第9話
「動くアクセサリーは恋のカブト虫スパイ」
●放送日:1978年7月12日(視聴率:7.8%)
●脚本:上原正三
●監督:佐伯孚治

◆ゲスト◆
片山 滉(役名:砂村教授)・「レインボーマン」等にも出演
中原ルミ子(役名:三田陽子・新子の友人)
岸本 功(役名:ブティック「LIMONE」支配人)・「アクマイザー3」等にも出演

■登場マシーンベム:カブトン


モンスター教授は、破壊的レーザー光線を放つ「カブト虫怪獣」を造りだし、
ミクロ化して新子の周囲を付きまとう。新子、スパイダーマンに危機迫る。


(写真・左)
「無敵だ。お前は無敵だよ、カブトン」
ブルーダイヤ(世界に2つとない)をカブトンにセットし、モンスター教授はそう言った。
これを使えば普通のレーザー光線の100倍の威力を発揮する。
スパイダーマンはいうに及ばずスーパーロボット「レオパルドン」の胸元もぶち抜くのだ。

モンスター教授の命令に従い、アマゾネスはカブトンに山城新子をマークさせた。
どうも新子がスパイダーマンと通じているように思えてならなかったのだ。

(写真・中)
そんなある日、山城新子は亡き父・山城博士の意志を継ぎ
秘かに「隕石探知機」を製作中であった城南大学の砂村教授を訪ねた。
この装置が完成すれば地底50メートルに埋まった隕石でも探し出すことが出来る。
つまり、鉄十字団の基地でさえも簡単に見つけ出すことが可能になるのだ。

(写真・右)
新子の後を付けてきたカブトンは砂村教授らを襲うが、
スパイダー感覚により駆けつけたスパイダーマンがカブトンの前に立ちはだかった。
スパイダーマンはカブトンの放ったレーザー光線を、ブレスレットのミラーを使ってはじき返した。

そこにやって来たアマゾネスとカブトンの会話が面白い。
カ)「逃げられた。ミラーで反射された」
ア)「なんて間抜けなの」
カ)「間抜けとは何だ!」
ア)「自分の武器で自分を撃つバカがどこにいる、
・・・新子から目を離すんじゃない。行きなさい!」
カ)「その前に肩の傷を治療させてくれ」
ア)「その必要はない!!」
カ)「な、なんて冷たい女だ!」





それにしてもミクロ化したカブトンって・・・(笑)
(写真・左)
新子はミクロ化したカブトンの傷に気付き手当をする。
「同じ女でもアマゾネスとはえらい違いだ」
カブトンは新子の優しさに恋心を抱いた。

(写真・中)
●鉄十字団の「動くアクセサリー作戦」とは?●

「生きた昆虫をそのまま鎖につないでペンダントにするのがヨーロッパで大流行よ」
編集長・吉田冴子(アマゾネス)から嘘の情報を吹き込まれたひとみは、
“昆虫ペンダント”をして山城家を訪れ新子に自慢して見せた。
それを見た拓次は先程捕まえてきたカブト虫をペンダントにして新子にプレゼントした。
(今日は新子の19歳の誕生日なのだ)
このカブト虫の正体は実はカブトン(※)。
伸縮自在のカブトンは新子に近づく為にカブト虫になり、
わざと拓次に捕まったのだ。
こうしてペンダントとして胸にぶら下がっていれば四六時中、新子を監視出来るというのである。

※角がエメラルドグリーンに輝く特徴あり。

(写真・右)
ホテルのプールで泳ぐ新子をまぶしく見るカブトン。
「せめてもの私の気持ちだ、お守りにするがよい」
カブトンは自分の身体に埋め込まれた「ブルーダイヤ」をはずし、
新子のイミテーションのペンダントとそっと交換した。
プールから上がった新子は、ブルーダイヤのネックレスをかける。




(写真・左)
一方、砂村教授らは「隕石探知機」の製作をとあるホテルの一室で進めていた。
大学の研究室が鉄十字団に襲撃された為、新子はここで教授とコンタクトをとっていたのだ。
だが安全と思われたこの場所も、とうとう鉄十字団に突きとめられ、アマゾネスらが乗り込んできた。
カブトンはアマゾネスに新子を殺すよう命令されるが、殺すことができない。

「そうはさせんぞ、鉄十字団!」
カブトンが戸惑っているところにスパイダーマンが現れた。

(写真・中)
新子たちはスパイダーマンがカブトンと対決している隙にホテルの外に脱出した。
しかしそこにはアマゾネスとニンダーが待ち構えていた。
新子はアマゾネスの光線銃に撃たれるが、「ブルーダイヤ」のペンダントがそれをはじき返した。

(写真・右)
「カブトンよ、カブトンレーザー光線を発射せよ!」
巨大化したカブトンはモンスター教授の指令に従いレーザー光線を発射したが、
新子のイミテーションダイヤと交換した発射装置はたちまち燃え尽きてしまった。
そしてレオパルドンのソードビッカーを喰らい爆死した。

無敵だったカブトンは必殺武器を使えないまま敗れ去った。
マシーンベムでありながら、わずかに昆虫の心を残したカブトンの悲劇であった。



■レオパルドン戦闘データ■
《戦闘時間》
1分00秒46
《使用した必殺武器》
アークターン
ソードビッカー

「カブトン」はレオパルドンに触れることができたか?→×


〈補記〉
今回のマシーンベム・カブトンにはもう一つ面白い?エピソードがある。
ある日、誕生日の新子は拓也からプレゼントを買ってもらう約束で街(原宿)に出た。
とあるブティックで気に入った服があったが、拓也の予算では全然足りなかった。
仕方がなく新子はそこにあったイミテーションのペンダントを買ってもらうことにした。
ペンダントになっていたカブトンはその一部始終を目撃。
夜中にそのブティックに押し入り、新子の為にその服を強奪、山城家まで運んできた。
(その際、ブティックオーナーを殺し、服はマネキンごと・・・)
しかしアマゾネスにこのことがバレ、「恥を知れ!」と電気ショックのお仕置きを受けるはめになる。

「精一杯なんだよ、ここんとこ優勝してねェからさ」
新子に買うプレゼントの予算が少ないことを、ひとみに突っ込まれた拓也はこう言い返した。
このセリフから察すると拓也はオートレースで何回も優勝していることになる。
(そういえば拓也の部屋には数々のトロフィーや楯が飾ってあった)

ところでエンディングのナレーションで「わずかに昆虫の心を残した・・・」とあるが、
“昆虫の心”とはいったいどんな心なのだろう?・・・
それはともかく、カブトンはほんとにイイ奴だった。
No.1マシーンベムを挙げるとしたらダントツでカブトンだ。


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