第13話
「ドクロ団 対 悪魔の霊柩車」
●放送日:1978年8月9日(視聴率:7.1%)
●脚本:高久 進
●監督:平山公夫

◆ゲスト◆
野口元夫(役名:写真家・天野)・「レインボーマン(#20,#22,#39)」等にも出演
倉地雄平(役名:天野正夫)・「バトルフィーバーJ」等にも出演

■登場マシーンベム:暴走獣


暴走族のリーダー、正夫は
モンスター教授の実験室で「暴走獣」にされてしまう。
息子を失った老写真家はアマゾネスの銃弾に倒れる。
怒りに震える拓也!


(写真。左)
鉄十字団・南米支部より「カメレオン」が届く。
モンスター教授はこれを人間と合体させマシーンベムに改造するのだ。
しかしストックしてある人間には気に入ったものがなかった。
モンスター教授は自ら「改造する人間」を捜しに出掛けることにした。
こうして改造手術に使う人間を自ら選び出すことはモンスター教授の楽しみの一つでもある。

(写真・中)
モンスター教授は自分の専用車に霊柩車を選んだ。
警察の一斉検問に引っ掛かっても、
霊柩車ならば死体を運んでいても怪しまれることはないからだ。

「もたもた走ってんじゃねえ、オラっ!」
街に出たモンスター教授の霊柩車は突然暴走族・ドクロ団に襲われる。
モンスター教授はその中のイキのいい一人の若者に目を付けた。

(写真・右)
その後、暴走族グループはゲームセンターでも無法振りを発揮する。
たまたま居合わせた拓也は他人に迷惑をかけているドクロ団の態度にむかっ腹がたち注意した。
しかし(モンスター教授の乗る)不審な霊柩車を発見した為、それ以上は手を出せず、袋叩きにされてしまった。
そんな時一人の老人が現れ、止めに入った。(その際老人は突き飛ばされ右足を痛める)
老人は暴走族グループのリーダー・天野正夫の父であった。

拓也はスパイダーマンとなり霊柩車の後を追ったが、
いつの間にかスパイダーブレスレットの追跡レーダーの圏外に消え去っていた。

怪我を負った天野を気遣い、家まで見舞いにやって来た拓也は天野の身の上話を聞いた。

一人息子の正夫はレーサーになりたがっていたが、
いずれは自分の営む写真館を継いでほしいと願う天野は反対した。
そして母親が交通事故で亡くなり、それを契機に家を出ていってしまった。
天野は暴走族になってしまった息子に一刻も早く足を洗って戻ってきてほしいと願っているのだ。

「彼はそのうち自分のやっていることが馬鹿らしくなって、きっとここに帰ってきますよ」
拓也は天野を勇気づけた。





(写真・左)
拓也は天野に亡き父の面影を見ていた。
拓也の父もやはり拓也には自分の跡を継いでほしいと思っていた。
しかし拓也は言うことを聞かず好きなバイクの道に進んでしまったのだ。
拓也は家に戻ると父の遺影の前に立ち、わがままばかり言って苦労をかけたことを改めて詫びた。

いつもと様子が違い、しんみりしている拓也を心配する新子と拓次。

(写真・中)
暴走族グループ「ドクロ団」のリーダー・天野正夫は死をも恐れぬ少年だ。
鉄十字団は、天野に小遣いをせびりに来た正夫を交通事故を装い救急車で連れ去る。
モンスター教授が目を付けた若者は正夫だったのだ。
天野から電話を受けた拓也はインターポール情報部に連絡をとるなど必死で正夫の行方を追った。

(写真・右)
天野は息子をさらった救急隊員と酷似のアマゾネスと街で出くわし、後を追う。
だがアジトを見付け、拓也に連絡を取ろうとした天野は、尾行に気付いたアマゾネスの銃弾に倒れた。
すぐ近くまで来ていたスパイダーマンは銃声を聞き、急いで駆けつけたが天野は既に絶命していた。






(写真・左)
「お前は天野正夫だろう! 
お前の父親はお前を助けようとして鉄十字団に殺された。
目を覚ませ!」
スパイダーマンは必死で訴えるが、
改造手術を受け、マシーンベム「暴走獣」となった正夫には人間の意思は通じない。

(写真・中)
巨大化した「暴走獣」に対してアークターンを出すレオパルドン。
このあとソードビッカーで完全に粉砕した。

(写真・右)
戦いを終えた拓也は、天野が銃弾に倒れた公衆電話に花束を添えた。

人間にとって最も尊い親の愛情を踏みにじったモンスター教授を
いつかこの手で倒してやると、改めて山城拓也は心に誓った。



■レオパルドン戦闘データ■
《戦闘時間》
32秒02
《使用した必殺武器》
アークターン
ソードビッカー

「暴走獣」はレオパルドンに触れることができたか?→×


〈補記〉
マシーンベムに改造する人間を探しに行く時、霊柩車の中でワインを嗜むモンスター教授の姿が印象深い。

拓也の父、山城博士は第1話でレースに挑む拓也を応援していたかの様に見えた。
しかし今回のエピソードを見ると、表向きは拓也がレーサーになることを許していても(日記にもそのように書いてある)、
心の奥底ではやはり自分の跡を継いでほしかったという複雑な気持ちがあったようだ。

番組のラスト、拓也が花束を置くと、拓也の後ろを爆音を響かせ暴走族が通り過ぎて行った。
それはリーダーを失ったドクロ団の一行であった。
相変わらず暴走を繰り返す彼らを見て、拓也はこの時何を思ったのであろうか・・・。

なおニンダー・人間体の腕が金属製になったのは今回が初めてであり、この設定は最終話まで引き継がれることになる。


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