2011.08.01 (月)
今年も富士山に登ってきました!
昨年は家内と共に
結婚40周年を記念?して富士山に初めて登りましたが、今年もまた富士山初挑戦の
友人3人と一緒に登ってきました。
お一人は来年
喜寿(77才)を迎える人生の大先輩ですが、しかも
初めての登山にも関わらず元気いっぱいでした。
富士登山については各旅行会社からいろんなコースが企画されていますが、今回も昨年と同じコースにしました。
名前も
「ゆったり富士登山とお鉢めぐり3日間」という
クラブツーリズム社企画のコースで、七合目と八合目の山小屋に2泊もする本当にゆったりコースで特に我々のようなシニア年齢にはピッタリなコースです。
それでもちょっとでも油断すると
高山病にかかってしまうところが富士登山の怖いところです。
毎年何人かはそのために命を落としている方もいるということです。
8月1日(月)
梅田を
7:30に出発して一路
名神→東名高速道路を経由して
富士山を目指しました!
途中
浜名湖SAで昼食を取り、一気に
スバルラインを経由して
17時前に
富士吉田登山口の五合目(2,300m)に到着しました。
五合目には宿泊を兼ねた大きな土産物屋さんも何件か散在していて、その中の
「雲上閣」というところの部屋を借りて登山用の服装に着替えました。
特に下山後に入浴するときの着替えなどはバスの中に置いておけるので少しでも身軽になれました。
ここで少し早いですが夕食も食べることになりました。
17時半過ぎに一行は再集合していよいよ登山開始となりました。
ここでこれから3日間にわたってガイドを努めてくれる2名のガイドさんを紹介されました。
うち一人はまだ20才とかで、ガイドとして大丈夫かなと思ったが、なかなかしっ かりとしたガイドであることが後になって判りました。
大阪からバスの添乗員として付き添ってくれることになった人は偶然にもなんと
去年と同じ女性の方でした。
去年も良く頑張ってくれたので今回の登山も一安心という感じで登り始める事が出来ました。
ここから頂上まで
約1,500mを登る
高地登山の開始です。
富士登山道に入ると最初の
約1キロほどはなにか変な感じですが緩やかな
下り坂が続いています。
それでも左側には綺麗な雲海を眼下に見ることが出来、高地を歩いている実感は十分です。
このあたりはまだ
クルマユリや
ヤマホタルブクロなどの高山植物が所々に散在して可憐な花を咲かせています。
登山というよりも高原ハイキングでも楽しんでいる感じの方が強いみたいでした。

約1キロほど下ったところに
「泉ケ滝」と呼ばれている小さな滝がありました。
標 識がなければ見逃してしまうほどの小さな滝です。
現在は
富士山は
休火山となっていますが、過去には噴火を繰り返していた山で、この滝の近くに当時の山頂部の
安山岩が見られるところから、最初の噴火で出来た
小御丘火山の山頂部分だったのではないかといわれているところです。
この滝あたりから徐々に上り坂に変わり、あたりもすっかり暗くなってきたので持参した
ヘッドランプを点灯し夜空に輝く満天の星空を見上げ、北斗七星などを探しながら約2時間ほど山道を登ります。すると七合目の山小屋の明かりが見えてきて、今日の宿泊先の
山小屋「花小屋」に辿り着きました。
すぐに宿泊部屋に案内されましたが、
一畳のスペースに2人が泊まるようになっていました。
昨年も同じ小屋に宿泊しましたので僕は特に驚くこともなかったが、初めての友人は噂には聞いていたが、やはり少し驚いた様子でした。
すでに敷かれている布団も少し湿っていてが一帯が湿度が高いところなのだからある程度仕方ないのかも知れません。

そんなことで悩んでいるよりも明日の朝の出発が早いので寝ることにしたが、ちょうど
午前0時少し前に急に山小屋全体が音を立てて揺れだしました。ほとんどの人が飛び起きた様子でした。
なんと
地震が発生し富士山が揺れたとのことだった。
あとで小屋の人に聞きに行ったら
静岡沖で震度5弱の地震がありその影響で揺れたらしいが、富士山が揺れるなんていうことは滅多に経験したことがないと小屋の人も言っていた。
珍しい経験をしたものだ。
8月2日(火) 
前日の夜は夜空には満天の星が輝いていたので、今朝はこの山小屋の前から
御来光が拝めそうだということで、
朝4時ごろに起床して日の出を待つことにしました。
4:30頃から東の空が徐々に赤くなり眼下の雲海が強い
ピンク色に輝きだしました。
その後もぐんぐんと明るさが増し、
4:50ついに
真っ赤な太陽が姿を現しました。 今日も素晴らしい御来光です!

