巡礼のやりかた

●服装
 四国の八十八カ所霊場巡りでは、上のイラストのような白装束を着て巡礼されている方が多いそうであるが、西国三十三カ所巡りでは、それほど、この白装束は見かけない。
 ただ、バスツアーの団体さんには、白装束の方が多い。
 ちなみに、上記イラストは西国の先達さんスタイルである。輪袈裟がオレンジで、頭陀袋が黒色である。

服装に関しては、お寺さんからも特に言われませんので、楽な格好がいいのではないでしょうか。
 長い階段があったり、ほとんど山登りだったりと、ハードな参道が多いので、歩きやすい靴が必要です。
また、場所によっては、善意の杖がある所もありますが、金剛杖やハイキングに使う杖などを用意したほうがいいでしょう。金剛杖は結構安価です。



●持って行きたいもの
・教典:西国三十三所勤行次第(西国三十三所札所会)が便利です。お寺で売っている所もあります。
・納経帳、納経軸:お寺で入手できますが、気に入ったものを事前に用意したほうがいいかも。
・線香、ローソク:お寺で購入できますが、持参しても可。
・金剛杖:金剛杖でなくてもよいが、杖はあったほうがよい。
・小銭:100円玉、賽銭用5円など、小銭はいっぱい必要です。
・雨具:状況により必要。
・タオル:汗や突然の雨に対応。

 わたしは、線香も持参してましたが、参拝料を取らないお寺では、線香、ローソクはそのお寺で買うようにしてました。 


●巡礼の順序
1)山門の前で合唱し、一礼してから入る。
2)水場で口をすすぎ、手を洗う。この時、杓に直接口をつけるのではなく、手で受けてすすぐ。
3)鐘をつく。ただし禁止されている場所ではダメ。帰りに鐘をつくのは「戻り鐘」といって縁起が悪い。
4)本堂にお参りする。納札箱に札を入れ、線香、ローソク、賽銭を献納する。納経所で写経を納め鍔口を鳴らし、読経する。このとき、他の参拝者の邪魔にならないように、真っ正面は避け、横にずれるなどの配慮が必要。
5)納経所もしくは、別に納める場所があれば、そこで写経を納める。
6)太子堂で本堂と同じ動作を繰り返す。他のお堂も参拝する。
7)納経所で、納経帳などに御朱印を受ける。おいずる200円、納経帳300円、納経軸500円。
 納経所では、梵字の札、慈悲の道(ペーパー)などがいただけます。また、話好きの方がおられましたら、いろいろな話が伺えます。(混んでいないとき)
 納札はお寺でも購入できますが、インターネットで書式をダウンロードすることも可能です。納札には住所も書きますが、個人情報ですので、番地までは書かない方がいいかもしれません。


●写経のすすめ
 どうしてもスタンプラリーになりがちになると思います。特に、添乗員さんが同行するツアーでは、納経所で御朱印を受けるのも添乗員さんが代行するところが多いです。
 そうなれば、さらにスタンプラリーでしょう。
そこで、私の場合は、写経をすべてのお寺さんに納めました。
 そもそも、御朱印は写経を納めた証として授かるものですので、納経もせずに御朱印だけを授かったのでは、まさしくスタンプラリーです。
 御朱印を授かる場所を「納経所」というのは、写経を納める場所だからです。
写経については、番外札所の花山院さんに行くと、丁寧に教えていただけます。
 また、花山院さんで納経すると、祈願していただいた証明のはがきが届きます。(住所を写経用紙に書いた場合のみ)
 祈願に必要だからと、名前の読み方も確認していただけます。たった300円でここまでしていただけます。
 写経を納める場所は、納経所であったり、本堂内に納める場所があったりと様々ですので、それぞれのお寺でご確認下さい。
 納経の費用は、西国霊場の場合は、すべて御朱印の費用(帳面:300円、軸500円)に含まれています。別料金を徴収されることはありません。
 その他のお寺(霊場巡りのお寺以外)では、「お心づけ」というところが多いですので1枚が1000円〜2000円位が相場のようです。
 お寺によっては、写経が体験できる場所もあります。不定期に実施されているお寺や、概ね実施しているお寺もあります。
 兵庫県は姫路市にある圓教寺では、たった1000円で書道用具一式借りて、お坊さんに指導していたでける場所があります。それも、映画ラストサムライで実際に写経をするシーンに使用された「食堂(じきどう)」で行えます。時間がかかりますので夕方2時くらいまでには始めたほうがいいと思います。閉門時間(ロープウェイ)によって受付時間が変わります。
最初のうちは、1時間30分ほどかかりますが、慣れれば1時間ほどで1枚書くことができます。
33ヶ寺+3寺で36枚必要です。
文房具屋さんで写経用紙は入手できます。
筆ペンでもいいですが、枚数が多くなりますので、「写経筆」を用意したほうがいいでしょう。
墨は少しでよいので、硯(すずり)は、小さいものがよいです。
 スポイトで数滴分で書き、なくなれば追加を繰り返します。
 写経の最後に、家内安全などの願い事を書きます。
そして、写経を書いた日付を記入し、住所、氏名を記入します。住所はすべて書く必要はありません。

