<年頭挨拶>
今年はCielo創設20周年です

Cielo会長 川合 建

Cileo会員の皆様、新年明けましておめでとうございます。と言うのも憚れる建国記念日にこの原稿を書いています。今年は時間が全く取れずスキップしようとも考えましたが、トロントで活躍しているSony富田くんからの“楽しみにしている”との言を真に受け書いています(笑)。ということで今年は(も?)かなり支離滅裂な文章になりますがご勘弁下さい。

先ずは昨年行われたNUVOLA創設20周年記念企画、Live Green 2008(協賛:サントリー株式会社)に多くの御助力を頂き感謝申し上げます。私は非常に残念ながら出席できませんでしたが、短いVideo挨拶が好評だったと聞き安心しています(好評の理由が“短い”らしいですが…)。

さて今年に入り、と言うより昨年末から漠然と考えていることを徒然なるままに書きます。キーワードは景気・文化・生き方といったところでしょうか。景気については毎日嫌と言うほど耳にする「不景気」ですね。でも景と書くのだから気の問題だよなぁ…というのが結論です、終わり。というのは冗談ですが「世界のトヨタ」も連結業績予想が最終損益3500億円の赤字らしい。しかしサブプライムローン問題に端を発した世界金融危機だから、と言ってもナンボ何でも?と思います。風が吹けば桶屋が儲かるみたいな話です。いやいやマイケル・ミルトンが!とか金融技術の進歩により!とか言われてもダメです。感覚的にピンときません。だって危機前後の身の廻りで何か変わった?(経済に詳しい会員の誰か教えて下さい) しかし経済って経世済民の略のハズだけど済民になって(民の苦しみを救って)ませんね。で、民が苦しいのは貧困だからですが、貧困問題に取り組む私の友人を紹介します。湯浅誠くんといい、最近マスコミにも良く取り上げられているのでご存知の方もいるかも知れません。私の母校、小平二中の同級生です。彼の著書、反貧困―「すべり台社会」からの脱出(岩波新書)が第8回大次郎論壇賞を受賞したので興味のある方は読んで下さい。私も購入しましたが未読です。

更に徒然は続きます。先日、永田寿康 元衆議院議員が亡くなったニュースを知り、ふと調べてみると同学年でした。彼は慶應義塾志木高校出身ですから同級生になる可能性もあったのです(進学しませんでしたが受かってたので)。ちなみに彼と湯浅くんは大学の同級生です(と思う)。色んな人生があるなぁと思った次第です。話は逸れますが私の出身校小平二中の同窓生はスポーツ選手が多いです。2学年上に大林素子さん(バレー)がいましたし、栗山英樹氏(野球)も卒業生です。他にも森村昂太選手(サッカー)がそうらしいですが詳しく知りません。一方、文化人は川田龍平氏(参議院議員)が後輩に当たりますがそんなもんで、湯浅くんがそのうち仲間入りといったところでしょうか。やはり色んな人生があるなぁ…です。

どんどん発散します。ここ数カ月の間にアラブ文化に少し触れる機会がありました。アラブと言うとイスラム教、コーランを思い浮かべますが、豚肉・酒は禁止、一夫多妻制で女性就業制限があり、屋外では殆ど女性に会いません(車の運転も許可されない)。非常に窮屈な感じがしますが、イスラム教が広まった理由に相互扶助・経済合理性を挙げる論があります。イスラム教はラマダン(断食)がありますが、日没後や断食月明けの宴会費用は一族で最も裕福な者のおごり。豚の禁止も飼うのに必要な残飯を残す余裕が砂漠の民にないという経済合理性。で前出の女性の件。富める者が貧しい者の生活の面倒を見る、戦争未亡人達の救済という所得再分配の仕組み。女性を人前に出さないのも保護が目的…

ことの真偽は兎も角、サウジアラビアでは税金がなく、教育費・医療費が不要らしいので少なくとも日本より済民ではないでしょうか(実際可処分所得は高い、失業率も高いらしいけど)。また一つの事実は、日本の様なチャラい女子高校生や娼婦の様な格好の若い女性が存在しないということです(性犯罪の多少については知りません)。更に真実(と私が勝手に思うこと)として、欧米流を真似た生活をしていないのに、そこに変わらぬ生活があり厳然と歴史が積み上がっているということです(世界不況の波は喰らってると思うけど)。ここに至り、アメリカ流で進んできた日本のこれまでのあり方に疑問を抱いたりする訳です。こんなところが今日この頃感じているザッとした内容です。

話は突然変わりますがタイトルに書いた様に、今年はLe Cielo創設15周年にあたります。10周年記念企画の前回は浜松で行われましたが、今年はどうしましょう。海外組が参加しやすい成田か、最近のパワーバランスを考えて関ヶ原あたり、やっぱり浜松か。何れにせよ春頃から企画を開始して是非実現させましょう。

ほんで蛇足。冒頭のサブプライムローン(subprime loan)だが、primeには素数(prime number)の意味があることをご存知だろうか。素数については詳しく書かないが「博士の愛した数式」は面白い。読んだ人も多いことと思うが一読をお勧めする。

さて会員諸氏の皆さん、最後までお付き合いしてくれて有難う。富田くんは楽しんでくれただろうか。

参考

橋本 治著:乱世を生きる 市場原理は嘘かもしれない(集英社新書)

湯浅 誠著:反貧困―「すべり台社会」からの脱出(岩波新書)

小川 洋子著:博士の愛した数式(新潮社)



2009年2月

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