アマゾネスは完全に人間社会に溶け込んでいる。
それが人間時に吉田冴子として活動する、
雑誌『週刊ウーマン』の女編集長としての姿である。
モンスター教授は約400年前に地球にやって来た。
当時モンスター教授は直属となる部下を持たなかったが、
研究、開発を進めているマシーンベムが完成した暁には、
それを指揮する指揮官がどうしても必要となる。(しかも、できれば女!)
そこでモンスター教授は、あちこちの惑星で暴れまわっているすごい奴(女)がいる、
との噂を聞きつけ、どうしても“その女”が自分の右腕として欲しくなり、話を持ちかけた。
それが異星人・アマゾネスである。(※1)
アマゾネスにとってもモンスター教授の呼びかけは願ったり叶ったりの話である。
いや、ひょっとするとアマゾネスはモンスター教授にスカウトされたいが為に
必死でアピールしていたのかもしれない。
念願の鉄十字団指揮官となったアマゾネスは、
地球侵略の為にはまず敵を知らねばならぬ、
それには自分が人間になりすまし、そこで生活する必要がある、
とモンスター教授に進言した。
あれだけの科学力を誇る鉄十字団にとって
地球を壊滅させることなどいと容易いはずなのに(※2)、
敢えてこのような、まどろっこしい戦略をとったアマゾネスには、
地球人に対し憧れがあり、人間生活を少しでも体験したかったのか、
それとも愛するモンスター教授と少しでも長く運命を共にしたい、
という思いからだったのか・・・。(※3)
そこでアマゾネスは雑誌編集者(※4)という職を選択する。
吉田冴子としての容姿は、アマゾネス時のように派手ではなく、
地味な服を着用し、時には黒ぶち(又は銀ぶち)の眼鏡(※5)をかけている。
また喋り方も「女王様風」ではなく「ブリっ子風」にと使い分けている。
そして姿ばかりか心まで人間化したアマゾネスは、
実に人間味あふれる数々の作戦を企てていくのである。
なお、拓也(=スパイダーマン)の恋人ひとみはフリーのカメラマンであるが、
週刊ウーマン社とも契約しており、吉田冴子は上司にあたる。
(※1)このあたり、というかこの文章、全体的にかなりの私見あり。
しかし、第33話でモンスター教授はスパイダー星を滅ぼし、
地球にやって来た経緯をアマゾネスに教えているので、
アマゾネスが途中から鉄十字団に加わったことは間違いない。
では、アマゾネスはいつ鉄十字団に招聘されたのであろうか?
これもあくまで推測であるが、アマゾネスは鉄十字団に入ると、
直ぐに「週刊ウーマン社」を立ち上げたと思われる。
では『週刊ウーマン』の創刊はいつか!?
第7話「恐ろしきヒット曲!歌って踊る殺人ロック」 の中で出てくる、
週刊ウーマン社内の黒板の予定表によると、
“1978年7月26日(水)第642号発行” とある。
『週刊ウーマン』は週刊誌なので年間50号出ているとすれば、
創刊してから13年近く経っている計算になる。
ということはアマゾネスが地球にやって来たのは1965年頃あたりか。
(※2)あのレオパルドンを開発したスパイダー星をあっさり征服しているのだから・・・。
(※3)アマゾネスの提案を承諾したモンスター教授にも
少なからずアマゾネスと同じ思いが(当時は)あったのかもしれない。
(※4)運営資金はもちろん鉄十字団が出しているが、
モンスター教授は売上部数を増やし、さらに軍資金を稼ごうとしている。
なお、社員は4、5人いるようだが、ニンダー(鉄十字団戦闘員)ではなく、
一般の地球人(日本人)を採用している。
(※5)変装用の為、もちろん度は入っていない。
ひとみと打ち合わせをする吉田冴子。
(第1話より)
週刊ウーマンの活動状況
【週刊ウーマン・毎週水曜日発売】
【所在地・東京都千代田区内】
第1話 マーベラーと山城博士を徹底取材
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第4話 多摩川に現れた謎の怪物(半魚人)の写真を撮ってくるよう、ひとみに命令する。
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第6話 特ダネ「死んだ男が生きていた」を企画
(脱走者・松木を捕まえる為、友人である拓也を徹底マークする)
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第7話 スパイダーマンブギを巻頭グラビア入りで特集【写真上・左】
(レコードの売上は200万枚突破)
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第8話 猫と話が出来ると噂のある老婆を取材
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第9話 生きたままの昆虫をネックレスに!
「動くアクセサリー作戦」を企画
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第12話 新進ファッションデザイナー東郷浩司の新作発表会「東郷浩司・古代を造る」を取材。
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第14話 「賞金百万円! スパイダーマンの正体は誰か?」【写真上・右】
(スパイダーマンの正体を突き止めたい鉄十字団はついに誌上で情報を求めた)
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第15話 「スパイダーマンと心臓病の少年の友情」を企画
(アマゾネス=吉田冴子の正体がスパイダーマンにバレる)
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第17話 正体を知られた吉田冴子は失踪。『週刊ウーマン』は休刊となる。