(2002/6/4(火)追加、2007/7/19(木)加筆)
磨耗したドライブタンブラー | ドライブタンブラーの磨耗状況(拡大画像) |
溶接肉盛り修理後のドライブタンブラー | 溶接肉盛り修理後(拡大) |
クローラクレーンは、キャタピラにより移動する移動式クレーンの一種であり、一般的にはブームがラチスパイプで構成された、ジブクレーンが多いと思われます。
(※ブームが箱型の入れ子状で、伸縮式になっている機種もある)
ただしクローラクレーンの足回りは、(油圧ショベルのように)巨大な自転車のチェーン状の部品(当社では「トラックリンク」と呼んでいる)に、滑り止めの形状になっている鉄板「シュー」を、1枚1枚ボルト止めしているものではありません。
具体的にはクローラクレーンの場合、シュー(キャラピラを構成する一枚一枚の板)自体を1枚ずつ、鉄製のピンで数珠繋ぎに連結していくようになっています。
また、シューの1枚1枚の内側に突起があり、それがドライブタンブラー(油圧モーターにより回転する)のくぼみに引っ掛かることで、駆動力を地面に伝えて移動します。
そのため、長期間の機械の使用において、ドライブタンブラーのシューと接触する部分が、必然的に磨耗することになります。
(もちろん、シュー側の突起なども同時に磨耗する)
この事例では、油圧ショベルのスプロケットの場合と同じく、溶接して肉盛りし、磨耗部を修正しています。
かなり昔には、シュー側の突起も1つづつ肉盛り溶接して、磨耗を補修していたそうです。
しかし現在では、このような溶接肉盛り修理の依頼自体が、非常に少なくなっているとのことです。