■ 赤コーナーの漢 2008年 12月 21日 (金)

観測史上、最も盛り上がりにかけるクリスマスを迎えようとしている。

いつだって盛り上がらなかったじゃないかっ、って?
古い付き合いの友人なら、きっとそういうだろう。違うんだ。違うんだよ、君たち。

いつだって俺は燃えていたんだ。

ヒトケタの頃はファミコンやそのソフトをねだることに燃えていた。
10代の頃は、いつまでも鳴らぬ電話の前で体育座りしながら青い炎を灯していた。
20代の頃は、迫り来るXデーに向かって、不器用ながらも喘いでいた。

人並みのクリスマスを送れない体質だと、悟ったここ最近においても、
ライトアップされた街並みを、リアルな炎で包んでしまいたい衝動に襲われたり、
そんな衝動を、似た体質の友人たちと抑えあったり。
やや、あさっての方向を向かっていたとしても、確かに俺の心は燃えていた。

でも、ここにきても、焦りは当然、黒い情熱もそれほど沸いてこないのが実情だ。


今日、昼飯に銀座に出かけて、今年オープンしたホテル・ペニンシュラを見ても
(イブにアルカイダあたりが突っ込まねえかなあ)と思わなかったのも不思議だし、

忘年会の後、今日からライトアップされたという日比谷公園の盛り上がりを見ても

(小島よしおのカッコでウンコでも漏らしてみようかな)とも思わなかったのである。


・・・いつの間にか、防衛するのに疲れていたのかも知れない。

そう、何時だって俺は戦ってきた。
世間にだって、チャラ男にしたって、いつだって(影でコソコソと)戦ってきた。


とあるクリスマス。
近所のカップルの影が集う木場公園で、単車で乗りつけてマフラーから爆音を奏で
皆さまにささやかな嫌がらせに興じていたところ、視線の先に一人の男がこちらに
向かって歩いてきたのを見つけ
(女の前でカッコつけてやがるな)と、コトを構える心構えをしていたところ

「兄ちゃん・・・みっともないからヤメてくれよ・・・」と、それが弟だった瞬間、
今思えばそれがチャンピオンベルトが私に移った瞬間だったのだが、

それから10年以上もの間、防衛を重ねているのである。


横綱相撲と言えば聞こえはいいが、一人リングの上で、妻帯者や最愛の人とネットの向こうから「まだやってるの?」だの「頑張ってください」だのの声援を受けながら一人拳を振り回している ここ数年のクリスマスを鑑みるに、そろそろベルトを返上したほうがいいのでは、という疑念が頭をよぎる。


それでも俺は、今年もリングにあがるのだ。

今年のイブは3連休の最終日。巷では翌日仕事がある日程で開催される。
正直「ざまあみさらせ!」という気分で、怒りの炎がスポイルされているもの事実だが

イブのその日にSMプレイを強要して恋人にフラれた強烈なチャレンジャーや、
30を超えても両親と七面鳥を頬張っただけの他タイトル保持者もくるかも知れない。

だから俺は、24日の23時から1、2時間。掲示板というリングに上がり、
チャンピオンとして諸君らを迎え撃つ所存なのである。

・・・ただの男に帰れるんだ、という、淡い期待と共に。

点呼などと、野暮なことは言いっこなしだ。
興味のある人はチャレンジャーであれ、声援であれ、リングに駆けつけて欲しい。


ただ一つ、注意して欲しいことがある。
ここでいうリングとは、夢を掴み取る、スポットライトの眩しい正方形のリングではなく

サイトの過疎化という、ドーナツ化の進んだリング状のフィールドだ、ということを。
■ 帯にショートで 2008年 12月 21日 (金)

・・・襷にロング

今、手元にある「LOOX U」 を眺めながら、ルー先生ならきっとこういうであろうセリフを噛み締めている。

事は先日の札幌・名古屋出張に遡る。

二日の強行軍ということもあって、出来るだけ荷物は軽くしようと、ノートPCを置いて出かけた出張であり、朝、現地入りし、夕方飛び立つであろう札幌の地では

(行けてもイメクラだなあ)と、寒空を見上げながらウィルコムのW-ZERO3を取り出し、
シコシコと検索サイトを操るも、PHSの回線は遅い遅い。

ちょっと一回りして、電話番号を控えて電話し
「何時頃入れますか〜?」「●●時ぐらいですねえ〜」というやり取りをしている最中に
プレイ時間を考慮したら、飛行機が飛び立ってしまう時間になっていることに気づく。


