山城拓次
(演:矢葺義晴)



東映版スパイダーマンでは本家スパイダーマンの設定とは異なり
3人兄弟という家族構成である。
末っ子の拓次(設定年齢7歳)は、頼りないが正義感のある兄(拓也/スパイダーマン)と
優しくて美人でしっかり者の姉(新子)に深い愛情を受けて育てられ、
突然の父の死など全く気にしていないと思われるその行動、言動は天真爛漫そのもの。
劇中では活発に昆虫採集や野球などを繰り広げる。

暴漢に襲われた新子に対して「僕がいたら守ってあげられたのにな」(第31話)と
なかなか頼もしい拓次であるが、学校ではリーダー的な存在ではなく、
どちらかといえば“長いものには巻かれろ”タイプである。
それが顕著に表れているエピソード(第15話)がある。
ある日、いじめられっ子の順一がみんなの前で、「スパイダーマンと遊んだんだ」と自慢するが、
「嘘だ!」「嘘だ!」と誰一人として信用しない。
みんなが信用しないのを確認すると拓次もすかさず「嘘つき!」と右へ習えである。
そして、とりあえずは仲間と一緒に立ち去るのだが、
どうしてもスパイダーマンのことが気になるらしく、
あとから一人だけノコノコと順一の前に戻ってきて、
「僕は信じるよ! 今度スパイダーマンを紹介してくれないかな?」
となかなか抜け目がないのだ(笑)。
抜け目がないといえば、大空学園の卒業生・五郎が博打で大儲けして孤児院にやって来て
後輩孤児たちに玩具を配るというシーンがあるが、
孤児ではない拓次がひょっこりその列に並んでいるのには笑った(第23話)。
また、友達が暴行を受けていても遠巻きに見ているだけで、助けに入ることはない(第18話)。
鉄十字団にやられる兄に対して容赦ない発言、
「がっかりしたぜ、お兄ちゃん!」(第14話)などの名ゼリフ有り。

流行モノには敏感で、
「スパイダーマン・ブギ」(第7話)やピンクレディの「モンスター」(第11話)等の流行歌は、
いち早く覚えようとするミーハー的な面もある。

拓也のオートレース訓練時にはタイムキーパーとして一役買っているのだが、
なかなかタイムが伸びない兄に対し、(ひとみとデートして)「ブチュでもしてさっぱりしな」
と随分ませた口を聞き、やり込めた時もあった(第14話)。

ひと目見ただけでは女の子のような髪型と甘いマスク、舌足らずの喋りもカワイイ!
(17話、25話、28話、34話、40話を除く全話に登場)






1978年、『スパイダーマン』で拓次を演じた矢葺義晴は9年後の1987年11月29日放送の
『仮面ライダーBLACK』第9話にストリートダンサー役でゲスト出演している。(写真・右)
他にも特撮もの等に何本か出演していると思われるが,
『バトルフィーバーJ』(第45話、1979年12月8日放送)以外は確認できていない。
また詳しいプロフィールも分からないので推定だが、
スパイダーマンの時が7歳、仮面ライダーBLACKの時は16歳位であろうか。
なかなかの好青年に成長していて一安心。



そんな「拓次」の近況が知りたいぞ!

Back




(C)M.C.G/東映