第24話
「ゴキブリ少年大戦争」
●放送日:1978年10月25日(視聴率:9.3%)
●脚本:高久 進
●監督:田中秀夫

◆ゲスト◆
多田幸男(役名:雷太の父・竹内芳雄)・「ウルトラQ(#21)」等にも出演
安藤聖一(役名:雷太)・「透明ドリちゃん」等にも出演
野口ふみえ(役名:雷太の母・敏江)・「イナズマンF(#12,#23)」等にも出演
佐藤晟也(役名:パン屋の主人)・「バトルフィーバーJ(#38)」等にも出演
原田力(役名:サラ金業者)・「探偵物語」等にも出演
川原田新一(役名:雷太の同級生)・「2年B組仙八先生」等にも出演
本庄和子(役名:同級生の母親)・「仮面ライダーBLACK(#28)」等にも出演
吉田真司(役名:不明)・「がんばれ!レッドビッキーズ(#39)」等にも出演
安藤身弘(役名:不明)

■登場マシーンベム:ゴキブリコンビナート


「ゴキブリ」とあだ名され、嫌われ者の少年がいた。
その少年の父親が鉄十字団の毒ガス工場で奴隷となっている。
父親を救出するため潜入したスパイダーマン!


(写真・左)
学校で〝ゴキブリ野郎〟と呼ばれ嫌われ者の少年・雷太(小学5年生)は悪質な悪戯を繰り返していた。
スーパーで買い物中の新子は肩にゴキブリの死骸を置かれるなど被害に遭い、
山城家を訪れたひとみも少年にゴキブリを投げつけられ卒倒した。

(写真・中)
拓也は子供の悪戯にしては度が過ぎていたため、戒めようと会いに行ったが、
一人遠くを見つめ、しょんぼりする雷太の姿はあまりにも淋しすぎた。
何故だろう? 拓也は少年の本当の心を知りたいと思い、身辺を探った。
どうやら少年の父(芳雄)は蒸発し、母(敏江)は心臓を患っているようだ。

(写真・右)
雷太の家の財源は敏江の内職で得るわずかな収入のみで、
夕食にパンの耳を買って食べるほど貧窮に苦しんでいた。
(内職が「風車作り」では高がしれている。ましてや敏江は病床の身だ・・・)




(写真・左)
見かねたスパイダーマンは雷太の前に現れて、
「遠慮なくとっとけよ」と千円札を差し出した。
「ふざけるな、俺は乞食じゃないぞ!!」
プライドを傷つけられた雷太は怒った。
「悪かった」とスパイダーマンは素直に詫び、
「君が悪戯しているのは、騒ぎを起こせばお父さんが帰ってくる、
そう思っているからじゃないのかい?」
と雷太の心中を察した。

雷太の話によると父親はインターポール日本支部のガードマンをしていたが、
友人がサラ金から金を借り、その保証人になったばかりに
家を明け渡し、さらにそのサラ金業者に何処かへ連れて行かれてしまったのだという。

(写真・中)
スパイダーマンは雷太に、父親を捜し出して連れてくることを約束した。
そしてまず、父親の友人が金を借りたというサラ金会社に不審を抱き、調査を開始した。

(写真・右)
一方、雷太はスパイダーマンを待ちきれず、
一人でサラ金業者へ乗り込んでしまった。
そこにはアマゾネスがいた。サラ金会社の実体は鉄十字団の隠れ蓑で、
金を返せなかった者達を借金のかたに「秘密の工場」へ連れていき、
そこで奴隷のように働かせているのであった。

雷太は“ゴキブリ”を投げつけ抵抗したが、
すぐに追い詰められ、〝秘密の工場〟へ連行されてしまう。

「しまった!」
向かいのビルで連れ去られる雷太を見つけたスパイダーマンはGP-7を呼び、後を追った。




(写真・左)
秘密の工場は「毒ガス製造工場」であった。

「子供が殺されてもいいのか!」
アマゾネスは雷太の父親からインターポール日本支部の
通風口の場所を聞き出すため、雷太を人質に連れて来たのだ。
鉄十字団は通風口にこの工場で製造した毒ガスを流し込み皆殺しを謀ろうというのだ。

(写真・中)
「雷太、許してくれ!」
息子を助けたいが敵にインターポールの秘密を喋るわけにはいかない。
父は辛い選択をした。
雷太もそんな父の気持ちを察し、黙って頷いた。

このままでは雷太は毒ガスの実験台にされてしまう。
絶体絶命のピンチにスパイダーマンが颯爽と登場し、二人を救出する。

スパイダーマンはマシーンベム・ゴキブリコンビナートの吐く毒ガスに苦しめられるが、
最後はレオパルドンに乗り込み、ゴキブリコンビナートの猛攻をソードビッカーの一撃で跳ね返した。

(写真・右)
「母ちゃん、父ちゃんが帰ってきたよ!」
スパイダーマンに助けられ父が帰ってきた。
敏江は涙の目で芳雄と見つめ合う。

「俺は今日限り“ゴキブリ”とおさらばするぞーーーっ」
蒸気機関車の上から声も高らかに誓う雷太は
屈託のない素直な少年の心を取り戻した。



■レオパルドン戦闘データ■
《戦闘時間》
9秒57
《使用した必殺武器》
ソードビッカー

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〈補記〉
劇中、機関車の上で千円を差し出すスパイダーマンだが、
台本ではブランコに乗っている雷太に渡している。

陸橋の上でスパイダーマンが雷太に父親を連れて来ると約束するシーンは
背格好から見て中には香山浩介本人が入って演技しているようだ。

クレジットにあった吉田真司と安藤身弘は恐らく雷太をいじめる中学生。
台本にも中学生A、Bとあったが、このシーンは本放送ではカットされている。


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