■ 眠れぬ夜はこれを観よ! 2007年 11月 23日 (金)

「ゴッドファーザー PART V」を久しぶりに鑑賞。

 PART TとUはことあるごとに観ているので、久しぶり、という概念がないのであるが完結編であるPART Vはシリーズの中で3番目のデキ。
残念ながら間隔が空いてしまいがちだ。

しかしながら久しぶりに観ると、こりゃビックリ!
大人になって観ると新たな感動があり、眠れぬ夜のお供に最適な映画である。

 一般的にVがダメだと言われているその理由に、マイケルの老い、というか、TとUでファンを魅了した”冷静(冷酷)さ””賢さ”がスポイルされている点がある。

 Tでは血気の多く強い(が粗野な)長男が死に、優しいだけの次男はドンの器でなく、親の家業をキラい、大学に進み軍隊でも活躍し、堅気の世界で生きるはずだったマイケルがドンの跡目を継ぐ。そして頭脳と冷酷な恐怖政治でファミリーを確固たるものにするまでを描く。そしてUではそのファミリーを守るために、自分の家族を犠牲にする苦悩が描かれ、ロバート・デ・ニーロ(これが若く、めっちゃ男前)が演じる若き日のドンのセピア色の情景とオーバーラップする様が、それがまた切ないのである。

 Tにはそこはかとない春の息吹を、Uには秋枯れの美しさを感じるが、ではVは老いさらばえていく冬の情景かと問われると、単に親戚のおじさんがオムツをしているのを見ちゃったような、あ〜あって感じが漂う印象。

 現状から逃げ出したいマイケル。糖尿病に苦しむマイケル。懺悔して泣いちゃうマイケル。猫背で、元嫁にシバカれているマイケル。ウンチクをしたり顔でしゃべっているだけのマイケル。元嫁に取り入る時のおちゃらけたマイケル。なぜか寿司職人のような髪型のマイケル。TとUが好きであればあるほど、見たくないはずのマイケルの姿の連発。

 あと、どう考えてもマイケルの娘役のソフィア・コッポラがミスキャストであるとか、マイケルの息子役がどうでもいい感じだとか、TとUで重要な役どころだったトム(ロバート・デュバル)が出演料の都合で出てないとか、その代わりに出てくる胡散臭い顧問弁護士と聖職を目指す息子とか、黒幕がとってつけた感じだったりとか、最後の大虐殺にそれほど意味がないとか、バチカンとかを絡めて無理無理仰々しくしてる感じとか、

 ま、言い出せばツッコミどころ炸裂なのであるが、なんでだろ?今になって妙に心に染みるのがこのPART Vなのである。

 ここまで言われると観る気も失せるだろうがTとUという偉大な兄弟を持ってしまったのが不幸だっただけで、充分いい映画、いや、観る年齢で受ける印象が変わる映画がどれだけあるだろうか?言うなれば、Tが力強さを感じさせるソニー、Uが緻密さと完成度の高さを感じさせるマイケルだとすると、Vはフレド、って例えはどうだろう?

 結局、人間なんて弱いし、泣いたりわめいたりするし、戦い続けたり完璧であることだけがベストじゃないわけだし。ああ、人間(映画)って、それでもいいんだよね、って、この例えでわかっちゃう人は、相当観ている人だろうから、紹介は必要ないか。


 とにかく冒頭からブリジット・フォンダはエロくていい感じだし(冒頭しか出てないのが残念なんだけど)、映像は重厚だし、最後のオペラのシーンは雰囲気あるし、なによりラストのシーンは、TUを含むどのシーンよりも胸が締め付けられる。やっぱり娘役はソフィア・コッポラで良かったんじゃないか?と思う。まともな役者さんだと却って芝居を観てる気になっちゃうかも(ま、芝居だが)。


 あと、注意すべきはIとUを観とくこと。当然のように感じるとは思うが、意外と続編を先に観てしまう人が多い。ゴッドファーザーは断じてそういうタイプの映画ではなく、私が高校生の頃、あまりに楽しみにしていて「絶対に面白いから!」と言って公開初日のオールナイトにI君を連れだって行ったその帰り、I君の表情は?マークで、面白い面白くない依然の様相だった。


では、いい夜を。

■ 漢の世界 2007年 11月 23日 (金)

このHPの名前は”漢と書いてオトコのHP”。

見ている皆様もそうだろうが、いわんやこの松田凡作も当然”漢”と呼ばれて久しい。

 暴漢、悪漢、変節漢・・・ 漢にも色々あるわけだが、私の場合は正義漢や熱血漢は言うには及ばず、痴漢にまで間違われたことがあるわけだから、まさにサイトホルダーに相応しい”漢”っぷりである。

