近鉄北勢線は2003年(平成15年)3月31日をもって廃止されることになりました。特殊な路線が災いして近代化が遅れてしまい、スピードアップは程遠く、20.4kmの距離を約55分もかけて走っています。これは平行して走っているバスよりも遅く、マイカーが普及した現代では、朝夕の通勤通学にしか利用しない路線となっているからです。 この状況から、近鉄は2001年(平成13年)12月に廃止届を国に提出し、廃止へのカウントダウンが始まりました。この間に住民はなんとか存続されるように、近鉄や地元自治体、三重県に陳情を行なってきました。 その結果、自治体と県が近鉄から施設を買い取り、運行は地元の鉄道会社の三岐鉄道が行なうという格好で存続することが正式に決まりました。 北勢電鉄によって1914年(大正3年)4月に開業して89年あまり。北勢線は既存の鉄道会社に路線が譲渡されて存続するという日本初の出来事で、4月1日以降も走りつづけることになりました。 |