□ 2007年 7月 31日(火) |
「ウチ、おっぱい小さいけえ・・・」
もう5年も前の話になるだろうか?
初めて訪れた広島の夜、”エロティカ・セブン”というおっぱいパブで、
おっぱいを見せてください、と、趣旨としては至極まっとうな依頼を申し出た時、
今でいうと香里奈に似た女の子に、そんな言葉を耳元で囁かれた。
いいっつ!広島、いいっつ!
同じ広島弁でも菅原文太が放つ攻撃的な広島弁と、消え入るような恥じらいを込めた
彼女の広島弁とでは雲泥の違いがあり、これまで広島=武闘派ヤクザという印象しか
なかった私に、軽いカルチャーショックを与えたものである。
新規の仕事として、設備の構築のための下見に訪れたのが5年前。
いくつかの訪問を経て、今回、その契約が終了し、設備を撤去するために訪れている。
これまでのように、度々来れる地ではなくなる予感な広島。
いつでも来れる、という気軽さか、広島に来ると仕事をして、
時間があればお好み焼きを小一時間ほど楽しみ、それでも時間があれば
5.2枚交換のパチスロに精を出す、と、まるで情緒のない広島ライフを送っていた。
(う〜ん、最後ぐらいは…)
前泊で入った広島の地で、仕事が8:30amに始まり9:30amに終わってしまった身の上、
夜も温泉付きのドーミーインという宿をとっているが、それまで「リングにかけろ!」
では、少し寂しかろう、と、今後の予定を腕を組みながらしばし考えてみる。
最後の最後まで、有名な広島ストリップと競った結果、たどりついた結末は
(そうだ、厳島神社に行ってみよう!)という考え。
友人にその荘厳さを聞いており、かつ広島市内からは1時間以内で行けるところらしい。
久々の漢の旅である。
漢の旅は計画を立てない。
漢の旅はガイドブックを持たない。
漢の旅は、心に何かを刻み付ける旅である。
思い立ったところで、近くを通りかかったオバハンに
「厳島神社に行くには、どうやって行けばいいですかね?」 と尋ねると
「電車で行けばいいけえ」と
適切なんだか適当なんだか、要は的の得ない返事を頂き、
とにもかくにも、広島駅から出ている、駅とは反対に向かう路面電車に乗り込んだ。
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世界的に有名とされる広島市内の路面電車である。
情緒もあるのであるが、かなりの台数が行き来しており
端的に言うと、駅から2kmぐらいの距離であれば
実は、歩いたほうが早い。
口うるさい広島在住の顧客に訪問する際、ギリギリな時
かなり注意が必要だ。
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広島路面電車の終着駅のひとつ「宮島口」。
厳島神社に向かうフェリーが出港しているのだが、
運賃の清算がかなりアナログなため、
30円のおつり受け渡しのために10分ほど待っている間に
俺をおいて船は宮島に向けて出港を始めていた。
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つい先日まで台風だなんだと騒がれていたのに、
俺を待ち構えたように満点の晴天に見舞われるのは
他ならぬ俺の日頃の行いが良いからである。
パチンコ屋に70万円ほど寄付した甲斐があった。
…そんな風にここ2ヶ月の戦績を振り返っていた。
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金田一さん、獄門島へ…
そう表現するにはあまりに爽やかな旅のひとこま。
ちなみに船中に顔のつくりがちょっと可愛そうな女の子の
二人連れと、だいぶ可愛そうな男の子の二人連れがおり、
適当なところで意気投合しちゃえばいいのに、と思ったが
一番可愛そうなのは、スーツ姿で煮られたように汗をかく
傍からみて目的がさっぱり見当もつかない俺、だと思う。
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宮島に到着。
フェリーの出口で迎えてくれたのはかわいらしい鹿ちゃん。
俺の股間にぶら下がるものを揶揄され、馬と呼ばれて久しい
俺ではあるが、ポテチにコーク、虫刺されにキンカンなみに
馬と鹿はベストマッチングである。
…馬鹿ってか?
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目の前に広がる絶景と、晴天の空。
しかし西日本特有のとてつも熱い気候の中で、
このまま観光を続けることは、ある意味
ビリーズ・ブートキャンプよりもキツいのでは?
…と、海で溺れたかのように汗まみれになった俺は
少しばかりスーツで来たことを後悔し始めていた。
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松島や、ああ松島や、松島や
芭蕉よろしく目の前の世界遺産を見やっていた俺であるが、
松島とは全く関係がなかったことに気づいたのは、
実のところ帰りのフェリーの中である。
これがあるからガイドの無い旅はやめられない。
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妙に親近感を感じて、思わずシャッターを切って少し考えた。
ああ、そうだ。
毎晩握りしめている俺の股間の如意棒にそっくりなんだ、と。
そそり立つ様と、特に上のカリの辺りが。
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妙に親近感を感じて、思わずシャッターを…
と、二度は言うまい。
そもそも、俺の股間の如意棒には
…カリは5つもない。
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厳島神社である。
平安時代に建造され、1400年の歴史を誇るわけだが、
年月というのは偉大である。
何せ俺が今の仕事をこの頃から立派に勤め上げれば、
なんとイチローの年棒を追い抜くのである。
継続は力なり。
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厳島神社内にて撮影。
日陰になり、どうにか汗のしたたり落ちるのも収まったが、
広島市は東白島町に御住まいの渡辺さまの下のお名前に、
過剰に反応してしまうのは多分、
夜の生活が満たされてないからだと思う。
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情緒漂う景観。
単にみやげ物屋が軒を連ねているのに過ぎないが
多分、昔の色街というのは、こんな雰囲気だったのだろう。
ここにちょんの間があればいいなあ、と思いながら撮影。
山崎大紀先生風に言えば、大2枚でどっぴゅんこ、である。
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溺れるものは藁をも掴む。
さすがに2ヶ月で70万も負けると、すがりたくもなるのだが、
こんなものに1,400円を出す神経では、勝てる勝負も勝てない、
というより、豊かな老後は絶対に来ないと思う。
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五重の塔へと続く階段を、息を切らしながら登っていると
朴訥な印象の小僧さんが小刻みに俺を追い抜いていく。
世俗とは離れたところで、清々しいものだなあ、と感じたが、
上で女性のグループの写真の依頼を快く応じている姿を見て
多分俺より女性経験が豊富なんだろうなあ、と、ふと思った。
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五重の塔へと続く小道は、お堂の下を抜けており、
見上げるとすのこのように透けた合間から
頭上に人が通るのを感じることが出来る。
しばらくカメラを構えて建物と同化してはいたのだが
ついぞスカートの女性が通ることはなかった。
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このような建造物を見ると、内部で木彫りの像がないかとか
風鈴のように人間の生首はぶら下がってはいまいか、と
そんなことを気にしてしまうのが金田一マニアの特徴である。
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男を見るときは、まず靴を見ろ、とはよく言うが、
女性の皆様、このような靴を見たら、要注意である。
この男と言えば、仕事をサボって観光を敢行!
冗談も冴えないとくれば、見所なんて何もない。
この靴の持ち主は、壮大な歴史と美しい景観を思い返し
行き来するフェリーを虚ろに眺めて、
広島の旅をかみ締めるように視線を遠くに向けていたが、
実はこの後、市内のストリップに行くことばかり考えていた。
…実行に移す行動力だけは、評価してもいいかも知れないが。
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