そして、先日、新たな1ページを刻むことになった。


白衣を着た初老の紳士が私の目を見つめ、「こりゃ見事だあ」と言い放つ。

お見事!と、言われた事もないではないが、何がそんなにスゴイのよ、と
病院の一室で、私の腹に超音波を当てながら、氏の言った次の言葉は


「いやあ、アンタそりゃ見事なシボウカンですよ」


 つまりその医師は、私の肝臓が見事なフォアグラ状態になっていることを医学的見地からご指摘下さっているわけだが、脂肪肝に見事もクソもあるかいっつ!と、憤る前にちょっと考えた。

 転職市場、お見合い市場では一山いくらのオトコであっても、東欧の変態肉屋になら、この霜降りボディと見事なフォアグラ、きっと高値で売れるに違いない、と。

■ カオス理論 2007年 11月 23日 (金)

「風吹けば桶屋が儲かる」という言葉があります。

 何ら繋がりがなさそうに見える事象が、実は因果関係で結ばれているということで、風が吹く→目の病気になる人が多くなる→失明した人が三味線を弾く職業に就く→三味線を作るために猫の皮が必要になる→猫がいなくなってネズミが増える→ネズミが木の桶をかじる→

で、桶屋が儲かる、って話を、聞いたことがあります。


同じような言葉がありますね。
「バタフライ現象」。北京で蝶が羽ばたくと、NYで嵐が起こる、ってアレです。

昔の日本人も外国の人も、潜在的にこういう因果関係を掴み取っていたのでしょうが、
アカデミックに言うと、「カオス理論」の説明の際によく出る話だそうです。

カオス理論・・・文学的に言うと”森羅万象に人智が及ばないことがあることの証明”と言えると思いますが、

どうやらこの辺に私が結婚できない理由があるような気がします。

う〜ん、ミステリ〜ぃ♪

■ 真の顧客満足とは? 2007年 11月 23日 (金)

 企業のIRなどを見ると、エラそうにCSの向上がどうのこうのと書いてあるわけだが、CSというのはカスタマー・サティスファクション、つまり顧客満足のことだという。

 どうも企業が横文字を使うってこんなことを言い出すと、胡散臭いというか眉唾モノな訳だが、例えばちゃんと高設定を置いて出玉感を演出し、客着きを安定させるパチンコ屋とリピーターなどいらんわ!的なノリで思いっきりボッタクるパチンコ屋と、どっちが儲けが大きいのだろうか?

 ボッタクリバーやバッタクリ風俗も同様である。二度と訪れることのない客に対して法外な値段を吹っかけるのと、至れり尽くせりのサービスやコストパフォーマンスで魅了するのとでは、どちらが店としては儲かるのだろうか?

 身近なところで考えれば、まあ言わんとしていることは見えてくるのであるが、所詮は商売である。最終的な目標としてはいずれの手段をとったにせよ、行き着く先は金。

ああ、世知辛い世の中だなあ、と、悲観する諸兄もいるだろうが、心配には及ばない。

 貴方が今見ているこのHP。お気づきだろうか?行間のスペースが若干前回より大目に取られている。日記フォームを変えた際、K君に「どんな感じかな?」と尋ねたところ「ちょっと行間が詰まってて、読みにくいなあ」という、忌憚なきご意見を頂いて早速修正した結果なのである。

当然読む人に何ら対価を要求するものでもないし、そもそも何の反響もないのである。

 それでも読む人に想いを馳せて工夫を凝らす私の姿から、企業は真の顧客満足とは何か、ということを切に考えて欲しい。


 さすれば今日行ったラーメン屋のように、いつも入っているウズラの卵がすっぽ抜けているという不祥事なんか、滅多に起こらないはずなのである。

おい、ラーメン屋!赤福!吉兆!白い恋人!
そんなことが許されるのは官僚と政治家だけだぞ!

■ 母よ憤怒の河を渡れ 2007年 11月 23日 (金)

 ウチの母親がプンプン怒りながら言うことには、昼下がりに車で隣の門前仲町に買
い物に出かけて、ほんの5分ほど駐車したところで駐禁を切られたとのことである。

「5分で駐禁?」 
よくよく聞くと、去年から行われている民間の駐車監視員による取締り

「シール張られたら、それでアウトなんですよデヘヘ」とオッサンに言われたらしいが、
全くその通りで、駐車時間を問わず、確認標章と呼ばれるシールを張られたらアウト。
オッサンがシールを用意している間に車を動かす必要がある。

「何だかわからないから、見てみてよ」と、かわいそうに。
50年以上生きていて日本語も読めないのかよ、と、その標章に書かれた内容を見てみると、残念ながら私にも内容が理解できない文面が並んでいる(とりあえず法学部卒なのに)。ネットを見たり、問合せ先に確認してみたりした。


・・・・・・☆☆☆
 端的に言って、そのシールに従って正直に警察に出頭すると、従来どおりの反則金+点数加算(一般的な駐車違反は2点)。しかし警察に出頭せず、しばらくして送られてくる書類の通りに対応すると、違反金(金額は変わらない)を支払うのみで、免許の点数に影響を与えない・・・

