第7話
「恐ろしきヒット曲!歌って踊る殺人ロック」
●放送日:1978年6月28日(視聴率:8.4%)
●脚本:上原正三
●監督:田口勝彦

◆ゲスト◆
相原巨典(役名:村江所長)・「快傑ズバット(#16,#17)」等にも出演
加地健太郎(役名:早乙女博士)・「仮面ライダーアギト(準レギュラー)」等にも出演
滝 雅也(役名:歌謡ショー司会者)・「バトルフィーバーJ(#13)」等にも出演

■登場マシーンベム:サソラー


今や無敵のスパイダーマンは、歌の中にまで登場するようになった。
が、そこには大きな罠が待ち構えていた。


(写真・左)
ロックバンド「小林幸太郎&BB5」が歌う『スパイダーマンブギ』は若者のハートを捉え、巷で大流行している。
モンスター教授は彼らそっくりのサイボーグを作り(本物はマシーンベム・サソラーが殺害)、
蜘蛛だけが嫌う超音波発生装置をエレキアンプの中に仕掛け、演奏させた。

(写真・中)
その頃、宇宙科学研究所の早乙女博士と村江所長は政府機関の依頼を受け、
鉄十字団を探り出す為の「スペクトル光波探知装置」を秘かに開発していた。
これが完成すれば、たとえ人間に化けていても判別されてしまう為、鉄十字団にとっては脅威となる。
鉄壁の情報網を誇る鉄十字団は研究所の場所を突き止め襲撃した。

「君が噂の!?」 「スパイダーマン!」
村江所長と早乙女博士は、スパイダー感覚感知により駆けつけ、助けてくれたスパイダーマンに向かい言った。
今やスパイダーマンは誰もが知るスーパーヒーローなのだ。

(写真・右)
ひとみは小林幸太郎&BB5の密着取材をする為、ディスコ「公爵」を訪れる。
強引に協力を要請された拓也はそこで偽BB5が演奏する『スパイダーマンブギ』を聴き激しい頭痛に襲われた。
だがディスコから飛び出し公園まで来ると耳鳴りや頭痛はすっかり消えていた。
どうやら超音波の圏外に出たようだ。(音波の有効距離は6km)

その直後、拓也は早乙女博士からの「SOSコール」を受ける。
GP−7で博士の元に向かうスパイダーマンは、再び『スパイダーマンブギ』の音波圏内に入った為、
運転不能となり到着が遅れてしまい、その間に博士はとうとう殺害されてしまった。




(写真・左)
「もっと大ヒットさせろ」

アマゾネス(人間名・吉田冴子)はモンスター教授の命令を受け、自らが編集長をしている
『週刊ウーマン』で「スパイダーマンブギ」の特集を組み、さらにヒットさせた。
(売り上げ枚数は200万枚を突破したらしい)

(写真・中)
『スパイダーマンブギ』が大ヒットしたことにより、街の至る所でレコードが流れた。
スパイダーマンの感覚は再度大きな衝撃を受け、激しい耳鳴り、頭痛がおこり苦しめられた。

(写真・右)
村江所長は早乙女博士が殺された後、奥多摩山荘に研究所を移していた。
そこで村江所長はスパイダーマンが“動物の条件反射”を利用されていたことを解明してみせた。

つまり・・・
犬にベルを鳴らしてから餌を与え続ける。
するとその犬はベルを鳴らしただけで唾液を分泌するようになる。(※)
スパイダーマンは最初にディスコで演奏を聴き、痛めつけられていたので、
次にテレビやレコードで同じ曲を聴いただけで頭痛を起こしてしまったというのだ。
実は超音波を発するのは生演奏の時だけだったのだ。

(※)「パブロフの犬」の原理



【スパイダーマンブギ】
作詞:上原正三
作曲:渡辺宙明
唄・演奏:小林幸太郎&BB5

♪オシリふりふり壁登り ターザンみたいにビルわたる
格好いいなスパイダーマン 憧れちゃうぜスパイダーマン
そこでオイラもブギ オシリふりふりブギ
歌って踊って オーブギウギ
スパイダーマンブギ スパイダーマンブギ
ブギ ブギ オーー ブギウギ♪

(振付:中田 杏)
(踊り:東映演技研修所)





(写真・左)
鉄十字団は村江所長の居場所を突き止め、偽BB5を送り込んだ。
マイクロバスで山荘近くに乗り付けた偽BB5は早速演奏を開始した。
村江所長は完成した「スペクトル光波探知装置」で偽BB5がサイボーグであることを見破る。

「ウッ、すべてグルだったのか」
スパイダーマンは超音波に苦しみながらもGP−7の機関砲で偽BB5を爆破した。

(写真・中)
一方、鉄十字団はスパイダーマンが偽BB5に攻撃を仕掛けている隙に、
「スペクトル光波探知装置」を破壊した。

(写真・右)
今回登場のマシーンベム・サソラーはかなり活躍(必殺の毒針でBB5や早乙女博士等を殺害)したのだが、
小林幸太郎&BB5の『スパイダーマンブギ』の影に隠れ存在感は薄かった。
巨大化してからは、いきなりソードビッカーで倒された。

(写真・下)
サソラーを倒したスパイダーマンは村江所長の元に駆け寄る。
と、どこからともなく流れる『スパイダーマンブギ』にスパイダーマンの表情は一瞬歪んだ。

「まだ後遺症が残っておるらしいな」(笑)
そこには茶目っ気たっぷりの村江所長がトランジスタラジオを持って立っていた。
「そうでした、それはただの放送でしたね」
頭をかくスパイダーマン(笑)

鉄十字団の「ヒット曲作戦」はスパイダーマンを痛めつけた。
だがスパイダーマンは不屈の闘志でこれにうち勝ったのだ。




■レオパルドン戦闘データ■
《戦闘時間》
30秒08
《使用した必殺武器》
アークターン
ソードビッカー

「サソラー」はレオパルドンに触れることができたか?→×


〈補記〉
今回は劇中にあの名曲?「スパイダーマンブギ」が登場した!
そういえば、映画「スパイダーマン」の中にも路上ミュージシャンがギターを弾きながら
「♪SPIDER-MAN〜」と唄うシーンがある。
サム・ライミ監督がこの番組を見て「是非映画にも」
と取り入れたかどうかは現在のところ不明である。

「何するんだよ、お前! 壊れるじゃねェーかよ、オラっっ!」
ゲームセンターのジュークボックスから流れる『スパイダーマンブギ』に
激しい頭痛を起こした拓也は、苦し紛れに止めようとして
思わずボックスを叩いてしまい店員に殴られ吹っ飛ばされる。
およそヒーローらしくない扱われ方だが、なぜか拓也にはマッチしてしまうから不思議だ(笑)。

今回、ひとみの撮った小林幸太郎&BB5(偽)の写真が
『週刊ウーマン』の巻頭グラビアを飾ったわけであるが、
劇中ではさほどこのことについて触れられていない。
しかし、ひとみにとっては大きな偉業である。


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