早春の少年-伊集院大介の誕生

栗本薫の生み出した名探偵「伊集院大介」の少年時代を描いたミステリー。
さすがに並の少年ではないのだが、14歳という年齢故に認められない天才の苦悩とあせり。
ミステリーとしてはもちろん、青春小説としても一級品。



逆説の日本史シリーズ

井沢元彦が「言霊」と「怨霊信仰」をキーワードに日本の歴史をひもとくシリーズ。
独自の歴史観に基づき、展開される歴史論は,教科書等からは学ぶことのできない歴史上の人物の実像を浮かび上がらせている。
あくまで、井沢氏の論であり、100%正しいとは言えないだろうが、一読の価値はあり。


上弦の月を喰べる獅子

何でこんな小説が書けるんでしょうね・・・
文章によって編まれた曼陀羅とでもいうのでしょうか?
「悟り」とは?「仏」とは?「人」とは? といったことを一度でも考えたことのある人は必読です。
もちろんそれ以外の人にもおすすめします。(単純に小説として読んでも,もちろん面白いので)


陰陽師-生成り姫

最近妙に安倍晴明がブームのようですが、そのきっかけは夢枕漠氏のこのシリーズではないでしょうか?
NHKでもドラマ化されたのでご存知の方も多いと思います。
夢枕氏の描く晴明は、非常に透明感のある存在で、古の陰陽師とはかくあるものだったのかということを強く感じさせられます。この生成り姫はシリーズ初(多分?)の長編ですが、非常に読み応えのある作品に仕上がっており、姫と博雅(晴明の友人)の悲しみが胸を打ちます。
※妙に読書期間が長いですが、これは本を自宅に置いたまま旅行に行ってしまったせいです。(^^;)
 一気に読めば、2〜3時間で読める分量です。


寒河江伝説

近未来を舞台にしたSF小説。
荒廃した東京、ユートピアを築き上げた東北自治区、謎を解く鍵はコスタリカの大石球と非常に魅力的な設定なのですが、短すぎます。
ちょっと消化不良だと感じました。大長編にすべき内容だと思うのですが…

神々の山嶺

分類としては山岳小説又は冒険小説となるのでしょうか。
登山とは全く無縁の生活を送っている私ですが、山に全てを捧げる男の生き様に憧れを感じました。非常に読み応えのある一冊です。

アナザヘブン

一見、SFテイストを散りばめたホラー小説といった感じですが、ラストまで読むと実は純愛小説だったという…
あまり期待せずに読み始めたのですが、最後は結構感動しました。

ハンニバル

「羊たちの沈黙」の続編ですね。前作は映画を見ただけで、原作は読んでません。で、本作ですが、それなりに面白いのですが、いまいち感情移入できないという感じでしょうか?(まあ、レクター博士に感情移入できたら危ないですけど)特にラストは私としては納得いかない終わり方でした。

剣客商売 辻斬り

久しぶりに時代小説を読んでみました。60がらみの好々爺然としたご隠居さんが実は剣の達人で、様々な事件を解決していきます。これぞ時代小説の面白さといったところでしょうか?最近TV化もされたみたいですね。(見てませんけど)

ファントム・レディ(高飛びレイク 番外篇2)

超寡作作家 火浦功氏の作品です。まともに終わったシリーズが一つも無いことで有名な火浦氏ですが、このシリーズも本編が1冊しかないのに、番外篇が2冊あり、当然終わっていないという・・・
まあ、火浦氏の某シリーズは2巻が出てから3巻が出るまで14年のブランクがあったという前例もあることですし、もしかしたらこのシリーズも忘れた頃に次が出るかもしれません。
で、本作品ですが初期の作品ということもあり、後年完成される独特の火浦節とでも言えるような作風はまだ完成されていませんが、随所にその萌芽は感じられます。正統派のようでちょっと違うような・・・というスペースオペラです。
3編からなる短編集ですが、特に3編目の「昏い横顔の天使」は後年の火浦氏の大傑作「死に急ぐ奴らの街」の原型を見るようなハードボイルドの佳作になっています。

