パチスロは5号機時代を本格的に迎え、射幸心を抑える目的で制限されたゲーム性は
プレイヤーである私達にとって、確実に大きな影を落としている。
長く、楽しく遊べるゲーセン感覚のパチスロであれば、それはそれでいいと思うが、
負ける時は真綿で首を絞められるが如く、希望の持てないまま海の底に沈むと思えば
勝つときは毎日爪の垢をビンに貯めるような行為の積み重ねの結果であり、
しかもちょっとしたハマリ一発で吹き飛んでしまうのである。
極端に言えば、客が勝って帰ることを、あまり想定してないのである。
ゲーセンで金が返って来ないと怒りだす客もいないだろうが、
その路線を目指しているのだろうと思う。
それでもホールに足繁く通ってしまう自分を恨めしく思うが、
そんな環境の中でも、楽しく、しかも勝ちたいと思う自分がいるので仕方がない。
期待を寄せていた「北斗の拳2」。期待を寄せていただけに初打ちの際には
何かの秘孔を突かれたように言葉を失ってしまったわけだが、
4,000円程度しか獲得できないBIG(って、BIGって言っていいのか?)と、
それに付随する”減る”RT。続けば続くほど獲得したコインが減るRTを見て
(もう、頑張らなくていいよ…)と、バトルの終焉を望む自分がどこかにいる。
減るRTが80連して、手元に残ったのは500枚程度のコインのみ。
確かにRTに入ってコインの消費が抑えられるので、出玉推移の割には
(長く遊べたかな?)という感じだが、それだけである。
救いはゲームの演出が秀逸だ、ということ。
5号機の行く末は、今のところ演出の出来如何により
「打ってて楽しいかどうか」というところに集約されそうな気がしております。
そんな中で出会ったのが「エヴァンゲリオン~まごころを、君に」というパチスロ。
いや、なかなかに秀逸な台である(何様だ、俺?)。
演出は原作を知らないだけに、かなりあっさりした印象を当初は受けたものだが、
重複当選のバランスや、そして最大で416枚獲得できるボーナスのバランスがいい。
特定の箇所を狙う私のようなプレイヤーは、それこそ出目で当選の有無がわかって
しまうのであるが、そのリールで表現する出目演出も秀逸である。
これで液晶の演出に深みがあれば、ということなのだが、
それは私が原作を知らないのだから、あれこれ言えることではないだろう。
ということで、マンガ喫茶でエヴァンゲリオンの単行本を読破し、
マンガ本では未完であったため、DVDでパチスロと同名タイトルの映画版を鑑賞。
ここからはエヴァンゲリオンの感想になってしまうが、う~ん、
正直、熱烈なファンがいそうなので、割愛した方が良いのだろうか。
私はアニメはルパンのカリオストロの城と、くりいむレモンしか見てない程度で、
(※子供向けやマンガ本が原作のやつは別だわよ)
まあ、そんな人間の言うことに目くじらを立てないで頂きたいのだが、
特に映画版を見て、
猟奇犯罪に手を染めた少年の精神鑑定をやってる精神科医のような気分になった。
(そういう気持ちになれば製作者の目論見にハマった、ということなのか?)
映像表現や挿入する音楽のセンスについては非凡なものを感じたわけだし、
10年前ほどの製作時期を考えると、かなり斬新なものだと思うが、
どう考えたって最後の方は広げすぎた世界観を、哲学的な話にして無理無理我々を
煙に巻こうとしている、と、そんな印象を受けたのだが、どうだろ?
シュールな世界は嫌いじゃないが、デビット・リンチの方が全然健全な印象を受ける。
製作者の意図する”狙った”シュールさがあるように感じるからである。
※ちなみにTVドラマの「ツインピークス」のラスト付近はとてつもなくシュールな
展開になり、はっきり言ってわけがわからないのだが、これは放映当時湾岸戦争の
ため急遽打ち切りになったことにデビット・リンチが腹をたてて「わけわからなく
したれ!」という気持ちでワザとそうした、という逸話がある。
適当にストーリーを重ねておいて
「う~ん。表現が高尚過ぎたかな?とにかく、答えは君達の心の中にある!」
って製作者にしたり顔で語られている気分になって、
彼らの横っ面をひっぱたきたくなる衝動に駆られる。
14歳の主人公の少年と同年代の少女達のアンニュイな関係や、
29歳の年上の女性との(もしかすると)的な関係は、はっきり言って”ツボ”。
内向的な少年が、ロボットの操縦に関しては驚異的な能力を持ち、
世界を救うという使命のプレッシャーと、友情や淡い恋心に彩られた少年の、
心の成長の物語として進んでくれれば、わかりやすくもあったのだけど
(そうするとガンダムと同じになっちゃうのか?)
どうせなら、おっぱい揉みたいとか、乳輪がどうこう言って悶々としている
中学生がロボットに乗って世界を救う、という話のほうが面白いと思う。
私が一児の母親なら、息子の部屋からこのDVDが出てきてしまうより、
麻美ゆまのAVが出てきたほうが、ショックが少ないように感じる。
(ああ、健全に育ってるなあ)って。
不思議ちゃんを気取ってるのなら、それはそれでまだいいけど、
何かの意味があるのか必死に考えてるなら、その答えは君の心の中じゃなくて
君の財布の中にあるって。インチキ宗教に一発でハマりそうだな息子よ、って。
まあ、映像はキレイなわけだし、編集や”魅せる”表現もアニメならではのもの、
パチスロで使われている映像は、私にとっては、まともなパートからの引用だし、
パチスロで打つ分には何の嫌悪感も批判もないわけで。そもそも、
前から世間で評価されているのを後からガヤガヤ言うのも卑怯な行為だと思うから
これからエヴァンゲリオンについては映画で上映されるらしいので、
先入観を取っ払って、ここらで思いっきり浸ってみるかなあ、と思ったら、
なんと完結まで5回か6回上映されるそうである。
これだからアニメは嫌いなんだよっつ!
スターウォーズじゃあるまいし、
2時間か3時間で表現しきるのがプロってもんだろがオイっつ!
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