三鷹市 足健会会員 西山裕子
初めてこの健康法を知ったのは13年程前になります。
親戚中で一番元気で、入院したことがない母がガンで余命3ヶ月と宣告されたと聞いた途端に私は体調を崩してしまいました。食事を摂る気も作る気力もなくなり、フラフラの状態になってしまい、内科の診察を受けましたが、自律神経失調症と言われ、特にこれといった治療もなく、つらい思いで必要最低限の家事をなんとかこなしていくのがやっとの状態で毎日過ごしていました。そんな時に、駅のキヨスクで『自分で治すガン』という朝日新聞社の出版物が目にとまり、買って帰りました。数多く紹介されていた治療法、健康法、健康食品の中で、何故か足もみ健康法の記事に関心を持ち、まず、私自身で足もみを体験しようと八丁堀のセンターに行きました。すると、行きはフラフラの状態で、途中にある揚げ物屋の揚げ物の匂いで気持ち悪くなっていましたのに、帰りはフラフラがなく、揚げ物の匂いでもどしそうになることもなく、なんだか急にサンマの塩焼きが食べたくなって、夕食にサンマを焼いておいしく食べられたことで「これは一体何なのだろう??」という強い思いを抱いたことを今でもはっきり覚えています。
もしかしたら、母は足もみで救えるかもしれない、そんな思いで足もみ法をマスターしたくてせっせとセンターへしばらく通いました。事情を話して揉み方を教わっては松江市の実家に住む妹に電話で伝え、妹が病院で母の足をもんでくれました。病気が進行し過ぎていて、結局母は帰らぬ人となってしまいましたが、妹が足をもむとその度に病院の医療スタッフに「ずいぶん体調がよさそうになった」と驚かれた、不思議がられたと妹も驚いていました。それで、親戚中に足もみブームがおき、皆がそれぞれに足もみを始めましたが、母が亡くなると、いつしか足もみブームが去ってしまい、続いているのは今では私一人となってしまいました。ブームが去った原因は忙しいからそんな手間のかかることはやっていられないということでした。私だけは、西洋医学の年に一度の健康診断と合わせて、年に一度足もみで健康診断をしていただいて今日に至っています。検査で異常が出る前に足もみで全身の状態がわかるようだということとに気がついたからです。
13年間の間毎日きちんと足もみを続けられたわけではないことも白状しておきます。面倒になってさぼっていた時期もありました。先生は、さぼっているのはおわかりだったと思うのですが、いつもニコニコの笑顔で「この頃さぼっていますね」とか「だめですよ、もまなきゃ」とかは一度もおっしゃらずにただいつも通りに笑顔でやさしく「ここのこういうところをよくもんだ方がいいですよ」とおっしゃるだけでした。13年間ずっとその調子でした。そしてもんでいただいて「安心」、「もめば大丈夫という安心」をいただいているそんな気がします。西洋医学の病院では大病院になればなる程、行く度に「大きな不安」をかかえこんでしまう気がしてしまいます。どんどん遠ざかりたくなってしまうのです。
足もみをさぼっていましたら、3年ほど前から右足の親指の爪の辺りがしびれたり、痛んだりと異常を感じるようになりました。冷えもひどくなり、雨が降ると家に居ても下痢をしてしまい、天気の悪い日には外出も出来なくなってしまいました。あちこち不調を感じ(病院で検査をしても異常なしなので)昨年末から週に一度のペースで足をもんでもらうようになりました。行く度に、先生は新しいことをおっしゃるのです。毎回違ったことを言われるのはどういうことなのかしらと不思議に感じながら、自宅で自分でも言われた通りに足をもみながらしばらく通いました。長い間足もみをさぼっている状態というのは長い間留守のために放置されたクモの巣だらけの家と同じで、少しずつ掃除をしていくと次々と見えなかった部分が明らかになっていくのだとわかりました。それで次々と新しいことをおっしゃっていたのです。クモの巣だらけの家も掃除をすれば住めるようになります。ガタのきた家も修理すれば住めるようになります。私の場合、若い頃から股関節の不調を感じていました。(治療を必要とする程のものではなかったのですが)そのことを一切話していないのに指摘され驚きました。どうしてわかったのかしらと不思議に思いました。又さらに通っているうちに体の重心のかけ方がよくないともおっしゃいました。そのために歩き方が変になっていると言われハッとしました。高校生の頃、母に目の前で私の歩き方はこうだと、ひどいビッコをひいて歩かれ、娘を笑いものにするひどい母親だとどうしようもなく悲しい気持ちになったのをはっきりと思い出しました。その時母はうその演技をしたのではなかったのだと今になって気づきました。中学・高校生の頃、その当時の通学鞄は今のような軽いナイロン製ではなく重いものでした。おまけに厚い辞書なども毎日持って通わなければならなく、骨がまだしっかりと出来上がっていない時期に毎日とても思い鞄をいつも利き手の右手で持って徒歩通学していたため重心の取り方がおかしくなってしまい、そのためにびっこをひく歩き方がくせになってしまったということが判明したのでした。週に一度の何回目かの足もみの結果、私の不調の原因は重心のとり方にあったとは思いもよらぬことでした。
不調の原因は毎回通ってやっと明らかになる場合は私だけではないのではないかと思います。先生はあくまでもアドバイザーで、大切なのは指摘されたところをまずは自分でもむことです。もみ続けて疑問を感じたら疑問点は感じるままを率直に伝えればいいのです。新しいことを言われたら掃除していなかった家の掃除がはかどっているのと同じ状態なのです。掃除を始めるまでは見えなかったところが見えるようになってきたのと同じなのです。もみ続けて時々チェックをしてもらっていればそのうちに一番の問題点が見つかるのです。あせらないで足もみを続けましょう。そしてさぼりたくなってしまったら「この頃さぼりたくなってしまって困っています。こういう時はどうしたらいいのでしょうか」とたずねてみましょう。私、先日思い切ってそう聞いてみました。
「13年も足もみが続いているわけは…」
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