[七人の侍]
 緑陰クラブ有志による「人生卒業旅行」と銘打った新しい催しの第一回は南紀白浜の一泊旅行
 趣旨に賛同し集えるのは七人の侍。 「なんで旦那はんばっかしやの? おなごはんも居てはったらええのに」と嫁はんに云われて家を出てきたのはNISさん。 「現地調達でどないだす」と当意即妙のSAKさん。 名幹事はおっしゃることがちゃいまんなー。

 [内需拡大か]
 ゴールデンウィーク明けの5月6月(火)〜7日(水)なのでのんびりしていると思いきや、何処とも案外人出が多い。「皆さんおんなしことを考えてはるんやなー」と一本とられた感じ。 アベノミクスの効果がでてきたのかな。

 [粗大○○の分別]
 10時に新大阪を発った湯快リゾートバスは途中昼食のため黒潮市場に立寄り、14時に白浜のホテル千畳に着く。

あみだくじによる部屋割りではオーエイ(オーバーエイティ)・アラエイ(アラウンド エイティ)が3人部屋、 ダブルセブン(7のゾロ目)以下のヤング(?)が4人部屋。 天の配剤と云うべきか、見えざる手が見事に分別してくれている。

 [しばしのボイトレ]
 今宵は深更まで喋り合うことになるだろうからと先ずボイストレイニングのためカラオケ・ルームに入る。
他界したばかりのバタやんこと田端義夫を偲んで「かえり舟」「島育ち」をリクエストするのはTOKさん。

 「夢追い酒」の曲名がでてこず、「思い出酒」のキーの高さに四苦八苦するのはNISさん。 












SHIさんは、リクエストに応えて、津波が来るのを知らせるため採取したばかりの稲穂を燃やして避難させたという郷土の英雄・濱口梧陵の勇気を称えた「稲むらの火」を大熱唱。

 途中誰かが携帯電話を取り出して、同時刻に豊中のカラオケ店で歌っているだろう奥方に携帯電話を掛け、その元気な歌声が聞こえるように口元に近づけよった。 まさに大阪〜和歌山を結ぶ遠距離恋愛ならぬ遠距離カラオケを楽しんだ。奥方も突然のご主人の歌声にびっくりしたのではないかな。

最後はSAKさん。小林旭が元妻の美空ひばりが亡くなった時にステージで涙ながしながら絶唱した「惚れた女が死んだ夜は」を歌い出す。 なんでも現在心に宿る4人の女性(もちろん妻含む)が亡くなったときにこの歌を唄うんだとか。但し定員は五人なのであと一人を探索中とか。ちと贅沢すぎるのとちがいまっか。

 [岸壁に立つ]
 打ち寄せる波に50〜60mはあろう三段壁は毅然と立ち向かっている。紀伊水道を舞台に活躍したであろう熊野水軍の昔日の姿が浮かんでくる。 水平線を眺めていると地球が円いことが実感できる。




































 [千畳壁で身震い]
 風が強く千畳壁では、背を丸めて歩く。 17時40分が日の入りとホテルのフロントで聞いたので、それを待つ。強風にさらされ身体が冷えてくる。


































[早速のアウトソーシング]

 風の来ぬ木陰で見知らぬ淑女と親し気に話し始めたご仁がいらっしゃる。現地調達の実を早速挙げておられるのはは大したもの。
大阪から自家用車でやってきた一人旅で自分自身に褒美をあげるための旅の由。

 [落日の美]
 暮れてゆく夕陽は最後が美しい。
落日を呼び返したという平清盛の故事も判らぬ訳ではない。
「富士山のご来光もええもんやで」と経験豊かなMASさん。

かの麗人と肩を並べるシルエットを夕闇が包んでいた。この話に後日談があるのかどうか寡聞ににして存ぜぬ次第。まあええやんか、あんじょうお気張るりやす。

 [B級グルメのデイナー]
 多彩なメニューから支離滅裂な品揃えが始まる。
ポタジュスープ、握り寿司、八宝菜でメインコースをすませ、デザートはライチに桜餅と正に和洋華三種混合ワクチン。
 トイメンに一人で物静かに食事をする小粋なあねごが気になって仕方ないが声を掛ける勇気とて無い。この意気地なしA


















 [乙談の二次会]
 温泉で汗を流した後は二次会。ビール・ウイスキー・焼酎、泡盛での酒盛り。 Y談を超えた乙談で七人の侍が口角沫を飛ばしたが、何を喋ったかは翌朝には全て霧散していた。

 [勧め上手の寝言]
 眠りについたTOKさんが寝言でしきりに「呑め、呑め」と勧めている。 女性もこの手で口説いたのだろうか。これからは「ねごとのTOKさん」と呼ぼうかな。

 [白浜美術館の秘仏]
二日目は朝から観光。「どこにしょう」と七人が選んだのは阪田山バス停前の白浜美術館

 インド・チベットネパール等の上楽王仏の和合像ヒンドゥー教のシバ神・ガネーシャ神などの男神と女神の結合に目を凝らす。













[歓喜神社]のご神体
 美術館に隣接する阪田山祭祀遺跡は約1300年以上昔のもので、歓喜神社が在る。 ご神体は万物の根源 陰と陽の大理石で、男根・女陰のレリーフが岩座の中心に置かれている。 

ほと(女陰)に「ご縁あれかし」五円玉を「あなかしこ」と叫んで奉納したが奥へはお導きにならなかった。
















 [ひもろぎの跡]
 神の宿る所である神籬(ひもろぎ)には、神に供える米や餅などの胙(ひもろぎ)を置く台があった。太古の息吹を感じた。

 [おさすり石]

 売店の入口に置かれた陰陽の両物は心なしか女陰の方が艶っぽく光りかがやいていた。
注:これらの展示物は神聖な神社領域に設置されているもので、興味本位でなく真面目に拝礼する気持ちにさせるから不思議だ(笑)





 [浜辺をてくてく]
 白良浜海水浴場から円月島を眺める。強風で小さな砂粒が舞う浜辺を衝幹(つくもと)足湯から湯崎広場へと歩く。
ホテル千畳帰着で今回のウォーキングはおしまい。

















 
[留年決定の卒業式]

 「人生卒業」の筈だったが、全員不勉強で単位が足りず卒業は延期となった。 留年の結果として「人生卒業」は次回以降に託すことになった。

 [留年組に天の声]
 留年組の今後の在り方について「天の声」が下った。

 「教育と教養」が必要とのご宣託である。 つまり「教育」とは「今日行く所がある」であり、「教養」とは「今日用がある」ことである。

 心掛けよう、ご同輩。

書きびと知らず

毎週木曜日に服部緑地に集まり広大な敷地内をウォーキングしながら体力の衰えを予防している仲間の有志達も、全て70歳を超え、そろそろ人生の第四コーナーを歩き始めているのを日々実感している。いつかその日が来る前に、人生の卒業旅行でもしようかと気の合った仲間達七人で5月連休明けに白浜一泊旅行に出かけてきた。