忍び寄る牙

警察署長ジェッシィ・ストーンシリーズの2作目です。いやあ、面白くなってきました。ロバート・B・パーカーといえばやはりスペンサーシリーズですが、このシリーズもスペンサーシリーズに負けない代表作になるような予感がします。1作目ではまだ主人公のジェッシィ・ストーンに慣れないせいもあっていまいちSTORYに入り込めなかったのですが、本作では主人公の魅力全開です。スペンサーとはまた違った男の生き様を感じさせます。次回作が楽しみなシリーズがまた増えました。

談志百選

立川談志師匠が芸人と認めた100人について書き綴ったエッセイ(談志師匠の文にエッセイという響きは似合いませんが)です。
講談師や浪曲師のように私が全然知らない人について書かれたものも多いので、正直良くわからない部分もあったのですが、「芸」というものに対する師匠の「愛」は十分に感じることができました。
特に嬉しかったのは、私の大好きな作家であった故景山民夫氏を芸人として作家として非常に高く評価されていたことです。(ご存じでない方も多いでしょうが、景山氏は「立川八王子」という落語家としての一面もありました。残念ながら氏の演じる落語を聞く機会は無く、文章で読んだだけですが・・・・)
その他、ビートたけし氏やダウンタウン、爆笑問題といった最近の芸人さんについても書かれていますので、「芸」というものに興味のある方はご一読されてみてはいかがでしょう?

ゲーム 小説とう小平秘録

香港返還に伴う中国とイギリスの交渉経緯をドキュメンタリータッチで描いた作品です。
明石散人氏は独自の着想と膨大な情報から歴史や世界の真実を読み解いていくという作品を多く世に出されていますが、本作品も中国とイギリスの外交交渉の裏面を緊迫感あふれる文章で描き出しています。
小説として書かれているのですが、「これが史実なんだ」と思わされる説得力があります。
※タイトルに「とう小平」と書いてますが、勿論出版されているものは「とう」は漢字になってます。が、ブラウザでは正常に表示されないので、仕方なく「かな」で表記してます。

悪党

準備中

沈黙

準備中

ウイークエンド・ひーろー<放課後の英雄>

準備中

トリガーマン

必殺仕事人です。宇宙開拓時代を舞台に晴らせぬ恨みを代わって晴らしてくれる始末屋稼業のトリガーマン。火浦ワールド全開といったところでしょうか。笑えます。おすすめです。惜しむらくは、このシリーズも2巻の出る気配が全く無いところでしょうか(^^;)

牙鳴り

格闘小説です。こういうの好きなんですよね。血湧き肉踊るという感じでしょうか?実は30の手習いで空手をやってるんです(当然、白帯)が、こういう小説を読んだ後は血が騒ぎます。もう少し若いときから空手をはじめとけば・・・と思いますね。30超えてはじめると体力的にきついです。

近藤勇白書

幕末には坂本龍馬をはじめとして新たな時代を築き上げた英雄が多くいるのですが、最後まで徳川という古い時代を守ることにこだわり続け,結局破れていった新選組に何故か昔から惹かれました。歴史の上では結果的に敗者となってしまいましたが、最後まで自分たちの生き方を貫いた生き様に憧れを感じます。本書の主人公である近藤勇は元々は多摩の農民で、田舎道場の道場主でしかなかったのですが,幕末という時代の大きなうねりの中で新選組の局長として最後には大名と同格の身分にまで登りつめ,そして敗れ去っていきます。新選組のために明治維新は10年は遅れたと言われますが、やはり時代が生んだ一人の英雄ではあったと思います。

三度目の正直 玉子魔人

「玉子魔人シリーズ」と銘打った高橋克彦氏のエッセイ集の3冊目になります。高橋氏の小説の面白さは今更言うまでもありませんが、エッセイの方もおすすめです。特に氏が読まれた本について書かれた書評がいいですね。作者と作品に対する愛情がにじみ出ていて、思わず読んでみたいという気にさせられます。

新釈落語咄

談志師匠が古典落語の名作を独自の切り口で解説してくれます。更に、落語の内容を皮切りに現代の世相を斬るという風に話が発展していき、面白く読み進むことができました。落語にあまり興味が無いという人でも楽しめると思います。

歴史謎物語 隠された真相を推理する

「逆説の日本史」の原型といえる、歴史の謎に挑んだ作品集です。井沢史観への入門書としていかがでしょう?

