匂い ―或いは『体温』番外―
目が覚めると、外は白かった。よく目を凝らせば白いものが舞っている。雪が降って
いるんだ。
「…良かった、今日休みで」
今日出勤する皆に軽く、アト事故とか事件が起きないよう不謹慎と思いながらも拝
んでおいてから。
傍に置いた目覚まし時計―休日は鳴らないようにしているけど―を手に取って
時間を見ると。
「未だ6時にもなってないじゃん」
ちょっとびっくりした。大抵は、特に傍にあの人が居る時は必ずに近いくらい先に
起きている――朝に強い彼にたたき起こされているだけに。…眠いのは仕事の
他にも、夜、散々あの人が僕にしてくれちゃって疲れてるんだけどね。
ゆっくり、隣を見ると。
僕同様、素っ裸で、所々にキスマークを付けた―僕の方が圧倒的に多いけど―、
室井さんは、未だ眠っていた。微かに彼らしい規則正しい寝息が聞こえる。眉間に
皺は、無しと。…はじめの頃は―室井さんとはじめてHした時ね―寝ているときまで
作ってたから、夢まで険しいことがあるのかなとちょっと心配だった。
ナントカしたかった。仕事―事件の捜査している時以上に、彼をどうにかした
かった。
護りたい。
心にゆとりを持たせたい。
安らぎを与えたい。
だから結ばれてからセックスは、室井さんにどんなにされても受け止めてきた。
時折激しく求めされるのは、きっとやり切れない苛立ちを何処にぶつけたら良いのか
判らず、それで、なんだと。受け留める僕が持たなくて壊れそうになるけれど、其れで
もいい。其れで心が落ち着けられるなら、苛立ちが少しでも消えてくれれば。
やがて寝ている時、そして僕と一緒に居る時はそんなに皺が寄らなくなった。穏や
かな笑顔を見せてもくれた。それで僕は十分だった。
「さむっ」
寒がりの僕の為にと暖房を夜中入れてくれてはいても、裸のままはやっぱり寒くて、
深くシーツを被り室井さんの傍に擦り寄る。
胸板に鼻先をくっつけると。
――室井さんの匂いがくすぐる。
汗っかきでもない彼から匂うのは、例え難く、けど決してきつくも無い其れ。ちょっと
不思議。自分の腕を鼻先に寄せ嗅ぐと、…汗の匂いがするのにね。
この人の匂いは嫌いじゃない。ほっとする。アロマテラピーとかよりもずっと心が落ち
着く、1番休まる匂いだ。
人の生きている暖かさを感じる匂いだ。
なくしたくない。
てばなしたくない。
外をそっと伺うと、真っ白で。今日は1日室井さんの部屋でのんびり過ごせるなと
こっそり感謝した。東京以上に寒くて雪が降る、室井さんの故郷の話しも聞けたら
嬉しいな。
そっと瞼を閉じていたら、眠気がどっと又…。室井さんの匂いがキモチ良くて…。
ごめん…、二度寝、させて…。
室井さん、今日も、起こしてね。
END
HPの引越し祝いとして、ゆうたろうさまより頂いちゃいました。
御本人様曰く「ミニミニぴろぅとーく」とのこと。
猫の子みたいに室井さんに擦り寄っちゃう青島君が
すっごく可愛いですわ♪
素敵なお話有難うございました!
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