第20話
「謎が謎を呼ぶ私の出生の秘密」
●放送日:1978年9月27日(視聴率:9.7%)
●脚本:曽田博久
●監督:竹本弘一

◆ゲスト◆
柿崎澄子(役名:石原陽子&ミツコ2役)・「透明ドリちゃん」等にも出演
依田英助(役名:陽子の父・平祐)・「快獣ブースカ(#13)」等にも出演
高杉哲平(役名:老神父)・「超人ビビューン(#7,#31)」等にも出演
坂井すみ江(役名:陽子の母・邦子)・「仮面ライダーストロンガー(#16)」等にも出演

■登場マシーンベム:原始人


家庭教師になった拓也の目の前で少女が誘拐された。
彼女は超能力の持ち主で、未来を予知できると睨んだ鉄十字団の仕業であった。
だがそこには大きな誤算が・・・


(写真・左)
鉄十字団は予知能力(プレコグニション)を持つ少女が日本にいることを知る。
モンスター教授は、
「人類を征服する日のことを知りたい」
「鉄十字団の明日が知りたいぞ!」
と、その少女を連れてくるようアマゾネスに命令した。

(写真・中)
一方拓也は中学生・陽子(13)の家庭教師のバイトにありついた。
だが陽子は勉強を教わる為ではなく、
“自分の本当の両親を捜すのを手伝って欲しい”
との理由で拓也を採用したのだった。拓也には探偵の素質があると思ったらしい。
陽子は近頃、自分の両親が本当の親ではないのでは、と漠然と感じるようになっていた。
(うだつの上がらない父親のことをどこか毛嫌いしているようにも見受けられる)

(写真・右)
そこへ突然アマゾネス達がやって来た。
不意を付かれた拓也は陽子を奪われてしまう。
父・平祐は脅されてあっさり腰を抜かしてしまった。
拓也はスパイダーマンとなり後を追い、無事陽子を救出した。

どうやらアマゾネスはこの少女が予知能力の持ち主だと睨んでいるようだ。




(写真・左)
翌日、陽子の元へ一通の手紙が届いた。

「石原陽子様 あなたの本当のお父さんお母さんについて知りたければ御案内します。
チャンスはこの一度だけしかありません。このチャンスを逃すと二度と本当のことは判りません。
下の地図を見て来て下さい。」

陽子が両親に疑問を感じていることを察知したアマゾネスは、
陽子の元に“誘いの手紙”を送ったのだ。
どうしても本当の親の事が知りたい陽子はまんまと引っ掛かり、
地図に記されていた洋館へと向かった。
そこにはアマゾネスとマシーンベム・原始人が待ち構えていた。

密かに陽子を見守っていたスパイダーマンは陽子を救おうと原始人に立ち向かうが、
原始人の怪力の前に成す術なく200メートル程投げ飛ばされてしまった。

(写真・中)
「さあ、この鏡に精神を集中してごらん! どうなのよ! 何か見えないの!!」
アマゾネスは陽子を鉄十字団のアジトに連れて行き、
モンスター教授の前で、予知するよう強要した。

(写真・右)
スパイダーマンは、洋館でのアマゾネスの言動から鉄十字団が超能力少女を探していることを知った。
平祐と邦子に聞くが、陽子にはそんな能力はないという。

「しかし、本当の子供ではありませんね」
陽子は自分の娘だと言い張っていた平祐であったが、
娘を助け出す為に已む無く、本当の子ではないことをスパイダーマンに告白した。
陽子は赤ん坊のとき、産着姿のまま教会の祭壇の前に捨てられていた。
子供のいなかった石原夫妻は、そんな陽子を可哀想に思い引き取ったのだ。




(写真・左)
陽子がまったく予知をしない為モンスター教授はアマゾネスに命じ、
もう一度陽子の過去をあらいださせた。
すると「超能力少女」は陽子ではなく、陽子とうり二つの少女「ミツコ」であることが判明した。
ミツコは既に一ヶ月前に事故で死んでおり、それを知り逆上したアマゾネスは、
「おのれ陽子、全てが無駄になってしまった。超能力の娘とそっくりだったというお前が憎い! 殺してやる!!」
アマゾネスの怒りの矛先は陽子に向いた。

(写真・中)
「待て〜っ!」
窮地の陽子の前に、颯爽とスパイダーマンが現れた。

しかし、スパイダーマンが原始人とニンダー相手に格闘している隙に、
アマゾネスが目をギラつかせ、陽子に銃口を向けた。

(写真・右)
「撃つな!撃つならこの私を撃て!」
息せき切って駆けつけ、陽子の前に立ちふさがったのは父・平祐であった。
平祐の気迫にアマゾネスは一瞬たじろいだが、容赦なく銃口が火を吹いた。
平祐は陽子をかばい傷を負ってしまった。(弾は肩口をかすっただけ)
スパイダーマンはストリングスでアマゾネスから銃を奪い、
一気に巨大化したマシーンベム・原始人をソードビッカーで倒した。

「私、はっきりとわかったの。お父さん、お母さんと呼べる人が誰か」
陽子は傷を負った父親に向かい言った。
そこへ母も駆けつけ、二人は陽子を強く抱きしめた。
「陽子〜っ」

この時スパイダーマンも心の中でそっと父の名を呼んだ。
この愛し合う人々の美しい心を鉄十字団から守らねばならないのだ。
拓也に安らぎの時はない。



■レオパルドン戦闘データ■
《戦闘時間》
21秒69
《使用した必殺武器》
レオパルドンストリングス
ソードビッカー

「原始人」はレオパルドンに触れることができたか?→×



〈補記〉
拓也は家庭教師になるにあたり、陽子に個人面談を受けたのだが、
その履歴書によると拓也の生年月日は「昭和31年3月1日」になっている。
ということは設定年齢は22歳ということになる。
ちなみに拓也を演じた香山浩介氏(現・藤堂新二)の生年月日は昭和30年3月1日。
1歳、さばを読んでいる(笑)。
また面談の時、大人ぶって見せる陽子の態度が可愛いかった。

今回ゲストの柿崎澄子はスパイダーマン以外にも多くの東映特撮番組にゲスト出演している。
1973年 キカイダー01 第41話
1977年 ジャッカー電撃隊 第30話
1979年 バトルフィーバーJ 第2話
1981年 太陽戦隊サンバルカン 第25話
1983年、1984年 宇宙刑事シャリバン 第19,20,31,49,50,51話 
1988年 世界忍者戦ジライヤ 第40話
等である。


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