●マナー
・千社札:禁止しているお寺が多いです。はがすのが大変そうですので、貼っていいのかをしっかりと確
      認しましょう。個人的には、貼らないほうがいいと思います。他に貼ってあるから、OKということ
      はありません。貼りたいなら、お寺の人に確認してください。
・納札  :納札を千社札のように貼る方もおられますが、納札は納札箱へ入れてください。
・写真  :本堂内などは、撮影禁止にしているお寺が多いです。充分に気をつける必要があります。
・読経  :鍔口の真ん前で読経すると、他の参拝者に迷惑です。横に移動して読経しましょう。
・納経帳 :納経所に納経帳を出すときは、そのお寺のページを開いて書きやすいように渡しましょう。
・小銭  :納経所で万札を出す方もおられますが、できるだけ小銭で出しましょう。
・落書き :もっての他です。(意外と多いのでびっくりします)千社札も「落書き」と解釈されている寺院は
      多いです。白壁に朱の手形が多数あるお寺がありました。聞くと「ただの悪質ないたずら」と
      言っておられました。御利益があるとと思っての行為でしょうが、ただのバチ当たりのようです。

●納経帳と納経軸

・納経帳
 おおきな手帳のようなもので、本のように見開きのものと蛇腹状のものがある。西国巡礼用のものには、寺名や御詠歌が書かれたものがある。値段は700〜1500円くらい。
御朱印を受けた後にドライヤーで乾かされる方がおられますが、紙でできていますので、縮んだりしてシワにになることがあります。ドライヤーは使わず、あて紙をしましょう。

・納経軸
 満願の後は、掛け軸や額装になります。
 紙ではなく、絹地のものが多いですので、御朱印を受けたあとはお寺にあるドライヤーで乾かします。
 丸まりやすいので当て木をして、丸まるのを防ぎます。
 1回のミスで台無しになりますので、細心の注意が必要です。
 ドライヤーで乾かした後、あて紙をして丸めます。
 ドライヤーを当てていると、墨の色が変わりますので乾いたことは目で確認できます。
ドライヤーは一方向から当てると墨が流れる危険がありますので、周囲から円を描くように当てるとうまく乾くそうです。

・御詠歌の御朱印
 花山法皇が、各札所ごとに詠まれた和歌で、西国寺では、御詠歌の御朱印も受けることができます。

ひらがなの毛筆は女性的で難しいので、字のうまさが顕著に出てしまいます。
びっくりするほど達筆は方にあたったときは、感動ものです。

・笈摺(おいずる)
 白衣の上に羽織る法衣。はじめは、俗身に笈が触れて破れないようにと、肩に白布をつけたのが原型。背中に観世音菩薩を背負い、清浄な白衣を身につけてお巡りになったという故事にならない、今日では笈摺を着ます。今日では棺桶に入る時に着せてもらうなどといった使われかたをするようです。
 この笈摺にも御朱印を受けることができます。200円。
 私は、笈摺にはまだ手を出していません。次回巡礼の機会があればやりたいと思います。

・三十三番札所 華厳寺のおいづる堂
 ここには、納経帳や金剛杖の他、この笈摺を奉納する「おいづる堂」があり、多数納められています。
「納めちゃったら持って帰れないやないの!」
と、ほとんどの方が思われるに違いない。
私も、初めて華厳寺を訪れ、このおいずる堂を見たときにはそう思った。
 どうしたらいいかは、番外札所の花山院さんのホームページに記載されていた。簡単に書くと以下のとおりである。
 まず、2着分の笈摺を購入し、1着は山門から着用する。もう一着は朱印用のみ。
2着ともに朱印してもらい。着用し続けた1着をおいずる堂に奉納し、朱印用のみの1着を持って帰り、大事に保管する。といったものでした。