名鉄小牧線は名古屋市と春日井・小牧・犬山の各市を結ぶ路線で、上飯田から犬山まで20.4kmの路線です。 名古屋側のターミナル駅の上飯田は、約30年前に名古屋市電が廃止されてから他の路線と連絡されておらず、ここから都心に向かうためにはバスに乗り換えるか、地下鉄平安通駅まで約1km歩かなければなりません。この不便さが故に、小牧線沿線は名古屋市の近郊を走るにも関わらず、他線と比べてあまり発展しておらず、都心への乗り入れは沿線自治体の悲願でもありました。 そこで、愛知県や名古屋市などの自治体や名古屋鉄道などの民間企業が出資した"上飯田連絡線"という会社が設立され、小牧線の都心乗り入れが計画されました。上飯田付近には2つの大きな川が流れており、かつ上飯田が高架駅のために従来の路線を延長することが難しいため、1つ手前の味鋺(あじま)から地下に潜る3.1kmの新線が建設されることになりました。 連絡線は当初の予定より遅れていましたが、ようやく3月27日に開業します。開業によって、並行して走っている上飯田〜味鋺間の地上区間は廃止されます。 連絡線の開業と同時にダイヤ改正が行なわれ、名鉄では300系と呼ばれるステンレスボディーの新型車両を導入し、小牧線でワンマン運転を開始します。その影響で3300系が引退することが決まっています。 3300系とは、旧型車両の足回りを流用して車体だけ新製した車両で1988年(昭和62年)に登場しました。名鉄では珍しい3両編成の車両で、小牧線や広美線を中心に活躍していました。 サヨナラ運転は3月の土・休日を中心に運行され、上飯田の地上線と共に最後の雄姿を見ることができます。 |