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バイスキー・チャレンジ

遊び納めがこれ!?編


スキーへの熱い想い

 毎年Rayは大学の後輩たちとスキーに行く。とは言ってもいつもは子供用の ソリに乗り、腕をストック代わりにして、曲がったり止まったりしてスキーごっこを するだけなのだ。それでもジャンプ台を作ってもらい調子にのりすぎて着地に 失敗、鼻血で白い雪を真っ赤に染めたこともあるほど(爆笑)、ハードな滑り方を しているのだが、やっぱりスキーをやりたい。でも金が・・・。講習を受けるためには、 1回3〜4万かかるらしいし、就職(?)してからか。と思っていた1999年の夏、 障害者の生活情報雑誌『 WE'LL』で ファクトリースマイルスポーツカレッジでのチェアスキー・バイスキー体験の モニターを募集しているのではないか!! 応募条件は首に衝撃を受けても 大丈夫な人で越後湯沢に自費で行ける人。よっしゃー、講習費がタダなら 交通費出して一人で新幹線に乗ってもいくんじゃー(爆笑)。すぐさま応募。 みごとに当選。でも来年に持ち込むとなると修士論文に余計に集中できないし、 就職活動や家庭の事情も考えると年内だろーな。とするとこれが 論文を書き終えるまでの遊び納めかい。というわけで、1999年12月 20日、スキーヤーRayになりたくて、1人越後湯沢行を決行したのである(笑)。


絶好のスキー日和

 予約した新幹線に乗り遅れないように、いつもは就寝につく頃(笑)の朝5時につくばの自宅を出発、始発電車の1番後ろの車両に電動車椅子ごと乗り込み、 上野駅まで。そこから7時24分発の上越新幹線に乗り換え越後湯沢まで行く。 上越新幹線に乗るのは初めてだったが、フォームと車両との段差は電動車椅子で 乗り越えられた。着いた時に連絡してもらっているはずの駅員さんがいなくて、 エレベータが見つからなくて右往左往(笑)。寒いのにな、ったく。しかたなく フォームにある駅長事務室に駆け寄った。「内勤の駅員が忘れたそうです。で 迎えの人はいないんですか」と聞かれていると、後ろから若い男の人が走って 近寄って来た。「小林さんですか」「はい」。ファクトリースマイルスポーツカレッジの スタッフの方だった。越後湯沢駅まで迎えに来るとは聞いていたが、まさか フォームまで来てくれるとは‥‥。フォームの下に行くと ファクトリースマイルスポーツカレッジの代表の加藤さんも! 驚いたっす。
 行った日は寒波が来ていて、凍結防止のため駅の線路に水がいつもより すごい勢いで撒かれていると迎えに来たダッシュさんが驚くほど寒かった。 しかし空は雲1つないいい天気。「昨日は最悪だったし、明日から崩れるらしいから 、いい時に来たね」。スキーの時はだいたい天気に恵まれるんですよ、 日ごろの行いが悪い割には(爆笑)。


クマのかぶりもので大ウケ

 加藤さんが「やっと買った」と喜んでいたリフトシート車で、ファクトリースマイルスポーツカレッジの 事務所のあるリゾートマンションへ向かった。マンションに着くと2人の女の人が 出てきた。ばらさんともっちさん、そしてダッシュさんが、私がその日にスキーの 指導や介助をしてくれるという。ばらさんともっちさんが早速持参した スキーウェアへの着替えを手伝ってくれた。
 その時である。2人が「これなーに?」と頭の 防寒具を取り出して笑い出した。その防寒具とは、何年か前東京 ディズニーランドで買ったクマのかぶりもの(笑)。後輩にレベルを合わせて(?) ジョークで買ったんすが、これをかぶっていると真冬の夜のディズニーランドでも 結構あったかいんすよ、これが。それじゃー吹雪く時もあるスキー場でも イケるかもしんない。非日常的な場所だし、半分ウケねらいで、それからは スキーに行く必須アイテムになったのだ(笑)。「俺にもかぶらせろー」と 加藤さんが、暴走してRay持参の撮りっきりカメラでその自分の姿を自分で 撮った(爆笑)。「これでもここの校長なのよ」と呆れるばらさん(笑)。 とにかくつかみはOKらしい、って何がじゃー(爆笑)。


写真1-1 クマをかぶった加藤さんのどアップ 写真1-2 もっちさん(右)とクマをかぶったRay

スキーブーツの中の足になっちまった(笑)

 着替えが終わって誓約書を書いた後、車で田代スキー場へ移動。 駐車場からはロープウェーで山頂へ行くことになるが、ロープウェーの運転が 20分間隔で待つことに。長いんだなー、これが。その間にリフトの1日券を 障害者割引で2000円で買い、土産物屋を覗いた。ここは越後だ、やっぱ酒だろー、 何ワインもあるのかー、と顔に書いてしまったらしく、もっちさんにのんべーだと バレてやがんの、ったく(爆笑)。
写真1-3 準備完了。もっちさん(左後ろ)とダッシュさん
(右後ろ)と、バイスキーに乗ったRay。  ロープウェーから降りてゲレンデに着いてやっと滑れると思いきや、 バイスキーの組み立てと私の体に固定する作業にとりかかる3人。 ご苦労様っす。Rayの体に合わせ幾重にもベルトをしてバイスキーに固定する。 まるで全身がスキーブーツで固定された足になったよう(爆笑)。その間、ダッシュさんが「昼どこで何を食べる?」ときいてきた。 「カレーもあるし、カツカレーもあるし、とんかつ定食もあるし。ラーメンも うどんもあるけど、・・・」。うわぁ腹の虫が泣き響くー。ラーメンじゃ物足りなすぎる。 でも定食の気分じゃないし、ともうメニューが決まってしまった(爆笑)。

