昨日書いた冗談のつもりの”ブルガリの携帯ストラップ”。
調べてみると冗談でもなんでもなく、当然のように市販されているという。
そんなの買う人いるんだ?と、軽い衝撃を受けたわけだが、
とにもかくにも、予言通りN904を発売日である5月25日に購入したわけだ。
よっ!江戸っ子だねえ!という声も聞こえてきそうなものだ。
やはり発売日に買うというのは一つの縁起担ぎであり、どうせ新し物好きなら、
うだうだ悩まず、即購入。これも慣れると思わぬ衝動購入に対しても
(ああ。どうせ俺ならどうころんでも買ってたさ)と思うことが出来るので
使う使わない、勿体無い勿体無くない、損しない損した、という概念がなくなる。
俺から言わせれば「メールとインターネットしか使わないから」と言って
PCを買い控えする人。そういう人こそ最新型を追うべきだ、と思う。
PCの限界や寿命を感じPC購入を検討する人ほど、物の価値がわからないのだから、
最新型の、PCメーカーが「何とか売ってやろう」と工夫に工夫を重ねた最新機種を
黙って買うべきなのである。
そう。ブルガリのストラップを買う暇があったら、そういうものを買うべきだ。
で、別に舶来物の批判をするわけでも、いわんや賢者の買い物に興じる買い控え層の
批判をしたいわけではなく、むしろ、そんな私の今ある、本件の衝動買いについての
「もやもや」について話をしたいのである。
そう。所有してしまえばステファノちゃんのやらずぼったくりなデザインも、工夫が
ないだけに早く慣れそうだし、そもそも内容の洗練さに惹かれて購入した機種だから
今のところ機能的なものになんら不満はない。37,000円弱、という、金額に対しての
満足度は、ぱちんこ屋にいる仕置人に仕置きされることを思えば、比べるまでもない
ほど高いものであると言える。
ただ、皆さん。
営業とか接客とか企業のサービスっていうのは、難しいもので。
話は購入した翌日。
購入した日は設定やらカスタマイズやらをして悦に浸っていたのであるが、
せっかく新機種を購入したのだから、ついでにドコモの契約プランでも見直して
みよう、と、錦糸町でぱちんこ必殺仕事人でしこたま仕事された後、
(4万もの金をせしめて、恨みを晴らすどころか、恨みを積もらせやがって!)と
代官にレイプされた後、仕事料を持って尋ねた中村主水に孕まされた小娘のように
わなわなと肩を震わせながら、ドコモショップに向かったのである。
(ああ、こんなダメ人間は、せめて携帯ぐらいは無駄遣いしちゃだめだ)と、
余分な付加機能も解約するつもりだったのである。
「お待たせ致しました〜♪」
大して人もいないショップなのに、無理無理用件を聞かれてレシートのようなものを
渡された瞬間に、奥で若い男が手を振り案内をしている。
そのウェンツ瑛士をアホにしたような顔の好青年は
「今日はどのようなご用件ですか?」明るく快活に、私に話しかけてきた。
「え〜と、今日は古い携帯のお財布携帯のデータを移行してもらおうと思って」
そう、主目的は、データの移行だ。
ICデータの移行はメンドクサイし、何より取扱説明書にドコモショップでできる、
と記載してあった。
「わあ!すごい!新発売のNじゃないですかあ。発売日に買われたんですか?」
「・・・まあ、ね」と、内心してやったりの江戸っ子気質の私。
「ありがとうございます。今度のNはデザインがいいですよねえ!」
「(ま、俺はどうかと思ってるんだけど)・・・」
こういう明るく屈託のない接客態度は、褒められこそすれ、決して悪いことではない。
「で、データの移行なんですけど。申し訳ありませんができませんよ!」
満面の笑顔でこう言われても、「は?」としかいいようがないのだが、
出来ないものをガタガタ言っても始まらない。「へえ、そう」とか言いながら、
せっかくカウンターに着いてるんだから、プランの相談もしようと思い、
「あとね、今使ってないPHSが契約しっぱなしだから、解約しようと思う」
と告げたところ、そのまま快活に
「わかりました〜。契約状況の確認を致しますねえ〜」
と、パソコンをたたき出すアホウェンツ。
そうなのだ。PDAやノートPCのためにP−inコンパクトというPHSカードを
購入したのはいいが、どうやらドコモの都合でPHSのサービスが終了になるようだ。
どうせサービス終了となれば、請求がとまるだろうと”メンドクサイから”使ってない
のに、何の手続きもしてなかったのである。しかし仕事人にレイプされた後となっては
少しでも無駄な出費は抑える必要があった。
「しかし残念ですねえ」
「まあ、どうせ使ったなかったし、勿体ないから」
「勿体ないのは、今日Nを買えば2万円引きだったのに・・・」
へえ・・・
なんだと!