(まあ、名古屋で行けばいいや)と、気軽に考えて新千歳空港に向かい
そのままセントレア(名古屋常滑)空港についてチェックインしたらもう23時。

近くのコンビニで情報誌を購入し、今度はテキパキと吟味を始めて
「今から大丈夫ですかあ〜?」と電話を入れると、0:00で終了、とのこと。

むう。
「段取り8割、現場は2割」と言われる仕事・業務と違って、高速なユビキタス通信環境が必要なのはむしろ、こういう状況なのではないか、と、おもむろに思うのである。

モバイルPCで仕事をしている人を多く見かけるが、新千歳空港〜札幌間でUシートに乗って得意気にモバイルPCを開いている人の中身は、たいていどうでもいいメールのチェックだったり、どうでもいいエクセルの資料だったり、それすらでもないメディアプレイヤーの画面だったりする。

出先で困らないように準備をするのが仕事の基本であると、私は思っている。

時間を決められない、守れない。3名以上の日程調整ができない。
判断力はあるが、判断材料を用意していない。
相手の顔色を伺いすぎて、相手のことを考えてない。
博識で情報量もあるが、伝える手段を考えていない。
連絡先やデータを蓄積しているが、電話はできない、必要なデータは出てこない。

そういうしたり顔の仕事人が多すぎる。

そんな人間に情報を与えても、それは仕事に生かせない。
そんな人間にモバイルを与えても、それは単なる大人のオモチャである。

デジタル難民と呼ばれそうなオジサン世代にエールを送りたい。

「乗り換え案内」で時間を調べる前に、時間に余裕を持って動くこと。
「アウトルック」で連絡先を確認する前に、想定する電話番号を控えること。
「グーグルマップ」で出先で地図を見る前に、行き先を把握しておくこと。
「グループウェア」で状況を把握する前に、面談をシミュレーションしておくこと。
「メール」で先方に伝えた後には、電話して確認を行い、反応を掴むこと。

ヒトカドのオジサンは、PCに頼らずこれをやっている。

列車の中や喫茶店でPCを開いている人は、大げさに言えば仕事が出来ないか、
オタクで〜すってアピールをしているようなものだと思う。


どうせダメやらオタクなら、仕事以外でモバイルを使ってやろう、と
帰りがけに衝動的に購入してしまったのが、前述の「LOOX U」である。


重量600G以下。
CPUは800MHzでメモリーは1G。ドライブなし、と、PCとしては非力もいいところで、VISTAを搭載するPCだから、メーカー製としてはギリギリの商品とも言えるが、

メールやサイト閲覧、音楽再生ぐらいなら、不備なくこなすはずで、仕事以外に使うなら携帯性にすぐれたこの「LOOX U」はそれなりに重宝するだろう。

今度ムラムラしたら、いつでもどこでも風俗情報を、フフフ・・・

と考えながら、ふと気づいたことがある。


通信機能、内臓してねえ!(※無線LANを除く)


帯にショートで襷にロング。
結局役に立たないという諺である。

市場でのPDAの評価であり、私の意図からすればLOOX Uもそういうことだろう。


しかし最もその言葉が当てはまるのは、他でもない、私という人間だと思う。
■ 私の悩み 2008年 12月 20日 (木)

基本的に私は楽観主義者である。であるからして悩みがあまりない。

脂肪肝と診断されはしたが、今までの風俗行脚が祟ってのB型C型肝炎でないことに正直、ホッとしたというのが本当のところだし、数日経って気を揉んでいるのは脂肪肝という診断結果そのものではなく、小粋な焼肉としゃぶしゃぶの食べ放題の店を見つけてしまったこと。それのみに頭を悩ませている。

