第38話
「ブリキの一番星と少年探偵団」
●放送日:1979年2月14日(視聴率:9.0%)
●脚本:曽田博久
●監督:佐伯孚治

◆ゲスト◆
福岡正剛(役名:芦田博士) ・「快獣ブースカ」等にも出演
たうみあきこ(役名:芦田の妻)・「ロボット刑事(#18)」等にも出演
神部みどり(役名:健太の母)・「太陽にほえろ(#435)」等にも出演
高橋初実(役名:めぐみ)
伊藤竜次(役名:玉川三平)・映画「東京からきた女の子」等にも出演
伊藤康臣(役名:健太)・「サンキュー先生」等にも出演
桜庭一成(役名:少年探偵団団員A)・映画「トラック野郎」等にも出演
出口竜太(役名:少年探偵団団員B)
海老井まゆみ(役名:少年探偵団団員C)・「がんばれ!レッドビッキーズ(#14,#15)」等にも出演
長野由喜子(役名:少年探偵団団員D)

■登場マシーンベム:ムシバワニ(後にイレバワニ)■


芦田博士の間違った研究により、恐ろしい細菌カプセルが完成された。
鉄十字団の手に渡れば一瞬にして人類は滅亡。
この恐ろしい秘密を知った少女・めぐみ!


(写真・左)
芦田細菌研究所の芦田博士は世界で只一人、ボツリヌス毒素の小型カプセル化に成功した。
これを細菌兵器に使えば、ある地域の住民を6時間以内に全て殺せるという。
しかも12時間経てばその地域は元の安全な土地に戻るのだ(!)。
鉄十字団・アマゾネスはこのカプセルを5億円で買収しようと研究所までやって来たが、
芦田博士は何と100億円を要求した。
法外な金額を要求されたアマゾネスは一端アジトに引き上げることにした。
この家に住むめぐみはその一部始終を目撃してしまった。
(身寄りのなかっためぐみは芦田夫妻に引き取られ、本当の子供のように優しく育てられている)

(写真・中)
翌日、心配になっためぐみは、
自らが所属する「夕焼け少年探偵団」のリーダー・三平に相談を持ちかけた。
三平は、健太をはじめ他のメンバーたちにも応援を求めたが、
「もうすぐ5年生になるというのに遊んでばかりいられないよ。
     もう探偵ごっこなんてやる気ないんだ」
と真剣に話を聞いてくれず、みんなはそそくさと塾へ行ってしまった。
探偵団の友情はもはや風前の灯火になってしまっていた。

(写真・右)
アマゾネスはベラとリタを伴い再び芦田研究所に乗り込んだ。
アマゾネスは芦田博士が欲張り過ぎた為、今度は殺してでもカプセルを手に入れるつもりだ。
芦田博士はベラの放った毒矢に耐えきれずカプセルの隠し場所を白状するが、
そこには既にカプセルは無かった。
すると、アマゾネスは芦田の妻やめぐみにも詰め寄った。
二人は窮地に陥ったが、これをスパイダー感覚で感知したスパイダーマンが駆けつけ救出した。

カプセルは既にめぐみが持ち出し、三平に渡していたのだ。




(写真・左)
スパイダーマンは芦田の妻に、襲われた理由を尋ねたが、妻には皆目見当が付かなかった。
そこでスパイダーマンは芦田博士の研究室を捜索し、
博士が研究していたボツリヌス毒素の存在を突きとめた。

(写真・中)
鉄十字団は何者かがカプセルを盗み出したと読み、めぐみと三平に目を付けた。
二人は少年探偵団の仲間たちに助けてもらおうと、
「鉄十字団に追われて動きがとれないんだ」
と相談するが、誰一人として信用せず相手にしてくれなかった。

やがて、めぐみと三平は鉄十字団に捕まってしまう。
だが二人は連れ去られる時、少年探偵団のバッジの先を折り曲げそこに落としていった。
(これは「SOS」の合図なのだ!)

(写真・右)
近辺を捜査していたスパイダーマンはバッジを発見する。
そして二人が鉄十字団にさらわれたことを少年探偵団のメンバーに伝えた。
「鉄十字団というのは本当だったんだ・・・」
健太たちは鉄十字団と聞いてすっかり怖じ気づいてしまった。
「君たちは少年探偵団の友情を忘れたのか!」
スパイダーマンはみんなに檄を飛ばした。




(写真・左)
スパイダーマンに檄を飛ばされた健太たちは、
家に帰ると、探偵団をやっていた頃の楽しかった思い出を回想していた。
さらに探偵団のバッジを見つめていると、
このバッジに友情を誓い合ったあの日のことが目に浮かんだ。
やがて健太は大きく頷き、二人を助け出す為に鉄十字団に立ち向かうことを決意する。
他のみんなも考えは同じだった。

(写真・中)
一方、鉄十字団はめぐみと三平にカプセルを隠した場所に案内させた。
しかしカプセルが入っているというその箱を開けるが、中身は空っぽであった。

「ここにあるぞーーっ!」
鉄柱の上からスパイダーマンが叫んだ。
すでにカプセルはスパイダーマンが手に入れていたのだ。

・・・これより少し前、
二人を救出する為に探偵団のメンバーはスパイダーマンに会い、
自分たちしか知らない「秘密の連絡箱」のある場所に案内した。
そこにはボツリヌス・カプセルの隠し場所を記した地図が入っていた。
三平もここに隠せば、きっとみんなが探し出してくれると信じていたのだ。

(写真・右)
この後、スパイダーマンはめぐみと三平を鉄十字団から助け出し、
イレバワニをソードビッカーで倒した。


夕焼け探偵団もいつかは本当に解散する日が来るだろう。
しかし少年探偵団の友情はいつまでもみんなの心に残るだろう。
夕焼け探偵団よ永遠なれ!



■レオパルドン戦闘データ■
《戦闘時間》
10秒08
《使用した必殺武器》
ソードビッカー

「イレバワニ」はレオパルドンに触れることができたか?→×


〈補記〉
マシーンベム「ムシバワニ」はスパイダーマンとの最初の闘い(※)で、歯を折られてしまったため、
モンスター教授に金の入れ歯を入れてもらい、「イレバワニ」に改造強化された。

※甘いものが好物のムシバワニは歯が虫歯だらけで、
スパイダーマンに、顔面にキックを喰らうといとも簡単に抜け落ちてしまった。
ちなみにスパイダーマンはこのキックを繰り出す時に、
シリーズ中唯一、仮面ライダーさながらに「スパイダーキック!」と発している。


「スパイダーマンや鉄十字団が探しに来ても絶対に大丈夫ね?」
芦田の研究が世間に知られることを恐れためぐみは、ボツリヌス菌を隠すことを三平に託した。
潔白を信じる妻が悲しむのも嫌だし、ましてや身寄りのなかった自分を優しく育ててくれた芦田には計り知れない恩義を感じている。
そんなめぐみにとって芦田の秘密を知るスパイダーマンは鉄十字団同様 “敵” なのだ。

ところでめぐみを演じた高橋初実は第23話「家なき子たちに愛の学園を」で大空学園の孤児として出演している。
今回のエピソードが23話と結ばれているのなら芦田夫妻はめぐみを「大空学園」から引き取ったことになる。
(ちなみにどちらの作品も脚本は曽田博久によるもの)



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