「ですからPHSの解約のキャンペーンをやってて、解約してくれたお客様に
携帯買替えの際、2万円引かせて頂いてるんですよ」
「おいおい、そういうことをシャキシャキというんじゃないよ。」
「は?」
「俺は実費でこれ買ったんだよ。同じ条件の奴が同じ携帯を買うのに2万円引きで
同じ条件で実費で買った俺が馬鹿みたいじゃないかよ」
「そうですね。勿体ないでしたね〜。ハハハ」
「ハハハ〜!じゃないよ!キャッシュバックとかポイント還元とかないのかよ」
「申し訳ありませんが、そういうのは無いんですよねえ」
「なあ、明るくフレンドリーなのはいいけどさ。接客は言わなくてもいい事は
言わなくてもいいんだよ。そんなこと聞いたら爆裂に気分悪いじゃんか!」
「はあ。」
「どうせキャッシュバックもポイント還元もないんなら、ガッカリするだけだろ?」
「でも、そういうことをお伝えするのが仕事ですから。はい、解約できました。」
「そういうことは、もっと早くお伝えしなさいよ!」
不快な顔を浮かべる私に、ようやく彼も言い訳モードに入ったのか、どうやらドコモは
PHSの契約者宛に、上記の旨の郵送物を配布していた、的なことをペラペラ話した。
名だたるドコモから送られる書類である。条件は不備なく完備され、その条件から外れた
者に対抗するだけの要件は確実に具備しているはずである。
(解約日に携帯購入もしくは機種変更することが条件だとのこと)
言うだけ野暮なのは重々承知。
それだけの価値がある、という覚悟で買った携帯である。しかしだ。
もし私の家の庭に石油が湧いているなり、六本木のタワーに拠点を置く会社の経営者なら
笑って「勿体なかったねえ」と和気藹々と会話を展開するところだろうが、
ちょっとした行き違いでメリットを享受できず、不快になるのは仕方の無い事だと思う。
(知らなきゃいいことも、あるんだなあ)
知らなきゃ家でオナニーして快適に寝るところを、
何故か”負けた感”を胸に帰宅しなければならない境遇を、恨めしく思った。
な?接客とか営業とは、いかに相手に満足させて対価を得るか、ということだから
いらぬことを言って、相手にゴネさせるなんて、あんまりいいことじゃないよ。
例えばソープに行ってご満悦で店を出るときに、ボーイが次の客に
「本日は体重90キロ以上と申告したお客様は無料となるキャンペーン中です。」
なんて言って俺と同じ体型のオトコが、満面の笑みで入室したら、
たとえどんなに満足してたって「金を返してくれよ」っていうか、
「もう一発ヤラせてくれよ〜」って、せがみたくなるだろ?
わかるだろ?わっかんね〜かなあ?
ま、過ぎた事である。
今日の必殺の負けが6万円だったと思えばいいや、と、屁をこいて寝ようと思ったが
寝る前にDMに混じって放置されている郵便物に目を通し、どうやらコレと思われる
ドコモからの郵送物を開封してみたら、中にチケットと書かれた紙が出てきた。
「携帯購入無料キャンペーン」
無料かよっつ!
ただで買えるものに対し同条件で37,000円も支払ってしまったことに気づいたからには
明日からちょっとだけゴネようと思う。
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