写真1-4 正面から見た
バイスキーに乗ったRay

うわぁ滑っているぞ

写真1-5 リフトの上で。ダッシュさん(左)とRay バイスキーは、イスに1本の板がついているチェアスキーとは違い、スプリングの きいた2本の板で支えられていて、傾斜でバイスキー自体が傾いても、どちらかの 板がへこみ、イスに座っている本人の体には負担がない仕組みになっている。 今回は前以て腕の力があまりないと言っておいたので、ストックを持たずに チャレンジ。その代わりに、自転車の補助輪のような補助スキー板をつけてくれた。 これで安定性は抜群。スピード調節とブレーキは指導者のダッシュさんが後ろについて、ヒモをもってやってくれた。あとは首を左右に傾けて方向を決める。首を左にゆっくり傾ける(かしげるようにする)とバイスキーが左に曲がり、首を右にゆっくり傾けるとバイスキーは右に曲がるのだ。しかし脳性麻痺独特の緊張のため、どうも「ゆっくり」首を傾けるのが難しく、ジクザクと曲がってしまう。たぶん補助スキー板がなかったら、鼻血どころじゃなかったなー(爆笑)。

写真1-6 滑っている時のRayの後ろ姿。左に首を傾けて曲がるところ。 ダッシュさん「そうそうゆっくりと。」
ダッシュさん「いーーち、にーー。いーーち、にーー。」写真1-7 おおー、滑ってるじゃん

 それでも掛け声を掛けてもらってやっとゆっくり首を傾けることができるようになった。滑ってるぞ、すげー。それに慣れたら次はわざとコブのあるところに行ったり、新雪に埋もれたり。

遠く遠く遠くまで 君と 青い空 白い雪にとけそうな国

(『Fly Away』より 作詞;松本一起・前田たかひろ)

小野正利さんが歌っていたこの歌のように、まさに 飛んでどこかに行っちゃうような感覚っていうのか。 スピード感も十分あったが、リフトに乗れるためソリとは滑る距離が違う。風切って滑っている時間が長くていい気持ちだった。でもなんか物足りないよーな気も・・・。

ダッシュさん「言うこときかなかったら、ココにおいて行くぞ」。
Ray「そんな〜(爆笑)」。
写真1-8 木の下で雪にうもれて
写真1-9 わざと新雪に
うもれて雪を食べているRay ダッシュさん「雪くってみー」。
Ray「うっ、つめてー」。

もう終わりなのー

  昼食はやっぱスキー場といえばカツカレーでしょ、と洗脳されたように 頼んでしまった(爆笑)。自分で食べられないので食べさせてもらう。朝食が 4時半だったし、スポーツ?の後なので、ペロリと平らげた。ほんとは少し 足りなかったが、スキー場の物価って高いし、これから動くから我慢我慢と(笑)。
写真1-11 自画自賛、今回のベストショット(爆笑)  ところが帰りの新幹線が17時7分なので、計算するとあと2回リフトに乗って 滑ると帰らなくてはならなくなったという。うっそーー、18時代の新幹線にすれば よかったなー。こういう時のリフトに乗っている時間って長く感じるんだよな。


写真1-11 雄大な山々をバックにスキー

 しかしもっとやりたいなと思うと同時に、ある欲望がはっきりわかったんす。 そして帰りのロープウェーで言ってしまったんす。「これで自分でスピードを 調節したり止まったりできたら最高ですね」。そうなんす、ソリの時はできて、 今回のバイスキーではできなかったことなんす。しかも無傷のまま帰るなんて (爆笑)。するとダッシュさんが腕力や手の緊張の度合いを調べてくれて、 「うーんストックを持てるギリギリかな。やってみないとわかんないけど」と言って くれたんす。「これで次の目標ができたね」とばらさんが、「今度は飲もうね」(爆笑)と もっちさんが言うんすよ。これが遊び納めと自分に言い聞かせやって来たという のに、すっかり今シーズン中に来るようなことになってしまった(笑)。

写真1-12 ロープウェーの中で、ばらさん(左)ともっちさん(右)と肩を組んで。
ばらさん、
もっちさん、
ダッシュさん
本当にありがとうございました。
写真1-13 ロープウェーの中で、Vサインするダッシュさん(左)とガッツポーズをするRay。

 今シーズン中はちょっと無理だけど、来シーズン卒業旅行はバイスキー三昧も いいな(笑)と、すっかりバイスキーのとりことになってしまいました。 さあ、論文を書いて就職活動をしながら、お金を貯めて筋力トレーニングに 励もうっと(爆笑)。


Special thanks to Factory Smile Sports College's stuff
and to all people for having given me this opportunity.


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