第26話
「絶対ピンチのにせものヒーロー」
●放送日:1978年11月8日(視聴率6.9%)
●脚本:押川国秋
●監督:竹本弘一

◆ゲスト◆
高橋 淳(役名:宮口順一)・「太陽戦隊サンバルカン #15」等にも出演
久永智子(役名:洋子)・「仮面ライダーX #15-35」等にも出演
小寺大介(役名:刑事A)・「ウルトラマンダイナ #10」等にも出演
和甲 拓(役名:刑事B)・「大都会PART2 #14」等にも出演
側見民雄(役名:刑事C)・「もっとあぶない刑事 #10」等にも出演
岸本 功(役名:刑事D)・「ダイナマン #27」等にも出演
日比野澄子(役名:クラブママ)・「ジャッカー電撃隊 #13」等にも出演
酒井郷博(役名:不明)・「アクマイザー3 #3,23」等にも出演 
山中康司(役名:不明)・「花のあすか組! #18」等にも出演

■登場マシーンベム:噴火獣


謎の呼び出し電話を受けた青年・順一。
彼はいつの間にか「ニセスパイダーマン」に仕立て上げられ
英雄になろうとしていた。鉄十字団の陰謀は何か・・・?


(写真・左)
「いやになったよ、何もかも」
定時制高校に通う宮口順一は自分の将来や今の生き方につくづく嫌気がさしていた。
今日もバイト中、チンピラ(ニンダー人間体)に不当な言いがかりをつけられ、殴られても抵抗できない自分がいた。
恋人・洋子にもこんな愚痴をこぼしてしまう程卑屈な毎日を送っていたのだ。

そんな順一の気持ちを見透かしたかの様に一本の電話が掛かってきた。
「今夜午前一時に新宿のセントラルビルへ行きなさい。
そこであなたの未来をまったく変える出来事が待っています」
順一は見ず知らずの者(実はアマゾネス)からの誘いに迷いはしたが、
とにかく今の自分を何とかして変えたいという思いからか、
奇蹟を信じ、指定の場所へと向かってしまった。

(写真・中)
ビルの前には鉄十字団の一味とおぼしき男達が数人倒れていた。
と、そこへ警察やマスコミ、そして騒ぎを聞きつけ群衆がやって来た。
「このビルでスパイダーマンが宝石強盗と対決しているという通報があったんですよ、
あなたがスパイダーマンですね?」
問いかける刑事たちに順一は唖然とするばかりで何も言えなかった。

(写真・右)
「大変よ!ニュース、ニュース!」
「スパイダーマンの正体がとうとう分かったのよ!」
翌朝、ニュースを見たひとみが慌てて山城家にやってきた。
拓也は裏に鉄十字団の卑劣な陰謀があると漠然と感じ、
ひとみと共にスパイダーマンの正体だという順一の元に向かった。

彼の元には既に多数のマスコミが押し掛けていた。
順一は一夜にして国民的英雄になったのだ。
しかし当の本人は戸惑うばかりであった。





(写真・左)
この後、順一はマスコミから逃れる為アマゾネスにとあるホテルに軟禁されるが
スパイダーマンにより、この一件は何もかも鉄十字団が仕組んだ策略だったことを知る。
自分がだまされ、鉄十字団に利用されていることを知った順一は
脱走を試みるが再度鉄十字団に捕らわれる。

(写真・中)
順一は軟禁されているホテルから洋子に電話し、自分がスパイダーマンであると告白する。
信じられない洋子はホテルに順一を訪ねるが、
順一はあくまでも自分がスパイダーマンだと言い張る。
順一は自分のそばに洋子がいては危害が及ぶ恐れがあると、あえて嘘を言って別れを告げたのである。
ホテルを出た洋子は鉄十字団に襲われるが、スパイダーマンに救出される。
そして順一が鉄十字団に利用されていると教えられ、別れを切り出した順一の気持ちを察した。

(写真・右)
一方、鉄十字団の「ニセスパイダーマン作戦」は着々と進んでいく。
鉄十字団はスパイダーマンとして人気の絶頂に達した順一を「轢き逃げ犯」に仕立て上げた。
スパイダーマンの名が泥にまみれ、国民から激しい糾弾を受ければ、
スパイダーマンは耐えきれず鉄十字団に向かってくる。
その時がスパイダーマンを倒すチャンスだというのだ。





(写真・左)
警察に捕まった順一を乗せた護送車が鉄十字団に襲われ強奪された。
鉄十字団は順一を餌にスパイダーマンをおびき出そうというのだ。
しかしアジトに運び、アマゾネスが護送車の中を覗くと、
そこにいたのは順一ではなくスパイダーマンであった。
「アマゾネス、貴様の罠には最後に穴があいたな!途中で順一君と入れ替わったのだ」
スパイダーマンはアマゾネスを逆に陥れた。

(写真・中)
怒ったアマゾネスはマシーンベム「噴火獣」をスパイダーマンに立ち向かわせる。
しかし、レオパルドンのソードビッカーで秒殺された。

右のイラストはモンスター教授が描いた「噴火獣」のデザイン画。
これをもとに動物、植物、岩などと、人間とメカを合成してつくり、
最後に杖で生命を与え、マシーンベムが完成するのだ。

(写真・右)
「これでやっと分かったよ、僕は僕なりに必死に生きていくしかないって」
順一は今回の事件を通して今の自分が何を成すべきか、
大切なものが何なのかやっと分かった様な気がした。
「これもみんなスパイダーマンのおかげね」
洋子も順一が “自分なりの生き方” を掴んでくれたことが嬉しかった。

スパイダーマンはそんな二人を見て、自分も若い血を満足させていた。



■レオパルドン戦闘データ■
《戦闘時間》
18秒47
《使用した必殺武器》
ソードビッカー

「噴火獣」はレオパルドンに触れることができたか?→×


〈補記〉
順一が軟禁された場所は、「東京ホテル浦島」627号室。
ホテル浦島は劇場版でもロケ地に使用されている。

洋子役の久永智子はこの後「仁和令子」に改名して時代劇など数多くの番組に出演している。


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