をお願いします」と女性の方がいうと



「それと同じものをお願いします」と、高めのトーンで手を上げて発声。





当然この行為を3ターンぐらい繰り返して、訝しがるカップルとシェフであるが

この段階では別になんの展開もなかったのである。



故に、ちょっとしたスパイスを加えてみることにする。





カップルの男性の方が、「んん、じゃ、今度はアワビを・・・」といいかけた時

カップルの方に向かって





「あの、すみませんが

私、貝類がニガ手なもので、他のにしませんか?





・・・

さて、この話の続きは気が向いたら。




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