手賀沼の水質調査と酸化チタン光触媒による水質浄化への挑戦
1.研究目的
千葉県立柏中央高等学校(本校)から近い、手賀沼の水質調査により、汚濁の原因を解明し、酸化チタン光触媒により水質を浄化する研究をしています。
2.研究の背景
県の調査によると、測定地点の手賀沼中央では、平成17年度はCOD平均値は8.2mg/L(環境省によるとワースト6位)、平成16年度はCOD平均値は8.9mg/L(環境省によるとワースト4位)、平成15年度はCOD平均値は8.4mg/L(環境省によるとワースト6位)でした。
環境庁(現:環境省)が昭和44年(1969)から全国の湖沼の水質(COD)のデータをまとめるようになってから、ワースト1の記録を更新し続けていました。以前は夏アオコが発生し、悪臭がして大変でした。下水道の整備や水質浄化の試験研究などの対策が行われました。特に、北千葉導水事業が完成し、平成12年(2000)より本格的運用が開始されました。北千葉導水路により利根川の水が注水されるようになり、ようやく汚名を返上することができるようになりました。
利根川の水を導水していることが水質向上につながっていると考えられます。しかし、生活環境の保全に関する環境基準値(湖沼類型BではCODは5mg/L以下)をまだ上回っています。
3.COD平均値(県調査:測定地点は手賀沼中央)の推移

4.平成15年度の調査結果
現在の手賀沼の状態を把握するために、最も汚染の状態が顕著に出やすい8月を選んで採水し、水質調査を行いました。
採水日:平成15年8月3日(日)晴天
調査地点:17ヶ所(別紙 地図参照)

調査項目:pH(水素イオン濃度)、DO(溶存酸素)、COND(電導度)、COD(化学的酸素消費量)、アンモニア性窒素、リン酸イオン、透明度
測定結果:


考察:
(1)大津川のNH4−Nやリン酸イオン、CONDなどが高く、大堀川でもCONDなどが特に高く、特にリン酸イオンは飛びぬけて高い。川から生活排水などの汚水が入ってきていて、河口付近にはヘドロがたまりやすいことがわかった。水質改善のためにはヘドロの浚渫も大事だが、さらなる川の浄化が必要であるといえる。だが、川は流れているため透明度は高かった。
(2)ビオトープの入口と出口とを比べると、CODやリン酸イオンが50%ほど除去されきれいになり、植物が浄化に有効であることが改めてわかった。しかしハスの群生地ではCODなどは低いが、流れがないためDOが低く淀んでしまっている。きれいな水にするにはCODなどを除くほか、流れが必要不可欠である。また透明度が低いから汚れている水とは一概には言えない。
(3)手賀沼公園にはホテイアオイが植栽されていたり、アオコの分離装置があるが、沼と人との距離が近い場所なので汚れやすく、CODが大変高くなっている。人が汚さずに自然を楽しんだり、触れたりすることは難しい。
(4)平成13年度に報告されたCODは年間平均11ppmだが、調査した場所によっては20ppmを超える場所もあり、浄化にはまだまだ長い道のりが必要である。
柏中央高校 化学部