眼下の雲海の中から姿を現したときは皆歓声を上げて、カメラのシャッターが続々と切られていった。
こちらも何枚かの素晴らしい
御来光写真が撮れました。
一緒に行った友人にもそれぞれ御来光をバックに記念写真をとってあげたが、後に現像したらなかなか素敵に撮れていて喜んでいただきました。
御来光を拝んだあと、小屋に戻り、ご飯とみそ汁等の簡単な朝食をとり、
6:00に山小屋を出発! いよいよ本格的な富士登山が始まりました。
最初の目的地は今日宿泊予定の
八合目にある山小屋
「太子舘」を目指します。
ここで
レインスーツや水、食料など登山に必要最小限のものをバックに詰めなおし、それ以外の荷物はこの山小屋に置いていけるということなので大助かりでした。
このあたりは
標高3,100mなのでそろそろ
高山病に気を付けなければならないところです。

この山小屋ではやはり
パック入りのかやくご飯とカロリーメイト一個を受け取っていよいよ山頂を目指す準備が出来たのだが、同じバスで来ていたグループの何名かはすでに軽い高山病の症状が出たこともあり大事をとってこの山小屋で待機することになりました。
山小屋を出発するとすぐに
険しい岩登りの登山道が続いているが、来年
喜寿を迎える友人は今日も元気いっぱいで先頭のグループに加わってどんどんと先に登って行かれるのでついていくのがやっとでした。
約2時間ほど厳しい登山道を登ると
本八合目の
山小屋「トモエ館」に到着してここで小休止。
小休止の後、さらに厳しい岩場や砂利道を登り切ると
九合目の赤鳥居前に到着しました。
ここまで来ると山頂部まであとわずかなのですが、ここから別名
胸突き八丁と呼ばれるほどの険しい登山道が前面に立ちふさがり、なかなか前にも進まないのですが、大勢の登山者が後ろに続いているので前進する以外に方法はありません。
12時ちょうどに
富士山頂にやっと
到着しました。
入り口には
「富士山頂上浅間大社奥宮」と彫られた大きな石碑が迎えてくれていました。
ややこしいのですがここは頂上ではあってもこの地点は
富士山最高峰の剣ケ峰の山頂ではないのです。
大先輩も勘違いしたのか頂上と思って思わず万歳してしまっています(笑)

実際の富士山頂はさらに60分以上歩かなければ到達しない遙か彼方にそびえ立っています。
かって
「気象測候所」があったところです。建物は残っていますが現在業務はしていません。
さらに
剣ケ峰の標高は3,776mですが、一段と低いこの地には国土地理院が測量した
3,778mと書かれた標識が埋め込まれていてさらにややこしいことになっています。
ここを通過して奥に進むと
浅間大社奥宮の赤い社殿が迎えてくれました。
この一帯は少し広い広場になっていて隣には
「富士頂上郵便局」が並んで建っていて、早速自宅から持参した
暑中見舞いハガキに
記念スタンプを押して投函しました。
もちろん日本で一番高いところにある
郵便局ということで登山客にも人気があり、大勢の人がたくさんのハガキを投函していました。
ただ実際に配達されるのはここから人力で下界まで降ろすので時間も必要で、配達日までは
4日程度かかるみたいです。
ここからいよいよ富士山最高峰の剣ケ峰を目指して進むことにしました。
お鉢の周囲を巡りながら登山道を進むのですが、富士山頂から覗けるお鉢は想像以上に底が深く、厳しい形相を呈していて、まさに地獄を見る感じです。
遠景から見る素晴らしい曲線の優雅な形などからは想像も出来ない姿でした。
60分程歩いていくと目前に剣ケ峰が近付いてきて、ここまで来ると山頂登頂の成功は間違いないのですが、最後の坂道は何とも厳しく設置されている柵を手で捕まえながらでないと下に滑ってしまいそうな急な坂道でした。
この急坂を登りきるとぜい
富士山最高峰剣ケ峰に到着です
早速僕らも順番待ちの列に並び
最高峰登頂記念写真をパチリ
!
昨年は撮影には約40分待ちだったのに今年は約10分程度で撮影場所に到達出来ましたがやはり外国人の登山者が減少したことも原因しているのかも知れないと添乗員の方は言っておられました。
ゆっくりと2時間ほどかけてお鉢巡りを堪能して、集合場所の九合目の
山小屋「江戸屋」に到着。
ここから今日の宿泊先の
八合目の「太子舘」まで登りルートとは別の下山専用の砂ばかりの下山道を歩いて下山開始です。
登りを張り切りすぎたため、少し膝を痛められた友人もガイドの肩を借りながら下山を開始。
途中急に霧から雨に変わり、ウェットスーツに着替えながらようやく無事に
17時頃八合目「太子館」に無事到着しました。
すでに夕食の用意も手際よく用意されていて、山小屋名物の
カレーライスもばっちり付いている食事を頂くことに。
食後は思いもかけず一緒に行った同行の友人から
美味いホットコーヒをごちそうになりながら一日の疲れを取った。
しばらく休憩ののち、明日の朝出発が
4時半と早いので早々に寝床に入る。
寝床と言っても、ここでも
一畳に2人分の寝袋が備えられていて、それを利用して寝るのだから寝返りを打つのも容易ではなく、なかなか窮屈で熟睡などは出来ません。
スペースの限られた場所での山小屋だということを理解できてしまえば全然違和感など無くなってしまうから不思議です。
8月3日(水)