当然、仕事において言っても、人間関係、給与、業務内容に何ら不満もなく、向上心やモチベーションが低いと言われればグウの音も出ないが、事実、そうなのである。

トイレでアナルにウォシュレットを当てながらしばし考えてみるに、やはりこの先
「課長 松田凡作」 「部長 松田凡作」というストーリーが、このまま時給生活が続く限り訪れない事実を鑑み、2008年は転機の歳と位置づけてみよう、と

慣れない自己啓発を試したことを、先日麻雀で卓を囲んだ友人に話したところ


「じゃ、ウチの会社にとりあえず面接に来ませんか?」

なんて言ってくれたりしたので、お言葉に甘えてみることにした。


で、慣れない履歴書や、今までのやっつけ仕事を綴った職務経歴書を用意して、言われるまま、その場に臨んだのだが、一通り終えた後で面接官が一言。


「いや〜松田さんは、この仕事はもったいないですねえ〜」


私はうすら笑顔を浮かべながら

(多分、叶姉妹がお見合いパーティに言ったら、こうやってフラれるんだろうな…)
と、思っていたものである。


しかし意外にも、事後頂いた結果はOK!ということで(面接は役員面談だった)
本人的にもありがたい話だったのだが、

あ、忘れてた。悩みがない、というのは全くもって適当ではなく、
うまく行きかけるとすべてをぶっ壊したくなる私の性格、それが目下の悩み。

先ほど、日々のパチスロに支障を生じるという理由で、丁重にお断りした次第である。


・・・この季節になると、色んな意味でその性格に頭を悩ませることが多い。
■ 偉人、汝の名は… 2008年 12月 20日 (木)

12月も半ばを過ぎ、今年もあとわずかだというのに、
外は寒かったり、結構暖かかったりで、結構過ごしやすい日々を送っている。

思えば秋も過ぎてしまったが、馬ならぬ凡作肥ゆる秋以外のトピックスがなかった過ぎ去った日々を思い出し、(たまには読書でもしてみようか?)と、会社帰りに大型書店に立ち寄ったのが今日の出来事。

話題のミステリーがいいか、歴史小説がいいか?
遠い昔に全巻読破した江戸川乱歩を目頭を押さえながら読むのも一興か、と
ふらふら店内を歩いていても、どうしても向かってしまうのがサブカルのコーナー。

ふと目に止まったのが「中谷彰宏」。氏の新刊のコーナー。

サブカルに分類されているのはあまりにもかわいそうだが、私は彼にいけ好かないイメージを抱いており、いや、語弊を恐れずに言えば「彼の著書をありがたがって読んで」る方々にも、ど〜かと思う節がある。

読んだこともなしに否定的なのは申し訳がないが、氏の著書からはバブル臭が漂い、
それを手にしている方々からホットドック・プレス臭が漂う気が、なんとなくするのである。

高僧や立志伝中の人物のありがたい教えでさえ、俄かには受け入れがたい天邪鬼の私が、どうせバブル期にはハメ狂っていたに違いない甘いフェイスの氏の言葉を、おいそれと受け入れたり、いわんや実行に移すことなどあり得ないのである。


昔、氏の本を手にとってパラパラと捲ってみたところ

「犬に好かれる20の方法」・・・

コンマ何秒で脳がとろける気がしたので、そのまま棚に戻したのであるが
今思うとそんな内容の言葉が踊っていた記憶がある。しかし、だ。

・・・世の中の流れも速いものである。読者の求めるものも、筆者の嗜好も変化を伴って当然であり、今は毛色の違う内容となっていても不思議ではない。
重ね重ね、根拠のない批判は的を得ないのは承知しているので、

その、目の前にある氏の本を手に取ってみると


「偉人は平気で立ち小便をする」
「外を見る時は、まず窓を拭け」
「苦しいと言うな、苦しかったと言え」


・・・

タイトルに目をやると、「金言集」
仰々しいにも程があるが、驚くべきは「著者:中谷彰宏」


もしかするとこの人、スゴイ人かも知れない。


なかなか自分の吐いた適当な言葉を金言と言えてしまう人も少ないと思うが、
どうにも今日はそこまで腹を抱えて笑える本を買うつもりはなかったので、


そのまま「ルー語大変換 さぁ!ルー語を始めよう!(著者:ルー大柴)」を購入し
静かに帰路についたのである。