新選組血風録

新選組の小説といえば、近藤勇,土方歳三、沖田総司あたりを中心に据えたものが殆どですが、この連作集は彼ら以外のあまり名も知られていないような平隊士たちの様々な生き様を描いており、非常に新鮮に読み進むことができました。勿論、近藤、土方、沖田が主役の話もそれぞれ入っており、特に沖田総司の「菊一文字」に関するエピソードには心打たれるものがありました。

99%のトラブル(高飛びレイク 番外篇1)

準備中

宮澤賢治全集 第八巻 童話(1)本文編

久しぶりに賢治の童話を読みました。小学5〜6年生の頃に賢治の童話にはまって,読み漁っていた時期があったのですが、その後ずっと遠ざかっていました。ほぼ20年ぶりくらいに読んだのですが、今読んでも全く色あせていないですね。賢治独特の世界にすぐに引き込まれてしまいました。初めて読む話もかなり含まれていたのですが、原稿紛失や欠損のためで一部欠けているものが多いのが残念でした。お気に入りの話は「カイロ団長」ですかね。この話は子供の頃も大好きで、ウィスキーを飲んで酔っぱらってしまうカエルたちが何ともユーモラスで愛らしさを感じます。他には「貝の火」も印象深い話ですね。賢治の童話はハッピーエンドとならないものも多く,色々考えさせられました。

続巷説百物語

いや、とにかく面白かった。読み応え十分です。氏の代表作である京極堂シリーズにも共通して言えるのですが、「妖怪」というものの本質をこれほどまでに鮮やかに描ききった小説はこれまでに無かったのではないでしょうか?文句無しにおすすめの作品です。
※誤解のないように書いておきますが、氏の作品には、いわゆる漫画チックで荒唐無稽な「化け物」として形を持った「妖怪」が出てくるわけではありません。人の思いや憎しみや悲しみの感情、過去の因縁、時代背景といったものが複雑に絡み合って最終的に「妖怪」という概念として結実していくというものです。私の拙い文章力ではうまく表現できないのがもどかしいのですが・・・とにかく一度読んでみてください。

アキハバラ

秋葉原を舞台にしたノンストップアクション&パニック小説(パーツ屋の親父とかPCショップの店員とかが大活躍!)で、ラジオ会館からLAOXまでお馴染みの店名がたくさんでてきます。
ちょうど私が横浜に住んでて、よく行ってた頃の秋葉原が舞台になっており、思わず懐かしくなってしまいました。

バトルロワイアル

非常に完成度の高い小説だと思います。中学生の殺し合いという内容は確かに過激かもしれませんが、決して暴力や殺人を肯定するような内容ではありません。賛否両論あるようですが、自分としては面白かったし、感動もしました。

ぼっけえ、きょうてえ

日本ホラー小説大賞受賞作です。確かに怖い。スプラッタ的な怖さではなく、心の奥底に響いてくる怖さがあります。
正直言って、この手のやつはちょっと苦手です。

俺に撃たせろ

私立探偵アルツ・ハマーを主人公にしたハードボイルド?小説。主人公は既に伝説的な存在だが、まだ現役の探偵。
ただ、異常に忘れっぽいのが玉にキズという、いかにも火浦功氏らしい設定で、相変わらずギャグも冴えています。
が、ギャグのオブラートに包まれてはいるものの、根底に流れているのはあくまでハードボイルドです。
ギャグの部分を抜きに考えると、結構ハードボイルドの王道的展開で、思わずニヤリとさせられます。

ファイナル・セーラー・クエスト完全版

なぜか町全体が地下ダンジョン内に存在するという世田谷区神宮寺の高校に転校してきた超方向音痴の少女が巻き起こす大騒動。
はっきりいって、30過ぎの男が読むような小説ではないのですが、火浦功氏の作品というだけで、つい買ってしまいます。
やっぱり氏の作品は面白い!

ガンマンの伝説

ロバート・B・パーカー初の本格西部劇。しかも主人公がワイアットアープときては、もう読むしかないでしょう。
パーカーの描くアープは、スペンサー、ホーク、ジェッシイ・ストーンといったこれまでの小説の登場人物達と同様に「男」として行動することへの拘りとそれを貫き通す強い意志があります。
正にハードボイルドの真髄がここにあると言えるのではないでしょうか?


以下 準備中


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