好きな作家のこと
・高橋克彦
最初に読んだのは江戸川乱歩賞受賞作である「写楽殺人事件」でした。
謎の浮世絵師写楽の正体に迫る力作で、そのストーリー展開と圧倒的な説得力に完全に魅了されました。
その後、浮世絵ミステリーシリーズは「北斎殺人事件」、「広重殺人事件」と続いていくのですが、どれも傑作です。
また高橋氏は「炎立つ」や「時宗」に代表されるように歴史小説も多く書かれています。
歴史小説を読んで、感動の涙を流したのは高橋氏の小説が初めてでした。大河ドラマの原作となった先の２作品以外にも「火城」、「火怨―北の燿星アテルイ」等、読み応えのある作品が目白押しです。
また、直木賞を受賞した「緋い記憶」に代表されるホラー小説も見逃せません。氏の描くホラーは心の琴線を震わせる怖さと、儚い美しさが同居した独自の世界を築き上げています。
そして忘れてはならないのが、伝奇小説です。
最初は浮世絵ミステリーのイメージが強かったので、そのシリーズばかり読んでいたのですが、ある日偶然手に取った「総門谷」を読んだときは本当に衝撃でした。
以前からオーパーツとか世界の七不思議といったことに興味はあったのですが、正にその謎の核心に迫っていく脅威のストーリーに驚き、感動しました。
そしてついに「竜の柩」「新・竜の柩」に出会います。これは私が今まで読んできた小説の中でも間違いなくベスト１です。小説を読んでいて、これほどまでに知的興奮を味わったことはありませんでした。
「竜とは何なのか？」「何故、西洋では悪魔で、東洋では聖なる存在なのか？」と、竜の謎を追っていくうちに、世界文明の謎までも解き明かされていきます。
一度でもオーパーツや七不思議といったことに興味を覚えたことのあるかたは是非読んでみてください。
とにかく凄い作家だと思います。歴史小説、ミステリー、ホラー、伝奇小説、時代小説等々、様々なジャンルの作品を書きながら、そのどれもが本当に楽しめ、正に小説を読む醍醐味を味わわせてくれるものばかりです。
これからも次々と傑作を世に送り出してくれることでしょう。
以下準備中
・栗本 薫
・火浦 功
・夢枕 獏
・ロバート・Ｂ・パーカー
・景山民夫
・高田文夫
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