朝4:00に起床!
昨日に引き続き今日も天気は良く、2日続けてを
御来光を拝める期待がありそうなので、
4:20頃に山小屋から朝食用の弁当をもらって下り下山道に向かって出発です。
すでに東の方向が赤くなり始めている。今日も素晴らしい御来光が期待できそう!
近くの見晴らしの良い広場に移動し、待っていると
4:40を過ぎるころに待望の太陽が真っ赤に燃えた姿を雲間から見せ始めた。
まさに
雲海の御来光だ。
しばらく御来光を眺めながら
5:00頃から五合目までの下山を開始しました。
登りと違って、
下山道は砂利道ばかりの連続なので、すぐに膝が痛くなるのを昨年の経験で判っていたので今年は
膝バンド持参していたので早速装着しました。
登りよりも下りの方が高山病にかかりやすいことは、昨年の下山時経験したので
大きく息をはくことと
ひざに余り負担をかけないように、さらに意識的に
水分も短時間に十分に取ることを心がけながら慎重に下山したので私達は何とか高山病患者にならなくて済んだみたいだ。
気圧の急速な変動がこんなに急激に自身の体力に影響がでてくるとに驚いたが実際に目の前にして納得した次第です。
約4時間かけ、周囲の景色などを眺めながら無事五合目の出発点まで降りてくることが出来ました。
今回初めて挑戦された方も
3,100mの八合目までは全員登ることが出来てよかったなーというのが実感です!
ここで3日間にわたって登山の案内を勤めてくれた
2名のガイドさんとお別れ。
今回はガイドさんが前後2名が付いてくれたが、一人は富士山を知りつくしている大ベテラン
桜井ガイドさん!しかもお鉢周りを20分程度で走りながらまわってしまうとも言っておられたから驚きです!
もう一人はまだ20才という若いガイドさんだったが途中具合の悪くなった人の荷物を軽々と持ってくれるまさに強力の
安井さん!
お二人とも
「太子館」所属のガイドさんということだったが絶妙のコンビで我々を安全に導いてくれた素晴らしい方たちさんだった。大感謝です!
もちろん添乗員の奥野さんも常に最後方で登山者の健康を見守りながらついてきたくれるなど万全の体制で取り組んでくれたのが全員無事に下山出来た原動力だったことは間違いないところだと思います。
富士五合目
雲上閣で大阪から乗ってきた同じバスに乗り込み、河口湖の麓にある
「富士緑の休暇村」に向かう。
山小屋では水がないので3日間は入浴は勿論歯磨きもできませんでした。
ここでゆっくりと温泉、入浴を楽しみ疲れを取って、美味い昼食をいただき友人と
ビー
ルで乾杯!バスは一路大阪へ。
日本一の富士山に昨年に引き続き、今年は友人と共に登山できた満足感は当分素晴らしい想い出として当分記憶から消え去ることはないだろう。
富士登山は老若男女関係なく、誰でも挑戦出来る素晴らしい山だが、十分な準備は絶対に欠かせことは言うまでもありません。
毎年30万人ほどが富士登山に訪れるが、今年はいろんな要素が影響してか登山客も少し減少気味といわれています。
でもとにかく日本一高い山に登るという醍醐味は挑戦したものしか味わうことが出来ないものだからこれからも富士登山ブームは続いていくことは間違いないと思う。
また山頂までたどり着けるのは毎年
7割程度といわれているほどです。
特に富士山登山にとって大切な心構えは登山技術よりも特に
体調管理が重要で絶対に過信とか油断は禁物というところです。
帰ってきたばかりだが、とうとう僕も来年は70才の古希を迎えます。
来年も富士山は体力が続けばまた挑戦してみたくなる僕にとっては不思議な魅力を持った山でした。