 上記の内容を、非常にあいまいにわかりにくく書いている。更に理解を妨げるのが、警察に出頭して手続きを行う者がより思い処罰をうけるという”正直者がバカをみる”という点。警官にキップ切られようが、民間のオッサンにシールを張られようが、実際どっちも (やっちまった!運が悪いなあ・・・)と思うのだが、とにかく、お上的には罰金と反則金と違反金とを分けて考えている。

・罰金   − 刑事罰
・反則金      − 行政処分
・(放置)違反金 − 行政制裁金

※放置違反金は運転している人ではなく、使用者(車検の登録者)に対するもの。
 「ちゃんと車を管理しなさいよ」って、そういう違反金。

 深川警察署に電話し「どっちが違反者にとってメリットが高いの?」とざっくばらんに尋ねてみたが、「こちらから申し上げられません」と言われてしまった。しかし点数の切られない方がいいのは火を見るより明らかで、事実、常習者と何でも金で解決したいリッチマンにとっては、却って放置違反金の制度はラッキーであると言える。

 が、罰金刑は刑事罰なので前科者になるが、起訴と裁判が必要となる。反則金(キップ)は自白のようなもので、自分で認める代わりに行政処分だが、運転したものが違反したという事実が必要となる(個人的には多いに疑問だけど。捏造もあるから)。しかし放置違反金は「ただそこに置いてある事実」でペタペタシールを張れる。常々私は交通取締りは国家によるカツアゲだと思っていたが、その手段も振り込め詐欺やオレオレ詐欺同様、合理的でスマートな搾取システムに進化している。

 違法駐車の一掃が目的では、断じてない。一説には交通違反者に対する取締り率は0.1%。本気で改善したいなら、もっと抜本的な策があるはずだ。駐車違反者はいわば大切なお客さま。大切なマーケットである。マーケットを狭めるようなことをせず、ターゲットからより簡単により確実に搾取するビジネスの基本。駐車場関連企業や天下りの業者との癒着か、警察OBの雇用の確保か、理由は知らんが確実に我々は狙われている。

 ちなみに私はゴールド免許である。とはいえ、それはねずみ捕りに捕まったってキップにサインせず、検察まで行って不起訴となってるから。
犯罪者扱いして金をむしり取るのがやり方なんだから、まあ、金はしょうがないにしても、名誉のために戦わなければダメよ。
・・・・・・☆☆☆
 

「もおう!頭きて仕方ないわよっつ!」
どうやら母親は監視員の横柄な態度にご立腹。

 「税金だと思って諦めるんだね」 いったい何が悪いのよっつ!と逆切れする母親に「運だろ?」と優しく諭す私ではあったが、やっぱり短時間でも100円パークに入れた方が無難。”タダより高いものはない” 昔の人はいいことを言う。

 ああいう人たちに見逃してもらおうと思っても至難の業。左の頬を差し出すキリストでもあるまいし、笑顔でキップを切られる人間なんか稀なんだろうから、いちゃもんには慣れてるはず。

 とりわけウチの母親なんかは、見逃してくれ、と交渉するよりも、次はきっちり15,000円分、罵詈雑言でも浴びせてストレスでも発散したらどうか?と思う。



「そうよねえ!罵詈雑言も言いたくなるわよねえ!」

 個人的には恨みはないが、カツアゲの手先という卑しい仕事をしている人たちだから、罵詈雑言を浴びせられるぐらいの覚悟はあるだろう。手が出たらこっちの負けだけど、15,000円と言えば、どこぞの国なら人が死んでもおかしくない金額。
思う存分、いつものペースで相手を罵ってみたらどうだろうか?



「息がクサいわよ、気持ち悪いっつ!ウンコでも食べて来たの?」

「モゴモゴ喋っても何言ってるか分からないわっつ!牛から生まれたのかっつ?」

「エラそうに何講釈タレてるのよっつ?害虫のくせに!このエヘン虫!!」

「ハゲしくハゲちゃって。アンタの頭の上で焼き畑農業でもやってるの?」

「アンタは有害なバカなの?無害なバカなの?どっちにしてもバカでしょうけど」

「死んじゃいなさいよ!アンタなんて!本当の意味でお国のためよ!」

「何言ってるのアンタ?ウチの犬との方が会話が弾むわっ!」

「どうせ一家揃って気が狂ってるんでしょ?」




 母親の性格から鑑みるに、たぶんこんな言葉を投げかけて相手を泣かせている光景を想像し、若干そら恐ろしくなったが、どうやら本人もそんな想像したんだろう。



「・・・まあ相手も仕事だし、悪いわよねえ。今度から私が気をつければいいことよね。」

「まあ、そうすることが無難だな」

 急激に怒りの収まったように見える母親だが、考えてみれば今回、金を払うのは車の使用者、車検証の登録者ってことで、つまり私。

 怒る理由がなくなったのだから、怒りが収まるという理屈については納得だが、いかんせん、それでもどうにも解せないことがある。


・・・どうして横柄な赤の他人には言えなくて、実の息子には言えるのだろうか?

ハートが音を立てて壊れそうになる、破壊力のある罵詈雑言。