第16話
「名犬よ父のもとへ走れ」
●放送日:1978年8月30日(視聴率:7.2%)
リピート放送・1979年2月28日(視聴率:10.0%)
●脚本:上原正三
●監督:竹本弘一

◆ゲスト◆
中村英生(役名:松木イサム)・「刑事くん」等にも出演
太刀川寛(役名:松木雄一)・「仮面ライダーV3」等にも出演
木村 修(役名:大東建設社員)・「宇宙刑事シャイダー」等にも出演
小甲登枝恵(役名:松木家の隣人)・「怪傑ズバット」等にも出演

■登場マシーンベム:ムカデ鉄人


スパイダーマンが山で瀕死の少年を助けた。
少年は愛犬と共に行方不明の父を求め、岩を登り、川を渡る。
頑張れ!イサム君!!


(写真・左)
夏休みのある日、拓也は新子、拓次と共に山へキャンプに来ていた。
川で釣りを楽しんでいると、突然一匹のシェパードが拓也の元に駆け寄ってきた。
執拗に絡みつくシェパードは拓也をどこかに案内したいらしい。
シェパードが向かった先には少年(イサム)が倒れていた。
(イサム少年は鉄十字団・ニンダーの手により遭難していた)

(写真・中)
イサム少年と愛犬リッキーは一晩拓也たちのテントで明かし、翌朝再び山を登って行った。

と、「スパイダー感覚」が近くで何かの危険を感知した。
スパイダーマンとなり現場へ向かうとイサム少年が鉄十字団に襲われていた。
少年を助けたスパイダーマンは、鉄十字団に襲われた理由を尋ねたが、
少年は本当のことを話すことができなかった。
・・・・・

(写真・右)
実は数日前、少年の父は鉄十字団にさらわれていた。
その時、少年はアマゾネスに、
「黙っているのよ、さもなければお父さんの命はありませんよ!」
と釘をさされていたからだ。





(写真・左)
イサム少年の父・松木雄一はダムの設計者だ。
モンスター教授は「北関東ダム」を爆破するため、
設計者である松木から最も効率の良い爆破ポイントを聞きだそうというのだ。

このダムが爆破されれば近くにある「原子力発電所」がダムの水で押し流され、
放射能で汚染された水が東京の川や下水に流れ込む。
同時にマンホールにガスを流し込み火を放つ、
そうすると東京は“死の地獄”と化すというのだ。

今年はモンスター教授が地球に来て400年目にあたる。
これはそれを祝う「400年記念祭」なのだ!!

(写真・中)
どうしても父を助けたいイサムは、
再び愛犬・リッキーと共に父が監禁されている山へ向かった。
またしても鉄十字団に襲われるものの、
少年の後を追ってやって来たスパイダーマンに助けられた。

(写真・右)
「リッキー、お前は向こうだ!」
スパイダーマンは少年をその場に残し、リッキーと共に父親を捜しに行く。
リッキーは松木の臭いを知っており、その鋭い嗅覚に頼ろうというのだ。





(写真・左)
救出に向かったスパイダーマンは、
松木を人質にとられ、何も手出しができないまま自らも捕らえられ、
リッキーもアマゾネスの銃口に向かい、谷底に落ちてしまった。
アマゾネスはスパイダーマンもろともダムを爆破するつもりだ。

しかしその窮地をリッキーが救った。
谷底に落ちたリッキーは不屈の精神で立ち上がり、
イサム少年の吹く犬笛と共に現れ、ニンダーの持つ起爆装置を奪い取り、
さらにスパイダーマン達を救出した。

(写真・中)
「ムカデ鉄人出ろっ!」
アマゾネスの指令と共に、マシーンベム・ムカデ鉄人が最後の最後に登場。
ストーリー的には何も絡んでおらず、
レオパルドンを登場させるためだけに出てきた感もある。
まあ、こういったツッコミ所も東映版の魅力であるのだが・・・(笑)

「ギャッ」
ソードビッカーが命中してムカデ鉄人は爆発四散した。

(写真・右)
リッキーの活躍によりイサム少年は無事父との再会を果たした。
イサム少年とリッキーをつなぐ愛の絆が鉄十字団の黒い陰謀を砕いたのだった。



■レオパルドン戦闘データ■
《戦闘時間》
20秒57
《使用した必殺武器》
アークターン
ソードビッカー

「ムカデ鉄人」はレオパルドンに触れることができたか?→×


〈補記〉
マーベラーに乗り込んだスパイダーマンは、
「マーベラー・ファイヤー・サンダー」
と発する。
一体どんな攻撃が展開されるかと思いきや、
通常の「マーベラーカノン砲」と何ら変わらなかった。
恐らく脚本段階では何か別の攻撃法があったに違いない。

今回、山城拓也は番組の途中からサングラスをかけて登場する。
何か違和感を感じつつ見ていると
番組のラストでリッキーがそのサングラスを口にくわえて、
スパイダーマンに持ってくるシーンがある。
(サングラスは拓也がスパイダーマンになるときにでも落としたのであろう)
リッキーはその鋭い嗅覚でスパイダーマンが拓也であると嗅ぎ分けていたのだ。
「バカだなぁリッキー、スパイダーマンはサングラスなんてかけやしないよ(笑)」
と、イサム少年が最後にオチをつけて物語はハッピーエンドだったが、
はたしてこの後、モンスター教授の「400年記念祭」は行われたのだろうか?


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