第40話
「さらばゼロ戦の謎」
●放送日:1979年3月7日(視聴率:10.5%)
●脚本:松下幹夫
●監督:小林義明
◆ゲスト◆
木田三千雄(役名:小原)・「ウルトラセブン(#23)」等にも出演
佐伯貴宏(役名:小原政樹)・「恐竜戦隊コセイドン(#35)」等にも出演
奈津えり子(役名:島崎静香)
相馬剛三(役名:西村)・「ウルトラマンダイナ(#20)」等にも出演
■登場マシーンベム:空爆エイ
終戦間際、ゼロ戦用に研究された新型エンジンは、
未完成のまま現在も設計図のみが残されていたが、
マシーンベムの改良の為に必要とする鉄十字団に奪われてしまった。
(写真・左)
第二次大戦、日本の敗戦間近、素晴らしい性能を持つゼロ戦用の新型エンジンが開発されたが、
終戦と同時にその設計図は行方不明になっている。
世界征服を企むモンスター教授は、
「このエンジンをマシーンベムに取り付ければより強力なマシーンベムが生まれる」
と、何とかしてこのエンジンの設計図を手に入れたいと思った。
(写真・中)
一方、ひとみは拓也を伴って、先だっての「ラジコン飛行大会」で優勝した
小原政樹少年の元を取材で訪れていた。
政樹は元ゼロ戦設計技師であった祖父の全面的なバックアップを受けている。
現在自動車解体所を営んでいる小原は、写真と人間嫌いだがメカには抜群なのである(政樹談)。
(写真・右)
そんな折、小原に旧友の西村から電話が入る。
「せっ、設計図が・・・」
ただならぬ気配を感じ取った小原は大急ぎで西村のもとに向かったが
既に西村は鉄十字団の手により殺害されていた。
鉄十字団は西村から設計図を強奪し、さらに小原にも政樹を人質に取り設計図をよこせと詰め寄った。
(写真・左)
「渡すなーーっ!」
小原は政樹の命には替えられないと思い、アマゾネスに設計図を渡そうとしたが、
スパイダー感覚で感知したスパイダーマンが駆けつけ、小原に向かって叫んだ。
一旦、アマゾネスに奪われた設計図は、
スパイダーマンの活躍により小原の元に戻ったが、
ベラとリタが現れ、小原を襲い、
とうとう設計図は鉄十字団の手に渡ってしまった。
また、ベラの放った矢を受けた小原は負傷してしまった。
(写真・中)
重傷を負った小原は病院へ向かう救急車の中でスパイダーマンに
“設計図の秘密”を打ち明けた。
「敗戦の直前、南郷技師の手で開発された新型エンジンは、
普通のエンジンの100倍以上も強力なものであった。
だが、敗戦を知って病床にあった南郷技師は戦争の悲劇を再び起こさないため、
今度は平和の為にエンジンを使って欲しいと三人の助手に1枚ずつ設計図を渡して息を引き取った・・・」
小原と殺された西村は共に南郷技師の助手であった。
(写真・右)
「静香さんが危ない! 静香さんは今日旅行から羽田空港へ帰ってくる」
小原の話によると、もう一人の助手・島崎は既に亡くなっており、
その娘の静香が鉄十字団に狙われる恐れがあるという。
スパイダーマンは急いで静香の元に向かった。
(写真・左)
鉄十字団は空港に着いた静香をトラックに拉致しアジトへ運んだ。
スパイダーマンは直ぐ後を追い静香を救出したが、アマゾネスは勝ち誇ったように言った。
「スパイダーマン、罠に掛かったな!
静香はお前をおびき出すための囮だ。
最後の設計図も小原が持っていることは突きとめてあるのだ!」
スパイダーマンがここにいる間に、
別働隊が病院にいる小原を襲って目的を果たしているはずだというのだ。
(写真・中)
病院にはアマゾネスの言うとおり、
マシーンベム・空爆エイが小原たちを襲いにやって来た。
小原は政樹をかばおうと必死で抵抗した。
絶体絶命の窮地に陥った小原たちであったが、スパイダーマンが駆けつけた。
この後、スパイダーマンに追い詰められた空爆エイは巨大化するが、
マーベラーのカノン砲を受け爆死した。
(写真・右)
新型エンジンは設計図が3枚すべて揃わないと完成しないという。
スパイダーマンは小原たちの身の危険を考え、小原を説得し、最後の設計図を燃やした。
スパイダーマンはゼロ戦の新型エンジンは胸の中にしまっておいた方が良いと思った。
鉄十字団が存在する限り、いつ凶悪な武器になるか分からないからだ。
南郷技師もきっとわかってくれるだろう・・・。
■レオパルドン戦闘データ■
レオパルドン未登場のためデータなし。
〈補記〉
設計図の強奪を巡り様々な駆け引きが行われたが、今回のストーリーにはかなり謎が残った。
小原は救急車の中で静香の身が危ないとスパイダーマンに言っているが、残りの設計図を自分が持っているとは告白していない。
鉄十字団も最後の1枚は小原が持っていることを掴んでいるのなら、政樹を人質に取った時に2枚とも奪っているはずだ。
小原が以前島崎から何らかの形で設計図を受け取っていた経緯や、
鉄十字団が最後の1枚も小原が持っていることを知った経緯など肝心なシーンがカットされている。
追記:検証本の小林義明インタビューによると、この40話は脚本が途中までしか出来ておらず、撮影しながら作品を完成させたという。
ストーリーにやや難があったのは、どうやらこれに起因しているようだ。
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